1. Think Differentキャンペーンは効果がなかった?
Appleの1997年「Think Different」キャンペーンは、ブランドイメージ向上を目的としたものですが、直接的に売上を伸ばした証拠はありません。
実際、Appleの売上回復は、スティーブ・ジョブズの復帰、新しい製品ライン(iMacなど)、事業整理など他の要因が大きかったと言われています。
- データ:
- 1997年9月「Think Different」開始
- 1998年8月にiMac G3発売 → これが売上回復に寄与
- 1999年以降、売上は大きく増加
つまり、広告単体の効果は疑わしく、「結果論」になっている可能性が高い。
2. P&Gの「Always #LikeAGirl」キャンペーンはただの認知向上?
このキャンペーンは確かにブランド認知を大きく向上させましたが、「認知向上」と「ブランドイメージ向上」の違いを明確にする必要があります。
- 調査データ:(Millward Brown調べ)
- 広告想起率 460% 増加
- ブランドの好感度 26% 増加
- 売上 4% 増加
ただし、これがブランドイメージ(ブランド価値や感情的結びつき)が売上に貢献したのか、単に認知度向上による影響なのかは不明。認知度向上によって売上が増えることは一般的な広告効果として当然なので、純粋な「ブランドイメージ向上」の効果とは言えないかもしれません。
3. RCT(ランダム化比較試験)のエビデンスはあるか?
RCTを用いた厳密な因果推論の研究は少ないですが、いくつか関連する研究があります。
Erdem & Keane (1996)
- 研究: 「Decision-Making Under Uncertainty: Capturing Dynamic Brand Choice Processes in Consumer Goods」
- 手法: ランダム化実験ではないが、消費者行動の動的モデルを用いて、ブランドイメージが購買意欲に与える影響を定量化。
- 結果: ブランドイメージが確立された製品は、新規参入企業よりも価格弾力性が低い(値上げしても売上が落ちにくい)。
Berger & Schwartz (2011)
- 研究: 「What Drives Immediate and Ongoing Word of Mouth?」
- 手法: RCTに近い設計で、ブランドイメージ向上と口コミ効果を分析。
- 結果: ブランドに対する好意的な口コミは、一時的な売上増加には寄与するが、長期的影響は不明確。
RCTによる厳密な実証は少なく、多くの研究が準実験デザインや統計的推定による推測に留まっているのが現状。
4. メタアナリシス(メタ分析)はあるか?
メタアナリシスは個別研究のバイアスを排除し、統計的な妥当性を高めるために重要ですが、「ブランドイメージ向上が売上に与える因果関係」に関するメタアナリシスはほぼ存在しません。
近い領域のメタアナリシスとしては、以下のものがあります。
Sethuraman, Tellis & Briesch (2011)
- 研究: 「How Well Does Advertising Work? A Meta-Analysis of 25 Years of Advertising Elasticities」
- 対象: 広告と売上の関係を調査(ブランドイメージの影響ではない)。
- 結果: 広告の売上弾力性は平均で0.12(広告費を10%増やすと売上は1.2%増加)。
- 問題点: ブランドイメージの向上による因果関係は直接測定されていない。
Srinivasan, Vanhuele & Pauwels (2010)
- 研究: 「Mind-Set Metrics in Market Response Models: An Integrative Approach」
- 対象: ブランド価値と市場パフォーマンスの関係。
- 結果: ブランドの「好感度」よりも「想起率」「認知度」の方が売上に与える影響が大きい。
この結果は、「ブランドイメージの向上」ではなく、「単なるブランド認知の向上」が売上に寄与している可能性を示唆しており、因果関係の立証には弱い。
結論
- Think Different の影響は不明瞭(売上回復は製品と経営改革の影響が大きい)。
- P&Gの事例は認知度向上の影響も大きく、純粋なブランドイメージ向上の効果は断定できない。
- RCT(ランダム化比較試験)による明確な因果関係の証拠はほとんどない。
- メタアナリシスも、ブランドイメージ向上が売上に直結することを示す明確なエビデンスはない。
- 認知度向上や口コミは売上に影響を与えるが、ブランドイメージの向上が単独で売上を増やすかは疑問が残る。
したがって、「ブランドイメージの向上が直接的に売上を伸ばす」という強い因果関係は示されておらず、既存の成功ブランドを観察した結果論になっている可能性が高い。
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SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。