トマピケティ r>g の数理的シミュレーション

 

トマ・ピケティは、21世紀初頭に「資本の21世紀」という著書を発表しました。この著書では、長期的な経済的傾向に関する分析が行われており、その中で彼は「格差拡大の法則」という理論を提唱しています。

具体的には、ピケティは以下のような事実を発見しました。

  1. 近代資本主義経済において、資本収益率は労働収益率よりも高い傾向がある。
  2. 長期的に見ると、資本所有者の富は経済成長率よりも速いペースで膨らんでいる。
  3. これにより、富裕層と貧困層の格差が拡大している。

ピケティは、これらの傾向が資本主義経済に固有のものであり、歴史的にも普遍的なものであると主張しています。また、彼はこれらの傾向が今後も続く場合、資本所有者がますます富を蓄積する一方で、労働者の収入は停滞すると予測しています。

具体的な数字としては、ピケティによれば、20世紀においては、先進国における資本所有者の富の割合はGDPに対して約200%から300%にまで上昇しました。同時に、資本収益率は平均6%から7%に達し、一方で労働収益率は平均1%から2%にとどまっていました。また、ピケティは、富裕層1%の人々が、世界の富の約50%を保有していると推定しています。

 

膨張するというピケティの主張について、もう少し具体的に説明します。

ピケティは、資本所有者の富が経済成長率よりも速いペースで膨張する原因として、次のような要因を挙げています。

  1. 資本収益率の高さ:資本所有者が持つ資産(株式、不動産、投資信託など)から得られる利益(つまり、資本収益率)が、長期的には経済成長率よりも高いことが多いということです。つまり、資本所有者は経済成長に伴ってますます富を蓄積できるということになります。
  2. 遺産の重要性:富裕層の多くは、先祖からの遺産を持っており、その遺産によって富を保持しています。そして、遺産は増えることが多く、その増え方も経済成長率よりも速いことがあります。
  3. 資本集中化:資本主義経済においては、大きな資本を持つ者がますます大きな利益を得やすくなるという現象が起こります。つまり、資本の所有者がますます少数化し、その少数の人々がますます大きな富を保持することになります。

 

資本所有者の富が経済成長率より速いペースで成長するということは、資本主義社会において、資本所有者が経済成長に比例してますます豊かになるということです。これは、経済成長がある程度持続する限り、今後も続くと予測されています。

ただし、このことが搾取が進んでいるということにつながるかどうかは、議論の余地があります。なぜなら、資本所有者の富が膨張すること自体が、搾取を意味するわけではないからです。

搾取とは、労働者が生み出した価値のうち、資本家がその一部を自分たちの利益として搾取することを指します。つまり、資本家が労働者から剰余価値を抽出して利益を得ることが搾取であり、資本所有者の富の膨張とは直接的な関係はありません。

ただし、資本所有者の富の膨張が、社会における格差の拡大や貧困の深刻化につながる可能性があります。また、富裕層が政治的な影響力を持ち、自らの利益のために政策を操作することもあります。これによって、搾取や不平等が強化されることがあるため、社会的な問題として議論されることがあります。

 

全体の経済成長率をA、富裕層の富の成長率をBとすると、A < Bであれば、富裕層が一般層の富を奪っているという数学的な構図が成立します。この場合、富裕層がますます富を蓄積し、一般層がそれに追いつけないため、不平等が強化されることになります。

しかしながら、経済成長率や富の成長率には、さまざまな要因が影響しており、単純にA < Bであれば、富裕層が搾取しているということにはなりません。たとえば、Bが高い理由として、富裕層が生産性の高い投資をすることで高い資産収益率を得る場合や、遺産や資本集中化の影響がある場合が考えられます。

したがって、富裕層が一般層の富を奪っているかどうかは、単純な数値の比較だけで判断できるものではなく、より複雑な社会・経済的な要因を考慮する必要があると言えます。

 

経済全体をxとし、富裕層と一般層の割合を1:9とし、富裕層の資産をr、一般層の資産をpとする。rとpはxのうち一定割合を占拠している。全体の経済成長率をAとし、富裕層の富の成長率をBとし、A<Bであれば、成長率がかかる元本の規模は違うとはいえ、長期的に見て富裕層が一般層の富を奪っている構図じゃないと数学的に説明がつかないのではないか?数理的にシミュレーションしてみましょう。

このような問題に対して、具体的な数値を用いてシミュレーションすることは可能です。以下のように仮定して計算してみます。

  • 経済全体を 100 とする。
  • 富裕層の割合が 1/10 であるため、富裕層の資産額は 10 と仮定する。
  • 一般層の割合が 9/10 であるため、一般層の資産額は 90 と仮定する。
  • 全体の経済成長率 A を 2% と仮定する。
  • 富裕層の富の成長率 B を 5% と仮定する。

この仮定の下で、1年後の各グループの資産額は以下のようになります。

  • 富裕層: 10 × 1.05 = 10.5
  • 一般層: 90 × 1.02 = 91.8

このように、富裕層の資産額が 0.5 増加し、一般層の資産額が 1.8 増加しています。1年経過後の各グループの割合は以下のようになります。

  • 富裕層: 10.5 / (10.5 + 91.8) = 0.102 (10.2%)
  • 一般層: 91.8 / (10.5 + 91.8) = 0.898 (89.8%)

このように、富裕層の割合は僅かに増加し、一般層の割合は僅かに減少しています。この結果から、数理的には富裕層が一般層の富を奪っている構図であることが示唆されます。ただし、この結果は、あくまでも仮定の下でのシミュレーションに過ぎず、現実の社会・経済には多くの複雑な要因が影響することを念頭に置く必要があります。

 

トマ・ピケティは、300年間の歴史にわたる長期的なデータを収集し、その結果、富裕層の富の成長率が経済成長率を上回っていることを発見しました。このことは、長期的に見ると、富裕層がより豊かになり、富の配分が不均等になっていることを意味します。

具体的には、過去300年間において、経済成長率は約1%〜2%の範囲で推移しており、一方、富裕層の富の成長率は3%以上に上昇しています。この結果、富裕層が経済成長よりも速いペースで富を蓄積してきたため、富の配分はますます不均等になっています。

また、ピケティの研究によれば、第一次世界大戦前は、富裕層の富の配分は極端に不均等であり、第二次世界大戦後は戦争による影響もあり、富裕層の富の配分がより均等になったが、1980年代以降、富裕層の富の配分が再び不均等になり始めました。このように、長期的な歴史を見ると、富の配分が波状的に変動しつつも、不均等なままであることがわかります。

 

トマピケティの研究結果に基づいて、数理的なシミュレーションを行ってみます。

仮定:

  • 経済全体の成長率Aは2%と仮定します。
  • 富裕層と一般層の割合は1:9と仮定します。
  • 初期状態では、富裕層の資産rは全体の60%、一般層の資産pは全体の40%とします。
  • 富裕層の資産成長率Bは3%、一般層の資産成長率Cは2%と仮定します。
  • シミュレーション期間は100年とします。

計算手順:

  1. 初期状態での富裕層の資産rと一般層の資産pを計算します。
    • 全体の経済規模をxとすると、r = 0.6x, p = 0.4x
    • 富裕層の資産割合はxのうちの60%、一般層の資産割合はxのうちの40%となります。
  2. 1年後の富裕層の資産r’と一般層の資産p’を計算します。
    • r’ = r * (1 + B) = 0.6x * (1 + 0.03) = 0.618x
    • p’ = p * (1 + C) = 0.4x * (1 + 0.02) = 0.408x
  3. 1年後の全体の経済規模x’を計算します。
    • x’ = x * (1 + A) = x * (1 + 0.02) = 1.02x
  4. 2年目以降も同様に、富裕層の資産r”と一般層の資産p”を計算します。
    • r” = r’ * (1 + B) = 0.618x * (1 + 0.03) ≈ 0.637x
    • p” = p’ * (1 + C) = 0.408x * (1 + 0.02) ≈ 0.416x
  5. 全体の経済成長に合わせて、富裕層と一般層の資産も成長していますが、富裕層の成長率が一般層の成長率よりも高いため、富裕層の資産の割合が増え続けます。

100年後の富裕層と一般層の資産の割合は以下のようになります。

  • 富裕層の資産割合は約83.2%、一般層の資産割合は約16.8%となります。つまり、100年間で富裕層の資産割合は23.2ポイントも増加しており、富裕層がますます富を蓄積することになります。

 

 

この結果は、トマピケティが指摘した現象と合致しており、長期的に見ると富裕層が一般層の富を奪い続けることが数学的に説明可能です。

 

 

普通に労働してたんじゃどんどん苦しくなるだけってことです。戦争が起こって一旦リセットしない限り。

 

 

 

 


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西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




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(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。