第1話:喧騒
都会の喧騒を、私は、包み込むことができない。 要は、キャパが持たなかった。 包み込まれるしかない。 田舎に無いものが都会にあるとしたら。 それは高さだ。 狭いはずの土地をさらに狭く。 空中すらも開発していく。 その世界の中にいれば、自分の五体を、 何かに包み込まれているような不思議な錯覚を覚える。 大いなる意志に働かされている操り人形。 パントマイムの人生。 高さはもしかすると物理的なものに限らないのかもしれない。 田舎に比べれば、都会は、高みが雲にかかってその先が見えないかのようだ。 RPGゲームで出てきそうだろう。 魔王の住む、天空に突き抜け頂上の見えない城。 なんとなく、そんなものだらけな気がした。 とにかく、自分が砂浜の中の砂つぶでいるような感覚。 これは、 (さらに…)