ハイレベル民事訴訟法キーワード

5. 民事訴訟法
本編 112項目/既習記録の補遺 24項目

全体像
民事訴訟は、私法上の権利を裁判で確定し、必要なら強制執行で実現する仕組みである。訴訟では誰が何の権利を請求しているかを定め、主張と証拠を整理し、判決又は和解で紛争を終える。執行ではその権利があることを原則としてやり直さず、どの財産からどの方法で回収するかを扱う。保全は最終判決まで待つと権利実現が失われる場合の暫定措置である。この三段階の違いから、要件、管轄、不服申立て、期間を整理する。

5-1. 請求の特定・訴えの利益・複数請求

裁判所へ持ち込む前に、誰のどの権利をいま確定又は実現する必要があるかを定める。同じ金銭を求める場合でも法律上の請求権が違えば訴訟物は異なる。将来給付は将来の事情変化をどちらが負担するか、相殺と別訴は同じ権利を二重に判断しないかが核心となる。
参照:B-CCP, B-OFFSETCASE

[CPR-102] 旧訴訟物理論と請求原因|競合請求
同一給付を求めても契約責任と不法行為責任は旧訴訟物理論では別個の訴訟物となる。同じ100万円を請求しても、契約違反からの請求と不法行為からの請求は権利の発生根拠が異なる。併合の形、既判力の範囲、訴え変更の要否に影響する。

[CPR-104] 旧訴訟物理論と請求原因|抗弁体系
被告の抗弁と原告の再抗弁は請求原因と両立しつつその効果を妨げる主要事実として整理する。『借りていない』は請求原因の否認、『借りたが返した』は弁済の抗弁である。抗弁は相手の事実が仮に存在しても結論を妨げる別の事実である。

[CPR-106] 現在給付の訴えの利益|債務名義再訴
同一請求について既に執行力ある債務名義がある場合の再訴には特段の必要を要する。既に強制執行できるなら同じ判決をもう一度得る利益は通常ない。ただし権利保全など別訴を必要とする具体的事情があれば認められる。

[CPR-107] 現在給付の訴えの利益|時効中断必要
債務名義の消滅時効完成を防ぐ必要は再訴を認める特段の事情となり得る。現在の用語では時効の『完成猶予・更新』として扱う。執行の見込みがなく時効完成が迫る場合など、再訴の必要性が問題となる。

[CPR-108] 現在給付の訴えの利益|履行済み
被告が既に履行したかは通常は訴えの利益ではなく請求の本案上の理由に関する。原告が支払請求権を主張している以上、弁済の有無は通常本案で判断する。履行済みなら原則として請求棄却であり、直ちに訴え却下ではない。

[CPR-110] 将来給付の訴え|必要性
債務者が履行期到来時に任意履行しない蓋然性はあらかじめ請求する必要を基礎付け得る。履行期前には通常まだ強制履行を求められないが、満期に争いなく支払われそうにないなら先に債務名義を得る利益がある。

[CPR-111] 将来給付の訴え|請求適格
将来給付請求権の基礎となる法律関係と義務内容が明確であることを要する。将来の賃料など、すでにある法律関係から具体的な給付を見通せる場合が典型である。単なる将来の可能性だけでは足りない。

[CPR-112] 将来給付の訴え|継続性
請求権の成否を左右する将来事情が過度に変動する場合は将来給付の請求適格を欠き得る。将来の生活・稼働状況等が変わる損害賠償を現在の事情だけで固定すると不公平になり得る。変動の程度と後の救済可能性が問題になる。

[CPR-113] 将来給付の訴え|立証負担
将来の給付義務消滅事由を債務者側に負担させても著しく不当でないことを要する。将来給付を認めると債務者が後から義務消滅を争う負担を負う。どちらへ将来の立証負担を置くのが合理的かが審理のポイントとなる。

[CPR-128] 訴え提起の効果・二重起訴禁止|先後
重複する訴えの先後は、訴訟係属が生じた時期を基準に判断する。通常の訴えでは、送達時説に従って原則として訴状送達の先後による。訴状提出の先後だけで当然に決まるとしない。提訴に伴う時効上の効果と、被告送達による訴訟係属の発生を区別する。『先に窓口へ出した方が常に優先』とはいえない。

[CPR-129] 相殺抗弁と別訴・重複訴訟|別訴請求
ある債権が先行訴訟の訴訟物である場合に同じ債権を後訴で請求することは二重起訴禁止に触れる。当事者と訴訟物を特定して同一事件かを判断する。同じ契約に関係するだけで異なる請求まで一律に二重起訴になるわけではない。

[CPR-130] 相殺抗弁と別訴・重複訴訟|相殺抗弁
別訴で係属中の債権を他訴で相殺の抗弁に供する可否は審理重複と矛盾判断の危険から検討する。相殺の抗弁にも一定範囲の既判力が生じるため、二つの裁判所が同じ債権を矛盾して判断する危険がある。

[CPR-131] 相殺抗弁と別訴・重複訴訟|判例規範
先行訴訟の訴訟物たる債権を後行訴訟で相殺に供することは原則として許されない。平成3年12月17日最高裁判決の基本的な方向である。別訴で請求する債権と相殺に使う自働債権の同一性、訴訟の先後を確定する。

[CPR-132] 相殺抗弁と別訴・重複訴訟|逆方向
先に相殺抗弁へ供した債権を別訴請求する場面は相殺判断の確実性を踏まえて区別して検討する。相殺は予備的な防御であり、他の理由で請求が棄却されれば判断されないこともある。先行相殺の場面を、先に訴訟物として確定的に係属した場面と機械的に同じにしない。

[CPR-133] 相殺抗弁と別訴・重複訴訟|相殺既判力
相殺のため主張した請求の成立又は不成立の判断には相殺をもって対抗した額について既判力が生じる。通常は理由中の判断に既判力はないが相殺には明文の例外がある。相殺判断まで到達せず他の理由で決着した場合はこの既判力は生じない。

[CPR-145] 反訴|控訴審反訴
控訴審の反訴は相手方の審級利益保護のため法定の同意等を要する。被控訴人が異議を述べず反訴の本案について弁論すれば同意したとみなされる。相手に第一審で審理を受ける機会を失わせることへの調整である。

[CPR-147] 客観的併合・選択的併合・予備的併合|管轄
客観的併合では各請求について管轄又は関連裁判籍の根拠を要する。関連裁判籍にも専属管轄等の制限がある。請求を一つの訴状へ並べれば常に同じ裁判所で審理できるわけではない。

[CPR-151] 客観的併合・選択的併合・予備的併合|審判順序
予備的併合では裁判所は原告が付した主位と予備の審判順序に拘束される。主位を認めれば通常は予備的請求を判断しない。主位を棄却したときに初めて予備的請求を審理するための条件を原告が付けている。

[CPR-152] 客観的併合・選択的併合・予備的併合|上訴移審
併合請求の上訴による移審範囲は申立てと裁判の一体性を区別して判断する。上級審へ事件が移る範囲と、上級審が変更できる範囲は同じではない。請求の結び付きと上訴人の不服申立範囲を分ける。

[CPR-477] 中間確認の訴え|専属管轄の制限
中間確認請求が他の裁判所の専属管轄に属するときは、法定の例外を除き中間確認の訴えを提起できない。請求の先決問題を既判力で確定するための制度でも、別事件の専属管轄を当然に奪うことはできない。

5-2. 訴状・送達・審理・終了

提訴、送達、口頭弁論、判決という順序で手続上の効果が生じる。特に提訴の時効上の効果と訴訟係属の発生を混ぜない。2026年5月21日以後の民事訴訟には電子化された手続があるため、紙を前提とする旧問題では当時の法令と現行法を区別する。
参照:B-CCP, B-DIGITAL

[CPR-155] 訴えの取下げ|擬制同意
被告が取下書面等の送達後法定期間内に異議を述べないと同意したものとみなされる。被告の同意を要する場合、取下げの書面等の送達から原則2週間内に異議を述べなければ同意擬制となる。最初から同意が不要な段階とは別である。

[CPR-163] 訴状・電子申立て・補正・送達|訴状審査
裁判長は訴状の方式違反又は手数料不納付を審査する。補正可能なら相当期間を定めて補正を命じ、補正しなければ却下する。2026年の改正法では訴状の方式違反と手数料不納付の規定が分けられている。

[CPR-168] 送達・電子送達・公示送達|交付送達
送達は原則として送達場所で送達を受ける者に送達書類を交付してする。2026年5月21日以後の新制度ではシステム送達も存在し、『必ず紙を手渡しする』わけではない。交付送達は紙の送達方法の基本として押さえる。

[CPR-192] 口頭弁論の一体性・更新・再開|一体性
口頭弁論に適法に提出された資料は弁論終結まで一体として判決資料となる。前回までに適法に出された主張・証拠は毎回出し直さなければ消えるわけではない。ただし記録に紙があるだけで弁論資料として適法に提出されたことになるとは限らない。

[CPR-466] 中間判決・一部判決|上訴時期
中間判決だけに対する独立の上訴はできず終局判決に対する上訴でその判断を争う。請求の原因について先にした中間判断は終局判決へ向けた途中の判断である。独立上訴を許すと訴訟が分断されるため終局判決時に争う。

[CPR-472] 訴訟費用|敗訴者負担
訴訟費用は原則として敗訴当事者が負担する。訴訟費用に当然に相手方弁護士費用全額が含まれるわけではない。一部勝訴や不必要な行為等では負担の調整がある。

[CPR-473] 訴訟費用|裁判
裁判所は事件を完結する裁判で職権により訴訟費用の負担を裁判する。判決で負担割合等を定めた後、具体額の確定は裁判所書記官の訴訟費用額確定処分によるのが原則である。

[CPR-475] 口頭弁論の一体性・更新・再開|分離併合
裁判所は口頭弁論の制限・分離・併合を命じ又はその命令を取り消せる。複数請求の審理を効率化するための訴訟指揮である。ただし必要的共同訴訟など、統一して判断すべき関係を無制限に分離できない。

5-3. 判決効・第三者参加

判決は原則として当事者を拘束するが、権利承継や訴訟担当などには明文の拡張がある。補助参加の参加的効力は、前訴の敗訴責任を後で分担する関係から説明され、通常の既判力とは対象と例外が異なる。手続へ参加できなかった第三者まで自動的に拘束しないことが基本である。
参照:B-CCP

[CPR-319] 既判力の主観的範囲|訴訟担当本人
他人のため原告又は被告となった者が受けた判決は法定範囲でその利益帰属主体にも及ぶ。例えば法定の訴訟担当では、担当者が形式上の当事者でも利益は別人に帰属する。実質的な権利者への効力拡張の根拠を民訴法115条で確認する。

[CPR-378] 共同訴訟参加|参加時状態
共同訴訟参加人は参加時の訴訟状態を承認して訴訟に加わる。その段階までの手続を全面的にやり直す権利はない。参加人の地位と必要的共同訴訟の規律に照らし、既存行為の効力を判断する。

[CPR-383] 補助参加と参加的効力|参加的効力
敗訴判決の判断は被参加人と補助参加人との間で原則として拘束力を有する。前訴敗訴の責任を後訴で互いに押し付け合わないための効力である。既判力と異なり、必要な判決理由中の判断にも及び得る。

[CPR-384] 補助参加と参加的効力|例外不能行為
参加時に既にできなかった訴訟行為に関する判断には参加的効力が及ばない。補助参加人が手続へ関与して敗訴を防ぐ機会を持てなかった事項について、敗訴責任を負わせるのは不公平である。

[CPR-385] 補助参加と参加的効力|例外妨害
被参加人が補助参加人の訴訟行為を妨げた場合は法定範囲で参加的効力が生じない。被参加人が参加人の適切な防御を妨げたり、参加人が知らない攻撃防御方法を故意過失で提出しなかった場合などには例外がある。

[CPR-490] 反射効|検討枠組み
第三者への判決の影響は実体法上の従属性と第三者の手続保障を踏まえ、信義則等の個別根拠の有無から判断する。例えば主債務の不存在判断が保証人へどう影響するかが問題となる。第三者だから絶対に無関係、従属関係だから自動的に既判力が拡張、のいずれにも飛ばない。

5-4. 証拠と専門知識

裁判所は証拠で事実を認定する。検証は現物を感覚で把握し、鑑定は専門的判断を証拠として取り入れる。専門委員は理解や審理を補助する立場であり、説明をそのまま証拠認定へ流し込まない。提出拒否や本人尋問拒否の制裁も、当事者か第三者かで異なる。
参照:B-CCP

[CPR-464] 証人尋問・当事者尋問・鑑定|宣誓陳述拒絶
当事者本人が正当な理由なく宣誓又は陳述を拒んだとき裁判所は尋問事項に関する相手方主張を真実と認め得る。裁判所は必ず相手方主張を真実と認めるのではなく、認定できる。証人に対する罰金等の制裁と当事者本人の証拠上の不利益を区別する。

[CPR-480] 検証|目的物の提示・送付
文書証拠に関する提出義務・提出命令・不提出効果・送付嘱託・留置の規定は検証目的物の提示又は送付に準用される。検証物を持つ者に提出を命じることと、裁判所がその状態を直接観察することは別段階である。拒否できる秘密等の例外も準用の対象となる。

[CPR-481] 検証|第三者の不提示
第三者が正当な理由なく検証目的物の提示命令に従わないとき、裁判所は決定で二十万円以下の過料に処する。第三者は訴訟当事者ではないので、相手方主張を真実とする制裁ではなく過料による履行確保が中心となる。

[CPR-482] 検証|過料決定への不服
検証目的物を提示しない第三者への過料決定には即時抗告をすることができる。提示拒否に対する制裁にも不服申立ての手段がある。通常の終局判決への控訴と同じ手続ではない。

[CPR-483] 検証|映像等による方法
裁判所は当事者に異議がなく相当と認めるとき、映像と音声の送受信により目的物の状態を認識する方法で検証できる。当事者に異議がないことと裁判所が相当と認めることが必要である。映像では把握できない性状が争点なら適否が問題となる。

[CPR-484] 検証|検証時の鑑定
裁判所又は受命・受託裁判官は検証に当たり必要があると認めるときは鑑定を命じられる。裁判官が現物を見ても、構造や技術的意味は専門家の助けを要することがある。直接観察としての検証と専門判断としての鑑定を組み合わせる。

[EXT-CPR-001] 専門委員の関与と鑑定との区別
裁判所は、争点・証拠の整理、訴訟手続の進行又は証拠調べのため必要があるとき、当事者の意見を聴いて専門委員を関与させ、専門的知見に基づく説明を聴くことができる。和解の試みへの関与には当事者の同意を要する。専門委員の説明は専門的理解を助けるものであり、事実認定の証拠となる鑑定と区別する。 証人・当事者本人・鑑定人への直接の発問を専門委員に許すには、当事者の同意を要する。専門委員は訴訟運営の理解を助ける者であり、その説明を手続外の鑑定結果のように使わない。争いのある事実を認定するには適法な証拠手続が必要である。

[EXT-CPR-002] 調査嘱託と文書送付嘱託の区別
裁判所は、必要な調査を官庁・公署、外国の官庁・公署、学校、商工会議所、取引所その他の団体に嘱託することができる。裁判所は当事者にその調査結果を提示しなければならない。既存の文書を送付してもらう文書送付嘱託とは対象と機能を区別する。調査嘱託は必要な調査結果を求め、文書送付嘱託は既にある文書の送付を求める。文書提出命令のような強制的提出義務の判断とは区別する。

5-5. 執行の入口と救済

債務名義は強制執行の根拠、執行文は誰が誰へどの範囲で執行できるかを示す認証である。弁済で請求権が消えたなら請求異議、条件成就や承継を争うなら執行文の救済、第三者所有物なら第三者異議と、争う対象に応じて手段が変わる。提訴だけで執行が当然に停止するわけではない。
参照:B-EXEC, B-DIGITAL

[CPR-467] 債務名義・執行文・請求異議|記録事項証明書
2026年5月21日以後に提起された事件の電子判決に基づく執行では法定の記録事項証明書が債務名義情報を示す。電子記録上の判決を執行手続へ接続する仕組みである。旧事件の紙の判決正本と、新事件の電子判決の証明方法を区別する。

[CPR-468] 債務名義・執行文・請求異議|事件特定情報
法定の事件特定情報を提供できる場合は電子判決の記録事項証明書等の提出を省略できる。執行裁判所等が対象事件を特定して情報を参照できる場合の提出省略である。債務名義そのものが不要になるのではない。

[CPR-491] 執行機関|裁判所と執行官
民事執行は申立てにより裁判所又は執行官が法定の役割分担に従って行う。不動産・債権執行は執行裁判所、動産の現実的差押え等は執行官が中心となる。勝訴判決の裁判官がすべての取立てを実施するわけではない。

[CPR-492] 不服申立て|執行抗告
執行裁判所の裁判に対する執行抗告は、民事執行法に特別の定めがある場合に限り認められる。許される場合を法律が限定する不服申立てである。執行抗告ができない執行処分は、執行異議等の別手段を検討する。

[CPR-496] 執行文付与救済|異議申立て
執行文付与申立てに関する裁判所書記官又は公証人の処分は、法定の裁判所への異議申立てで争う。裁判所書記官の執行文付与に対する不服は所属裁判所、公証人の処分はその役場所在地を管轄する地方裁判所が基本となる。

[CPR-497] 執行文付与救済|執行文付与の訴え
条件成就又は承継を証する法定文書等を提出できない債権者は、執行文付与の訴えにより執行文の付与を求められる。書面証明の不足を通常の訴訟による審理で補う制度である。条件成就の事実自体がないのに執行文を得られる制度ではない。

[CPR-499] 執行文付与救済|請求異議との区別
執行文付与異議の訴えは執行開始の条件・承継を争い、請求異議の訴えは請求権の存在又は内容を争う。『債務をもう払った』は請求異議、『この債権者は承継人でない』は執行文付与の適否という区別が基本となる。

[CPR-501] 第三者異議の訴え|管轄
第三者異議の訴えは執行裁判所の専属管轄に属する。本案訴訟で所有権があると主張するだけでは執行は止まらない。第三者所有物を差し押さえられた場合の専用の救済として構成する。

[CPR-502] 異議訴訟|執行停止
執行文付与異議・請求異議・第三者異議の各訴えを提起しても当然には執行が停止せず、別途の執行停止裁判を要する。提訴だけで誰でも執行を止められると濫用されるため、停止の必要と理由を別に審査する。担保を条件とする場合もある。

5-6. 不動産・動産・債権の差押え

対象財産ごとに執行方法が違う。不動産は登記と裁判所の競売、動産は執行官の占有、債権は第三債務者への支払禁止を中心とする。差押えの時点、配当へ参加できる者、債務者の生活保障を同じ順で確認すると細則の意味が見えやすい。
参照:B-EXEC

[CPR-504] 不動産執行|方法の併用
同一不動産について強制競売と強制管理を併用できる。売却代金から回収する方法と、賃料等の収益を管理して回収する方法である。併用しても同一債権を二重に回収することはできない。

[CPR-505] 不動産執行|管轄
不動産執行は原則として不動産所在地を管轄する地方裁判所が執行裁判所として管轄する。対象不動産を実際に把握し管理できる裁判所を置くためである。通常訴訟の被告住所地という原則とは異なる。

[CPR-506] 強制競売|開始決定
執行裁判所は強制競売開始決定において債権者のため不動産を差し押さえる旨を宣言する。不動産の所有権を直ちに債権者へ移す決定ではない。処分を制限して売却・配当へ進むための始点となる。

[CPR-507] 強制競売|差押効力発生時
不動産差押えの効力は原則として開始決定が債務者に送達された時に生じる。開始決定を出しただけで常に効力が生じるのではない。送達と登記のうちどちらが先かを確認する。

[CPR-508] 強制競売|先行する差押登記
開始決定の送達前に差押登記がされたときは、不動産差押えの効力は登記時に生じる。先に登記が入れば、それ以前の対外的な財産処分との優劣を安定させるため登記時に差押効力が発生する。

[CPR-512] 強制競売|配当要求終期
差押登記がされたときは裁判所書記官が配当要求の終期を定め、所定の公告と債権届出の催告をする。配当に加わる債権者を一定時点で締め切って売却条件と配当準備を確定する。終期後に名乗り出れば当然に同じ配当に参加できるわけではない。

[CPR-514] 強制競売|無剰余による取消し
無剰余通知を受けた差押債権者が一週間以内に法定の買受申出・証明又は優先債権者の同意を得ないとき、競売手続は取り消される。優先債権等を払うと申立債権者へ残額がない競売は、原則として続ける実益がない。買受申出等により剰余を確保できる場合が例外となる。

[CPR-516] 強制競売|引受主義
対抗可能な留置権等については買受人が被担保債権を弁済する責任を負う。買受人がすべての担保負担を消して取得するわけではない。売却により消える抵当権等と、引き受ける留置権等を区別する。

[CPR-518] 強制競売|差押債権者の配当参加
配当要求終期までに強制競売等を申し立てた差押債権者は売却代金の配当を受ける。先に申し立てた一人だけが売却代金を独占する制度ではない。差押債権者の申立時期と配当要求終期を確認する。

[CPR-519] 強制競売|配当要求債権者
配当要求終期までに適法な配当要求をした債権者は売却代金の配当を受ける。配当要求できる債権者には法定資格がある。単なる無担保債権の主張だけでいつでも配当へ加われるわけではない。

[CPR-520] 強制競売|登記された債権者
差押登記前に登記された仮差押債権者その他法定の登記債権者は配当要求をしなくても売却代金の配当対象となる。登記から権利が分かる者には別途の配当要求を不要とする場合がある。ただし配当額確定のため債権届出は求められる。

[CPR-523] 動産執行|債務者占有物の差押え
債務者占有動産の差押えは執行官がその動産を占有して行う。現場で誰が占有しているかを手掛かりに迅速に差し押さえる。実は第三者所有であれば第三者異議等による救済を行う。

[CPR-525] 動産執行|第三者占有物
債権者又は提出を拒まない第三者が占有する動産は、執行官が占有を取得して差し押さえられる。第三者が提出を拒む物を、債務者の所有だとの主張だけで直ちに強制的に取り上げることはできない。

[CPR-526] 動産執行|二重差押禁止
執行官は既に差し押さえられ又は仮差押執行を受けた動産を更に差し押さえることができない。同じ動産を重ねて物理的に差し押さえず、先行差押えを基盤に事件併合・配当参加を処理する。

[CPR-527] 動産執行|後行事件の併合
同一場所について後行の動産執行申立てがあったときは、執行官は法定の処理後に先後の動産執行事件を併合する。後の債権者を排除するという意味ではない。同じ差押物について執行を重複させず、回収手続を一本化する。

[CPR-531] 動産執行|食料・燃料の差押禁止
債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料は差押禁止動産である。債務を回収しても最低限の生活を奪い尽くさないための制限である。食料・燃料の1か月と現金の基準を混同しない。

[CPR-532] 動産執行|現金の差押禁止額
標準世帯二月分の必要生計費として政令で定める六十六万円までの現金は差押禁止動産である。この66万円は手元の現金に関する規定である。銀行預金債権が当然に同額だけ差押禁止になるわけではない。

[CPR-533] 動産執行|差押禁止範囲の拡張
執行裁判所は申立てにより当事者の生活状況等を考慮し、動産差押えの全部又は一部を取り消せる。定型的な禁止額だけでは生活を守れない場合に個別事情で調整する。債務者の生活と債権者の回収必要性の両方をみる。

[CPR-534] 動産執行|差押禁止範囲の縮減
執行裁判所は申立てにより当事者の生活状況等を考慮し、差押禁止動産の差押えを許可できる。法定の生活保護範囲も事情により調整され得る。ただし執行官がその場の独断で差押禁止物を自由に差し押さえる制度ではない。

[CPR-535] 動産執行|売却方法
執行官は差押物を入札・競り売り又は最高裁判所規則所定の方法で売却する。換価して金銭へ変え、債権者へ配当するための段階である。売却前に差押えの適法性・禁止範囲を処理する。

[CPR-536] 動産執行|配当参加
動産執行では差押債権者のほか、売得金交付等の法定時点までに配当要求した債権者が配当を受ける。不動産執行の配当要求終期と同じ固定日を機械的に用いない。動産では売得金等を分配へ回す法定の時点で参加範囲が締め切られる。

[CPR-537] 債権執行|開始
金銭等の支払又は動産引渡しを目的とする債権への強制執行は、執行裁判所の差押命令により開始する。債務者が銀行や取引先に持つ請求権を対象とする。第三債務者とは、その差押対象債権を支払う銀行等である。

[CPR-538] 債権執行|管轄
債権執行は原則として債務者の普通裁判籍所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。預金口座がある銀行の本店所在地が常に管轄になるわけではない。債務者の住所等を基本に法定の管轄を決める。

5-7. 配当と非金銭執行

金銭の配当は債権の優先順位に従い、配当表への不服は短期間の異議と訴えで処理する。一方、物の引渡しは直接強制、代行できる作為は代替執行、意思表示は判決等による擬制というように、給付内容に適した方法を使う。
参照:B-EXEC, B-DISTRIBUTION

[CPR-557] 配当手続|配当表の作成
配当を要するときは執行裁判所が配当期日において配当表を作成する。配当する原資と各債権を整理し、誰へいくら渡すかを公的に確定する段階である。自動的な頭割りではない。

[CPR-558] 配当手続|配当表の内容
配当表は各債権者の元本・利息等と配当の順位及び額を記載して作成する。抵当権等の優先順位と各債権の元本・付随請求を反映する。権利があることと今回配当から回収できる額は別である。

[CPR-559] 配当手続|配当異議
配当表に不服のある債権者又は債務者は配当期日に異議を申し出て、争う債権・額又は順位を明らかにする。異議のない部分の配当は進められる。『全部に不満』ではなく、どの債権・順位・額を争うかを明らかにする。

[CPR-560] 配当手続|配当異議訴訟
配当異議を完結させるには法定期間内に配当異議の訴え等を提起し、その提起を執行裁判所に証明しなければならない。原則として配当期日から1週間以内に提訴を証明する。債務者が執行力ある債務名義の債権を争う場合は請求異議の訴えと執行停止資料が必要になるなど分岐がある。

[CPR-561] 引渡執行|不動産
不動産等の引渡し又は明渡しは執行官が債務者の占有を解き、債権者に占有を取得させる直接強制で行う。執行官が現実の占有を移す。判決があるからといって債権者が勝手に鍵を替えたり相手を排除したりできるわけではない。

[CPR-562] 引渡執行|動産
動産の引渡しは執行官が債務者から目的物を取り上げて債権者に引き渡す直接強制で行う。物の現存と債務者の占有が前提となる。物がなくなっていれば、その判決だけで別物や金銭を当然に取り上げることはできない。

[CPR-563] 引渡執行|第三者占有
第三者が目的物を占有して債務者へ引渡義務を負うときは、引渡請求権を差し押さえてその行使を債権者に許す命令により執行する。直接取り上げられない第三者占有物について、債務者が第三者に持つ返還請求権を利用する方法である。

[CPR-565] 代替執行|不作為違反の除去
不作為義務違反の結果は執行裁判所が債務者の費用で除去し又は将来のため適当な処分をする旨を命じる方法で執行する。建築禁止義務に反して建てた工作物の撤去などが典型である。不作為義務には将来の違反抑止と既存の違反結果除去の両面がある。

[CPR-569] 意思表示義務|債権者が証明する条件
意思表示が債権者の証明すべき事実の到来に係るときは、その事実を証明して執行文が付与された時に意思表示が擬制される。条件なしの意思表示判決は原則確定時に意思表示が擬制されるが、条件付きでは条件成就を執行文付与で確認する。

[CPR-570] 意思表示義務|反対給付
意思表示が反対給付との引換えに係るときは、反対給付又はその提供を証明して執行文が付与された時に意思表示が擬制される。代金を支払うのと引換えに登記手続をする判決などでは、反対給付をしたこと等を確認してから意思表示があったものと扱う。

5-8. 財産開示と第三者情報取得

判決に勝っても相手の財産が分からなければ回収できない。財産開示は債務者本人に説明させ、第三者情報取得は銀行・登記所等の情報を用いる。情報の種類によって先行財産開示や債権の種類の制限が異なり、情報を取得した後の差押えは別途必要となる。
参照:B-EXEC

[CPR-571] 財産開示|管轄
財産開示手続は債務者の普通裁判籍所在地を管轄する地方裁判所が執行裁判所として管轄する。債務者を呼び出して財産を説明させる手続なので、債務者側の普通裁判籍を基本に管轄を定める。

[CPR-573] 財産開示|財産不足要件
知れている債務者財産に強制執行しても完全な弁済を得られないことを疎明した債権者は財産開示を申し立てられる。単に相手の財産を知りたいというだけの調査権ではない。執行しても足りないこと等の法定要件と債務名義を要する。

[CPR-574] 財産開示|実施決定の確定
財産開示の実施決定は確定しなければ効力を生じない。決定への不服申立ての機会を保障してから出頭・陳述義務を具体化する。決定が出た瞬間にすべての効果が確定するわけではない。

[CPR-575] 財産開示|出頭義務
開示義務者は指定された財産開示期日に出頭しなければならない。正当な理由のない不出頭には刑事罰があり得る。任意の財産相談や任意回答のアンケートではない。

[CPR-576] 財産開示|財産陳述義務
開示義務者は差押禁止の生活必需動産を除く債務者財産について強制執行に必要な事項を陳述しなければならない。銀行名、支店、債権の内容など執行先を特定できる情報が重要となる。『何もありません』と述べれば調査義務を免れるわけではない。

[CPR-577] 財産開示|宣誓
開示義務者は財産開示期日に陳述する前に宣誓しなければならない。真実を述べる責任を明確にし、虚偽陳述に制裁を結び付けるための手続である。

[CPR-578] 財産開示|三年内再実施の制限
債務者が前三年以内に財産開示期日で財産を陳述した場合、原則として再度の実施決定はできない。繰返しの負担や濫用を防ぐ。ただし前回に財産を正しく述べなかったことや新財産取得の事情等、法定例外があれば再実施される。

[CPR-581] 財産開示|宣誓拒絶の刑事罰
開示義務者が正当な理由なく財産開示期日の宣誓を拒んだときは刑事罰が科され得る。単なる過料だけの制度ではない。2025年の拘禁刑への移行も踏まえ、旧教材の懲役表記は現行の罰則表記と区別する。

[CPR-582] 財産開示|陳述拒絶の刑事罰
宣誓した開示義務者が正当な理由なく陳述すべき事項を陳述しないときは刑事罰が科され得る。黙っていれば財産を隠せる制度にしないための実効性確保である。虚偽陳述にも別途刑事制裁がある。

[CPR-584] 第三者情報取得|管轄
第三者情報取得手続は原則として債務者の普通裁判籍所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。情報を持つ銀行等の所在地が当然に唯一の管轄になるわけではなく、債務者を中心とする法定管轄で処理する。

[CPR-585] 第三者情報取得|不動産情報
法定要件を満たす債権者は登記所に対して債務者名義の土地・建物等の情報提供を命ずるよう申し立てられる。不動産情報の取得では原則として先行する財産開示手続を要する。情報提供命令が出ただけで当該不動産の差押えまで完了するわけではない。

[CPR-588] 第三者情報取得|給与情報の先行手続
給与債権情報取得の申立てにも原則として三年以内の財産開示期日実施を要する。給与情報は養育費等や生命・身体侵害の損害賠償等の法定債権に利用資格が限定される。通常の貸金債権で当然に給与情報を得られるとはしない。

[CPR-589] 第三者情報取得|預貯金情報
法定要件を満たす債権者は銀行等に債務者の預貯金債権情報の提供を命ずるよう申し立てられる。預貯金情報については原則として先行財産開示を要しない。情報取得と、判明した口座への差押命令申立てを区別する。

[CPR-590] 第三者情報取得|振替社債等情報
法定要件を満たす債権者は振替機関等に債務者の振替社債等の情報提供を命ずるよう申し立てられる。振替口座等に記録された有価証券を把握する制度である。これも情報を得る段階であり、その後の差押え・換価とは別である。

5-9. 民事保全

保全は最終判断を先取りして恒久的に勝たせる制度ではなく、将来の権利実現が失われる危険を暫定的に防ぐ。被保全権利と保全の必要性を別々に疎明し、相手の損害を担保で保障する。債務者には異議、本案提起を促す起訴命令、事情変更による取消し等の救済がある。
参照:B-PRESERVE

[CPR-593] 保全命令|本案管轄裁判所
保全命令事件は本案の管轄裁判所が管轄する。本案請求を最終的に審理する権限のある裁判所が、その実効性を仮に守る。保全だけで本案の管轄が自由になるわけではない。

[CPR-594] 保全命令|目的物所在地の管轄
保全命令事件は仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所にも管轄がある。対象物の近くで迅速に保全する必要に対応する追加の管轄である。金銭請求の仮差押えと係争物仮処分の対象所在地を区別する。

[CPR-596] 保全異議|停止・取消し
保全異議の理由に理由があるとみえ疎明がある等の法定要件を満たすとき、裁判所は申立てにより担保を条件として保全執行の停止又は取消しを命じ得る。異議を出すだけで当然に保全執行が止まるわけではない。理由の見込み・回復困難な損害等の要件を別に満たす必要がある。

[CPR-598] 起訴命令|期間
起訴命令で定める本案提起等の期間は二週間以上でなければならない。債権者に本案を準備する最低限の時間を保障する。指定期間の起算と訴え提起・係属の証明の両方を確認する。

[CPR-600] 起訴命令|取下げ・却下
本案係属の証明後に本案訴訟が取り下げられ又は却下されたときは、証明書を提出しなかったものとみなされる。形だけ本案を起こしてすぐ取り下げ、保全だけ維持することを防ぐ。実体判決で請求を棄却された場合とは区別する。

[CPR-601] 保全取消し|事情変更
被保全権利・権利関係又は保全の必要性の消滅その他の事情変更があれば、発令裁判所又は本案裁判所は債務者の申立てにより保全命令を取り消せる。権利が弁済で消えた、財産散逸の危険がなくなったなど、発令後も保全を続ける根拠が失われた場合である。

[CPR-602] 保全取消し|事情変更の疎明
事情変更による保全取消しの事情は債務者が疎明しなければならない。本案と同じ厳格な証明でなく疎明による。ただし単に事情が変わったと主張するだけでは足りず即時に調べられる資料を用いる。

[CPR-605] 保全担保|担保事由消滅
担保を立てた者が担保事由の消滅を証明したとき、裁判所は担保取消決定をしなければならない。担保は相手が被り得る損害を保障するためのものなので、その危険がなくなれば維持理由もなくなる。

[CPR-606] 保全担保|担保取消しへの同意
担保権利者の同意を担保提供者が証明したとき、裁判所は担保取消決定をしなければならない。担保で保護される側が解除を承諾しているなら、担保を残す必要がない。裁判所への申立て・決定はなお必要となる。

[CPR-607] 保全担保|権利行使催告
訴訟終結後に裁判所の催告期間内に担保権利者が権利行使しないときは、担保取消しへの同意があったものとみなす。担保取消しの前に損害賠償請求等を行う最後の機会を与える。期間内に何もしない場合に限って同意を擬制する。

[CPR-609] 保全執行|二週間の期間
保全執行は債権者に保全命令が送達された日から二週間を経過すると実施できない。送達を受ける『債権者』を起算の基準にする。債務者への送達を待たず執行できる場面があることと区別する。

[CPR-611] 保全執行|追加担保不提供
保全執行続行の条件とされた追加担保を期間内に提供・証明しないとき、保全執行裁判所又は執行官は保全執行を取り消す。裁判所が続行条件として追加担保を求めた場合、その条件を満たさず保全を続けることはできない。

[CPR-612] 仮差押執行|不動産
不動産仮差押えは仮差押登記又は強制管理の方法により執行する。売却して満足を得る段階ではなく、将来の執行を妨げる処分を防ぐ段階である。仮差押えと強制競売を同一視しない。

[CPR-613] 仮差押執行|動産
動産仮差押えは執行官が目的物を占有する方法により執行する。原則として執行官が占有を確保する。使用を許して債務者保管とする場合などの方法上の調整がある。

5-10. 既存学習の記録がある項目の補遺

以下には既存の教授・回答の証拠がある。未学習として数え直す項目ではなく、同じ本文で必要事項を確認できるよう再掲する。
参照:B-CCP, B-PUBLICDOC, B-PRESERVE

[CPR-101] 旧訴訟物理論と請求原因|旧訴訟物理論
実体法上の個々の請求権を訴訟物と捉えるのが旧訴訟物理論である。権利発生の法的根拠を一つずつ審判対象とするため、同じ金銭給付でも別の請求権なら別訴訟物となる。

[CPR-149] 客観的併合・選択的併合・予備的併合|選択的併合
選択的併合では同一目的を達する複数請求のいずれか一つの認容を求める。裁判所は一請求を認めれば目的が達成されるが、全体を棄却するには他の請求も理由がないことを判断する必要がある。

[CPR-189] 準備書面と争点・証拠整理手続|法定審理除外
消費者契約に関する訴え及び個別労働関係民事紛争に関する訴えは法定審理期間訴訟手続の対象外である。迅速な期間管理より当事者の実質的保護が重視される類型を除外する。除外は裁判所の任意の好き嫌いではなく法律による。

[CPR-190] 準備書面と争点・証拠整理手続|法定審理日程
法定審理期間訴訟手続では基準期日から六か月以内の弁論終結と終結から一か月以内の判決言渡しを指定する。審理日程をあらかじめ見通せる仕組みである。法定の要件と当事者の同意等の下で終結予定時期を変更する特則を区別する。

[CPR-191] 準備書面と争点・証拠整理手続|通常移行
法定審理期間訴訟手続は当事者の申出又は審理困難の認定により通常手続へ移行する。迅速手続を選んだらどれほど複雑になっても抜けられないわけではない。通常手続へ移っても適法に行われた訴訟行為は引き継がれる。

[CPR-193] 口頭弁論の一体性・更新・再開|裁判官交替
判決に関与する裁判官が交替したとき当事者は従前の口頭弁論の結果を陳述しなければならない。新裁判官が直接審理した資料を基に判断する原則を補う手続である。裁判官交替でそれまでの訴訟が全部無効になるのではない。

[CPR-194] 口頭弁論の一体性・更新・再開|更新効果
弁論の更新により新裁判官の直接主義を手続上補完する。従前の口頭弁論の結果を新しい裁判体の前へ取り込む。証人の再尋問が必要になるかは別の規律で判断する。

[CPR-195] 口頭弁論の一体性・更新・再開|再開
裁判所は終結後でも必要があると認めるとき口頭弁論の再開を命じられる。判決前に重要な資料が判明した場合などに再開する。再開を申し立てれば当事者が当然に再開を強制できるわけではない。

[CPR-348] 債務名義・執行文・請求異議|和解調書
訴訟上の和解調書は債務名義となる。和解で合意した給付義務は、法定の条件を満たせば新たな給付訴訟を経ず強制執行できる。私的な口約束の和解とは違う。

[CPR-354] 通常共同訴訟|同種要件
同種の権利義務が同種の原因に基づく場合も法定の管轄要件の下で共同訴訟にできる。別々の契約でも同種の権利・同種原因なら共同訴訟が許される場合がある。ただし関連裁判籍には共通原因型との違いがある。

[CPR-376] 共同訴訟参加|地位
共同訴訟参加人は補助者ではなく当事者たる共同訴訟人となる。自己のために判決を求める当事者となる点で、他人の勝訴を手伝う補助参加と異なる。

[CPR-380] 補助参加と参加的効力|法律上利害
単なる事実上又は感情上の利害では補助参加の利益にならない。判決理由又は結論が第三者の法的地位へ影響し得ることを要する。単なる評判、友情、経済的な願望だけでは足りない。

[CPR-462] 文書提出命令|公務秘密
公務員の職務上の秘密に関する文書でも一律に提出義務がなくなるわけではない。一般提出義務による申立てでは、監督官庁の意見聴取等を経て、提出による公共の利益への害や公務遂行への著しい支障のおそれを判断する(民訴法220条4号ロ、223条3項以下)。国の安全や犯罪捜査等に関する法定の意見が示された場合には、その意見に相当の理由があるかを判断する特則がある。

[CPR-463] 文書提出命令|職業秘密
弁護士又は医師等が職務上知り得た秘密を記載した文書は秘密保持要件を満たす限り一般提出義務から除外される。本人の同意等で黙秘義務が免除される場合は扱いが変わる。法律家の手元にある文書がすべて一律に提出不要となるわけではない。

[CPR-469] 準備書面と争点・証拠整理手続|法定審理控訴禁止
法定審理期間訴訟手続の終局判決には訴え却下判決を除き控訴できない。不服申立てを一切奪うのではなく、原則として判決送達から2週間以内の異議により同じ裁判所で通常手続の審理を受ける仕組みがある。

[CPR-474] 手続規定違反|異議権喪失
当事者が訴訟手続規定違反を知り又は知り得たのに遅滞なく異議を述べないと異議権を失う。当事者の利益を守る任意的手続規定についての原則であり、当事者が放棄できない規定違反には適用されない。

[CPR-615] 仮差押解放金|命令への記載
仮差押命令は仮差押執行の取消しを得るため債務者が供託すべき金銭額を定めなければならない。債務者が指定額を供託すれば、対象財産を拘束し続ける代わりにその金銭へ保全を置き換えることができる。

[CPR-617] 仮処分執行|執行方法
仮処分執行は特則がない限り仮差押執行又は強制執行の例による。命令内容に合った方法を選ぶ。占有移転禁止、登記による処分禁止、金銭仮払等をすべて同じ現実執行で処理しない。

[CPR-618] 仮処分執行|債務名義擬制
物の給付その他の作為又は不作為を命ずる仮処分の執行では、仮処分命令を債務名義とみなす。給付を命じる仮処分を現実に実施するための擬制である。本案判決で最終的に権利が確定したという意味ではない。

[CPR-621] 占有移転禁止仮処分|執行官保管と公示
占有移転禁止仮処分は執行官に目的物を保管させ、占有移転禁止と執行官保管の事実を公示させる。現場の占有者を固定して、本案勝訴後に『今は別人が占有している』と執行を空振りさせないための措置である。

[CPR-622] 占有移転禁止仮処分|悪意の新占有者
占有移転禁止仮処分の執行を知って係争物を占有した者には、本案債務名義に基づく引渡し又は明渡しを執行できる。執行を知って新たに占有した者へ効力を及ぼして潜脱を防ぐ。承継の経緯や独立の占有権原の有無も確認する。

[CPR-624] 占有移転禁止仮処分|悪意推定
占有移転禁止仮処分の執行後に係争物を占有した者は、その執行を知って占有したものと推定される。新占有者側が執行を知らなかったこと等を争う構造となる。仮処分の公示がこの推定を支える。

[EXT-CPR-004] 訴えの取下げ擬制
当事者双方が口頭弁論又は弁論準備手続の期日に出頭しない、又は弁論・申述をしない場合、1か月内に期日指定の申立てがなければ訴えの取下げが擬制される。双方が連続して2回そうした場合にも擬制される(民訴法263条)。

[EXT-CPR-005] 訴訟上の和解解除と訴訟終了効
裁判上の和解で訴訟はいったん終了する。後に和解契約を債務不履行解除しても、それだけで終了した旧訴訟が当然に復活するわけではなく、必要な権利は原則として新訴で主張する。和解当初からの無効・取消しを主張して終了効を争う場面と分ける。

参照法令・資料

[B-CCP] 民事訴訟法(40、42〜53、61以下、115、132の4以下、135、137以下、142以下、205以下、247、261〜263、281以下、312〜325条等)
https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
確認範囲:訴訟要件、複数請求、訴訟終了、証拠、上訴

[B-OFFSETCASE] 裁判所判例・本訴反訴間の相殺と別訴係属債権の相殺の区別
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/887/032887_hanrei.pdf
確認範囲:CPR130〜133の別訴と相殺の関係

[B-DIGITAL] 裁判所・民事裁判手続のデジタル化
https://www.courts.go.jp/saiban/minjidejitaruka/index.html
確認範囲:電子申立て・送達・電子判決、執行との接続。民事執行・倒産等が同日に全て電子化したとしない。

[B-EXEC] 民事執行法(26〜38、43以下、85〜91、122以下、143以下、168以下、174、196以下条等)
https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
確認範囲:執行方法、執行救済、配当、財産調査

[B-DISTRIBUTION] 裁判所・債権執行手続で使う書式(配当異議・提訴証明等)
https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_minzi_sikkou/saiken_saimu/sonota/index.html
確認範囲:配当異議と訴え提起証明

[B-PRESERVE] 民事保全法(12〜15、23、26以下、34以下、43以下、52以下条等)
https://laws.e-gov.go.jp/law/401AC0000000091
確認範囲:仮差押え・仮処分、異議・取消し・保全抗告、担保、執行

[B-PUBLICDOC] 衆議院・平成13年法律第96号(公務秘密文書の提出義務及び意見聴取)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15120010704096.htm
確認範囲:CPR-462の公務秘密文書と監督官庁の意見聴取

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@西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。