存在命題(特称命題)の証明は簡単で、
ほら、あるじゃん
と具体的な事例とその導出方法を示せばそれで終わりである。その羅列が巷のビジネス書である。
実際のところを言えば、その書かれている話が本当なのか嘘なのかについての検証は必要なのだが(大体嘘、運が良い、たまたま、見せ方が良いだけetc)、まぁ、仮に「成功ストーリー」が確かにあるとしよう。
だが、それらをトレースしても成果は出ないことが多い。なぜなら前提条件が違うとか、確率的な問題が絡む。
そこでも求めたいのは、全称命題的なものである。現実問題としては全称命題の証明は無理なのだが、剰余類を使ったMECE的な発想や数学的帰納法的なアルゴリズムが使えるのであれば、証明は可能である。
例えば、
認知→興味→購入→リピート→離反
みたいな流れを細分化して、ここに可視化・測定性を持ち込むことができれば、ブラックボックスと思われていたビジネスについて、ある程度の科学性を持ち込むことができる(ロジックツリーを持ち出して、購買行動の分岐パターンを見ても良い)。実際、私が「胡散臭い」と思っていたビジネスの世界で、BETしようと思ったのはこの体系とそれに応じた具体的な策としてのコピーライティングと出会ったからではある。
ただし、全称性は例外を出されて仕舞えば一発で終わりである。当然のことながら、今のようなコピーライティング的な話も失敗事例は存在するので、やはり「ある程度、統計的に成功者が担保された一般則」でしかない。
客数、単価、頻度の3変数でビジネスが規定されるとして、その多変数性から領域について考えてみる。実は、実際問題、この変数は全て、「他の何かとの奪い合い」の構図が存在する。比較的ミクロで見れば競合と、マクロで見れば消費性向との鍔迫り合いが存在する。ということは、当たり前だが均衡ラインが存在するのである。
この3変数の背後に、人々が「選好(preference:プレファレンス)」する要因があって、仮にXとしよう(実際はもっと多変数であろうが)。集客の根本的な素材、ネタ、事業の根幹的な価値とする。このXが相対的に決まると考えた場合、この相対的な決定性をモデリングする。
仮に1次元で奪い合う、という場合で、消費者の選好の分布に偏りが無いという場合には、極に位置するよりは、極から中央に向けてカバーをした方が獲得できる範囲は広がる。イロモノで終わるより、中央に寄った方が良いのである。ところが、競争空間が2次元になるとどうだろうか。極を取るニッチ系ビジネス、幅広い範囲を取る大御所などに挟まれて、エッジの立たないポジションをしているビジネスの獲得範囲が狭くなったりする。また、エッジが立ってるプレーヤーは、限られた客から高単価での販売ができたりする。
現実の世界を見てみると、アパレルなんかがわかりやすいが、
- GU、ユニクロ的なもの
- ハイブランド的なもの
が生き残る一方で、微妙な立ち位置のものが死んでいる。これは、過当競争かつ市場のパイが成長していない(あるいは縮小している)という時に起こりやすい構図である。今の日本であると、大抵は成熟業界であるので、この「中途半端なポジション」が淘汰されるという構図は非常に良く見受けられる。
このように、領域を展開して考えると、普遍の法則は導き出されやすい。
ここで客サイドを考えてみよう。
個人と法人で考えてみるとする。
客サイドの場合、個人は「消費するか」「消費しないか」の選択があり、消費するにしても選択肢群がある。選択肢群はあるカテゴリに基づいたものであり、カテゴリに対するアロケーションも存在する。消費者サイドは、効用を最大化しようとして、そのアロケーションを考えるのである。これらのアロケーションの結果、「均衡ライン」というものが存在して、この個人の均衡ラインを集計すると、社会的な需要というものが決まってくる。
法人の場合、使う・使わないもあるが、使うとすると、
- 内製する
- 外注する
の選択肢が存在する。ここではコースの取引理論的な判断もあるだろう。社内で内製すれば、社内の命令で動かせる。検索・取引コストがかからない。外部業者・ベンダーを探すのが面倒で、なおかつ社内で恒常的に発生するものであれば内部の人材を抱えようとするだろう(最近は、とりあえず大手コンサルにアクセスして依頼すればなんとかしてくれるだろう、という発想もあるだろう)。
外の仕事を振るのは、検索取引コストを乗り越えた何かである。それ相応の価値があるものである。
正直、今の時代は、企業の仕事について、上流レベルの案件は、外に出されない。出されるとしても、大手企業が大手コンサルに依頼する。つまり、案件の発注者と、受注者が偏っている。何より、本来は自社でそういった人材を育成したいと考えるはずである。
となると、外に投げたいのは、ある程度、下流の仕事である。自社の年収が高い社員にやらせるわけにはいかない仕事(テレビ局における下請けの制作会社など)、社内で恒常的に発生しない需要、あまりにもマニアックなスキル、自社で抱え込みたく無い仕事(tiktok運用など)が外に投げられる。
今の中小コンサルの課題は、下流の仕事を拾っていき、そこから取引実績と信頼を積み重ねて、「結局、上流介入しないと効果ないですよね」的なアプローチによって仕事をシフトしていく鮭の逆流みたいな流れ。
あとは、トヨタ系の会社、サプライチェーンにあるような組み込み。Nidecがやってるような仕事は、多くの企業にとって買って仕入れる方が良いので、取引先として選ぶ。かなり良いポジションである。
toBの仕事には問題があって、バブルの時もそうだったが、市況が変わったり企業の方針が変われば、すぐに切られてしまうということでもある。スタートしやすい、軌道に乗りやすいが、終わるのは早い。景気に左右されやすい。企業に左右されやすい。太客が偏ってしまう。
今のゼレンスキーを見ているとわかるが、CEO(大統領)が変わると、一気に窮地に立たされる。一気に終わりかねない。
toCで根強いビジネスは結局強い。ここで、マーケットの固有値を考えてみる。マーケットに対して、「シンプルに必要で、シンプルにこれから浸透させていく、広めていく」というプロダクトかつ、deployするのにある程度時間がかかるようなもの、例えば小売業なんかは線形的に伸びていく。これは時代の産物である。問題は、(広義)の卸売とメーカーである。トヨタを見ていればわかるように、そもそも勝手に陳腐化するものかつ、贅沢性と必需性を兼ね備えたプロダクト商売をやってきた博打売りは、案外、強い。しぶとい。
トヨタや任天堂は本当にしぶとい。
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シャープ、パナソニックなど、落ちぶれたメーカーは、広まったら「次がない」という家電系のものが多い。買い替え需要しかないようなものだ。しかも、バルミューダとかダイソンがやってきたようなことをうまくできなかった。
そうは問屋が卸さない
というように、卸売は業界を牛耳る。だが、業界がダメになるとすぐ落ちる。わかりやすいのが出版取次である。出版取次の場合、本の輸送について、本の消費量が落ちれば本一冊あたりのコストが上がってしまうという問題がある。ネットワークの中にいるのだから、出版と書店が落ち込むことによってのダメージは両手側から食らうことになるので指数関数的な落ち込みを見せる。
卸売が落ち込むと、次に新しい「卸売」のようなポジションを探す。これについてめちゃくちゃうまいのがリクルートである。たいていの場合はこういった動きができないので、自分でメーカーを始めたり、自分で小売やD2Cを始めたりする傾向がある。書店の場合は、メーカーサイドに回るのが難しいので、生き残りをかけて、端的にヴィレバン・ドンキ化する。
ここまで触れてきたことは、要するにXが何か、である。メーカービジネスは、このXを常に操作しながら、客数・単価・頻度についてのゲームを展開していて、ポジションは常に移り変わる。事業ドメインが変わることもある。小売も同じであるが、小売は基本的に時代性と連動する。例えばドンキホーテも今となっては差別化が目立つが元々は「深夜販売」がルーツである。深夜に総合的な買い込みをするという需要が、時代性に合って伸びてきたわけである。
問題は卸売系のXであるが、これについては、テクノロジーに左右されやすい。実は根本的にテクノロジーの社会文脈・経済文脈の意義としては、人・物・金・情報の飛び回り方を規定するものである。単純に「売り物そのものを支えるテクノロジー」というものもあるが、それは単にメーカーサイドが担う。よって、広い意味での卸売業が考えないといけないのは、「明日の人・物・金・情報」の動き方である。トヨタのウーブンシティの動きは、モビリティという観点に目をつけたプラットフォーム化である。トヨタはプラットフォーム化を目指していると言っても良いであろう。なぜなら、手を替え品を替えやってきたトヨタの根本的なXが陳腐化してきているからである。
つまり、
C1^λ1・V1+C2^λ2・V2+C3^λ3・V3・・・
と考えたときに、変数の領域で考えるのがVに関する発想である。そして、これに各々の事業の係数が関係するが、λという固有値を導入して考えることができる。固有値は事業の趨勢を牛耳っている。
あとは状況に応じて、
- A
- B
- C
…
というような固有値を適宜叩き込めば良い。大抵の事業において重要になってくる固有値は物流コストと人件費である。物流は、物理法則の根本である重力(質量)と関係してくる。人件費は、事業をやるにはどうしても抜くことができないものであり、社会は人で構成されるものである。
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。