「ゲーム理論的核武装論と理系的思考の限界:木下栄蔵と藤原正彦の比較を通じて」
西園寺帝国大学 西園寺貴文
要旨(Abstract)
本稿は、木下栄蔵によるゲーム理論的核武装論と、藤原正彦による理系リーダー批判を対比し、理系的思考の長所と限界を検討するものである。木下はゲーム理論を用いて日本の核武装を合理的選択として提示したが、そのモデルには国際政治的・文化的変数の欠落が見られる。一方、藤原は『国家の品格』(新潮新書、2005)において、理系的思考は演繹的で狭隘になりやすいと批判した。本稿では、両者の立場を比較検討し、理系的合理主義が政策決定において抱える構造的限界を論じる。
1. 序論
木下栄蔵(名古屋市立大学名誉教授)は、近年の著作『日本の核武装こそが世界を平和にする:ゲーム理論が解明した核戦略の最終結論』(ヒカルランド、2025)において、日本が核武装することこそが最適な戦略的均衡であると論じた(木下, 2025)。
一方、数学者・藤原正彦は『国家の品格』(新潮新書, 2005)において、理系的論理主義の限界を指摘し、「理系の政治家は失敗する」と述べた。
本稿の目的は、この二人の主張を学際的に照合し、理系的思考が国際政治という多変数的現実に適用される際の問題点を浮き彫りにすることである。
2. 木下栄蔵の核武装論とゲーム理論的合理性
木下はナッシュ均衡(Nash equilibrium)の枠組みを援用し、各国の核抑止戦略を利得行列で整理したうえで、「日本が核を保有することは、支配戦略(dominant strategy)として合理的である」と主張する(木下, 2025, pp. 45–72)。
この主張は、あくまでプレイヤー間の合理性と完全情報を前提とするものであり、戦略的相互作用を単純化してモデル化している点で、ゲーム理論的には整合的である。
しかし、国際政治における「完全情報」「合理的行動」「非協力的均衡」といった前提はしばしば現実に適用できない。特に核拡散防止条約(NPT)体制や米国の拡大抑止(extended deterrence)といった制度的制約を無視すれば、モデルの均衡は現実世界では成立しない。
このように、モデルとしての正しさと、現実世界での有効性は峻別されねばならない。
3. 藤原正彦の「理系批判」と思考の枠組み
藤原正彦(2005)は、理系的思考を「演繹的であり、変数の少ない世界では強いが、社会現象のように多変数・不確実性の高い領域では脆い」と評した(p.132)。
彼は鳩山由紀夫(東京大学工学部卒、スタンフォード大学博士)ら理系政治家の失敗を例に挙げ、「論理的整合性は高くても、現実的感覚や情緒・倫理観に欠ける」ことを指摘している。
藤原の批判は、理系的手法を否定するものではなく、社会システムにおける“変数の見落とし”を警告するものである。すなわち、数理的整合性だけでは政治的意思決定の正当性は保証されない。
4. 理系思考の長所と限界
理系的思考は、明確なモデル構築と一貫した論理展開に優れる一方で、以下の限界を持つ。
非定量的変数(文化・感情・外交関係)を扱いにくい
前提条件(assumptions)を明示的に置くが、その妥当性が現実では崩れやすい
部分最適(局所均衡)に陥りやすく、全体最適を見誤る
木下の核武装論はまさにこの典型である。理論的には整合的でありながら、実際には「資源自給率の低さ」「外交的孤立」「国内世論の反発」など、数理モデルに取り込みにくい変数を軽視している。
藤原の批判は、こうした理論的合理性の限界を「視野の狭さ」として直感的に捉えたものと解釈できる。
5. 結論
木下栄蔵の核武装論は、ゲーム理論的には一貫しており、形式的合理性を備える。しかし、国際政治のような複雑系においては、数理モデルの変数設定そのものが政治的判断であり、単なる計算問題ではない。
藤原正彦が指摘する「理系リーダーの失敗」は、この変数選定の政治的・倫理的側面を軽視する構造的問題に起因する。
したがって、理系的合理主義を政策に応用する際には、文系的感受性――つまり、曖昧さ・倫理・文化の理解――を統合する必要がある。
それは、科学的合理性と人文的知の統合という、今後のリーダーシップ教育における重要な課題でもある。
参考文献
木下栄蔵『日本の核武装こそが世界を平和にする:ゲーム理論が解明した核戦略の最終結論』ヒカルランド、2025年。
国立国会図書館書誌情報
藤原正彦『国家の品格』新潮新書、2005年。
新潮社公式サイト
Nash, J. F. (1950). Equilibrium points in n-person games. Proceedings of the National Academy of Sciences, 36(1), 48–49.
Waltz, K. (1979). Theory of International Politics. Addison-Wesley.
Schelling, T. (1960). The Strategy of Conflict. Harvard University Press.
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