アベノミクスでは上がらなかった物価がなぜ2022年以降上がり始めた?

 

アベノミクスのインフレターゲット(2%)が設定された後、インフレがなかなか起きなかったのに、近年急速に物価が上昇している現象について、タイムラグ(遅効性)なのか、海外要因の影響なのかを考える必要があります。順を追って分析してみましょう。

1. アベノミクスのインフレターゲットとその効果

アベノミクスは2012年末に始まり、以下の「3本の矢」を軸にしていました:
– **金融緩和**: 日銀が大規模な量的・質的金融緩和(QQE)を導入し、マイナス金利やETF購入などで市場に資金を供給。
– **財政出動**: 公共事業などで景気を刺激。
– **構造改革**: 規制緩和や労働市場改革など(ただし、この部分は進捗が遅かった)。

インフレターゲット2%は、金融緩和を通じて期待インフレを高め、消費や投資を活性化させる狙いがありました。しかし、2013年~2019年頃まではインフレ率が1%を超えることは稀で、目標達成には程遠い状況が続きました。理由として:
– **デフレマインドの根強さ**: 長年のデフレで消費者や企業が「物価が下がる」と予想し、消費を控える傾向が続いた。
– **賃金上昇の遅れ**: インフレを支えるには賃金上昇が必要だが、非正規雇用の増加や企業の人件費抑制が影響。
– **グローバルな低インフレ環境**: 2010年代は世界的にインフレ率が低く、日本もその影響を受けた。

2. 近年の急速な物価上昇(2020年代)

2020年代に入り、特に2022年以降、物価上昇が顕著になりました。消費者物価指数(CPI)は2023年頃には3%を超える時期もあり、2025年3月時点でも高止まりしている可能性があります。この背景には以下の要因が考えられます:
– **エネルギー・食料価格の高騰**: ロシア・ウクライナ戦争(2022年~)やグローバルサプライチェーンの混乱で、原油や穀物価格が急騰。
– **円安**: 2022年以降、円安が進行(1ドル=150円台に達した時期も)。これは輸入物価を押し上げ、コストプッシュ型のインフレを引き起こした。
– **コロナ後の需要回復**: パンデミック後の経済再開で需要が急増し、供給が追いつかない状況が物価を押し上げ。

3. タイムラグ(遅効性)か、海外要因か?

ここで本題の「アベノミクスの金融緩和が遅れて効いたのか、それとも海外要因の影響か」を考えます。

タイムラグ(遅効性)の可能性

– **金融政策の効果は遅れて現れることがある**: 金融緩和はまず金融市場(株価や為替)に影響を与え、次第に実体経済(消費や投資)に波及します。2010年代の緩和がデフレマインドを徐々に解消し、2020年代に入ってようやくインフレ期待が定着した可能性はあります。
– **賃金上昇の兆し**: 2023年頃から春闘で賃上げ率が上昇(3~4%台)しており、これはアベノミクスが目指した「好循環」の一部が遅れて実現したとも解釈可能。
– **期待インフレの変化**: 日銀の調査(例えば「生活意識に関するアンケート」)では、インフレ期待が2020年代に入って上昇傾向に。アベノミクスの「リフレ政策」が時間をかけてマインドを変えた可能性はゼロではない。

海外要因(輸入インフレ)の可能性

– **コストプッシュ型インフレが主因**: 2022年以降の物価上昇は、主にエネルギーや食料品など輸入依存度の高い品目の価格上昇が牽引しています。これはアベノミクスの効果というより、グローバルなインフレ圧力(特に米国の金融引き締めや戦争による供給ショック)が大きい。
– **円安の影響**: 円安は日銀の緩和姿勢と米国の利上げ(2022~2023年)の金利差が原因。アベノミクスの金融緩和が円安を助長した面はありますが、直接的な物価上昇のトリガーは海外要因が強い。
– **グローバルインフレの波及**: 2020年代は世界的にインフレが進んだ時期(例えば、米国のCPIは2022年に9%近くまで上昇)。日本は輸入依存度が高いため、この波を避けられなかった。

4. どちらが主要因か?

データや状況を総合すると、**近年の物価上昇は海外要因(輸入インフレ)が主因**と考えられます。アベノミクスの金融緩和がインフレ期待や円安を通じて間接的に影響を与えた可能性はありますが、直接的な遅効性というよりは、グローバルな環境変化がタイミングを決定したと見るのが自然です。
– **証拠1**: 物価上昇の内訳を見ると、エネルギーや食料品の寄与が大きい。これはグローバル価格の影響。
– **証拠2**: 日本のインフレ率が世界的なインフレのピーク(2022年)と連動している点。
– **証拠3**: 賃金上昇が物価上昇に追いついていない点は、国内の需要主導型インフレ(アベノミクスの理想)ではないことを示唆。

ただし、アベノミクスが全く無関係とは言えません。金融緩和がなければ円安がここまで進まず、輸入インフレの影響も軽減されていた可能性はあります。また、インフレ期待がゼロから少しでも高まったことで、物価上昇に対する抵抗感が減った面もあるでしょう。

5. 結論

– **タイムラグ(遅効性)**: 一部寄与した可能性はあるが、主因ではない。
– **海外要因(輸入インフレ)**: これが近年の急速な物価上昇の主要因。
– **現在の状況(2025年3月)**: 物価上昇が続いているなら、輸入インフレに加えて、国内の賃金上昇や需要回復がどれだけ進んでいるかで次のフェーズ(持続的インフレかスタグフレーションか)が決まるでしょう。

 

ラーの経済神

 

 

 


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西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




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(Saionji General Trading & Business Development)

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(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。