いい天気だ。 日光が眩しい。   ・・・ポケットを触る。 ケータイ、持った。 財布、持った。 忘れ物は・・・・・ない。   バイクに跨がる。両手を上にあげて、背筋をピンと伸ばす。 よし、行こう。   鍵穴に鍵を差し込む。パチッ。ウィーン。 メーターに光が灯り、針が往復運動を一回終えた。 グリップを握る。   キュルキュルキュル・・・・   ボボボボボボボボボボボボボボボボ・・・・   エンジンがかかった。 重心を右に傾け、左足でスタンドをはねる。 カタン。   「ガコン！」 ギアをニュートラルから「１」へ。   さぁ、出発だ。   ブォォォォォォン   心地よい圧が体にかかり、下半身と車体のグリップが高まる。 体が、バイクと一体化した。   心地よい風が頬の側を通り抜け、 風の匂い (さらに…)