日本電産の永守重信をファンが徹底解剖

 

新幹線で京都の向かうと、途中、ガンダムみたいな頭抜けた高いビルがあります。これが日本電産の本社です。

ちなみにこれ、「京都で一番高いビル」です。

 

京都って結構すごくて、京都企業売上トップ5は、

  1. 任天堂
  2. 村田製作所
  3. 日本電産
  4. 京セラ
  5. 佐川急便

なんですが、これ、日本全国、みんな知ってる大企業ですね。そのほか、島津製作所とか餃子の王将、ローム、アイフル、グンゼとか有名どころがいっぱい。

京都ってすごい。

 

日本電産とは?

 

京都人が京都に作った京都の会社。今や巨大なグローバルカンパニー、日本電産。京都府に本社を置く日本の電機メーカー。TOPIX Core30およびJPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ。

モーターの会社ですね。精密小型モータの開発・製造において世界一のシェアを維持・継続しており、世界シェアは約11%。連結売上1兆6000億の大企業。

日本企業で売上高1兆円を超える会社数は200無いです。150も無い。およそ120くらいだと思います。日本電産はそのうちの1つ。

 

プロのビジネスマンになりたかったら、日本企業の売上のトップ100〜200ぐらいをこういうサイトなどで総覧して、それぞれの特徴を少しでも語れるようになると日本経済が掴みやすくなるかもしれません。

 

この会社は、

  • 就活生
  • 株式投資家、株主
  • 経営者、起業家
  • サラリーマン

といった全ての人が注目すべき会社です。

日本電産はいろんな意味でやばい会社です。

 

「失われた30年」「失われた40年」といわれた日本において、ごく僅かと言っていいほどぐんぐん成長した会社だからです。2000年代初頭から2020年代にかけて株価がおよそ25倍〜30倍になっています。

株価が上がらないといわれる日本企業において珍しいテンバガー株でした。

もしあなたが、2000年代初頭に日本電産の株を100万で買っていたら、3000万円ほどになっていた計算になります。

 

失われた30年で株価が10倍以上になった企業は以下のようにごくわずかしかありません

  • ニトリ
  • 日本電産
  • キーエンス
  • HOYA
  • ピジョン
  • ユニチャーム
  • 東京エレクトロン
  • 村田製作所
  • ディスコ
  • ヤオコー
  • 中外製薬
  • シマノ
  • 信越化学工業
  • ダイキン工業
  • 久光製薬
  • 参天製薬
  • ヤマダHD
  • 日本ペイントHD
  • ケーズHD
  • 三浦工業
  • PALTAC
  • 船井総研HD
    SMC
  • テルモ
  • 大福
  • 日本管財

 

(↑日経平均株価はほぼ横ばい。過去数十年でほとんどの日本企業の株価はこんな感じ。1990年代に100万株式投資に突っ込んでも、ほとんどのケースでは増えない、しかも道中、むしろ半分以下まで財産が減っていたことになる)

30歳の段階で投資元本500万円すらない人は株買うのは辞めとき!

あと、

idecoとかnisaとか大抵の人には関係ないと思うよ

 

 

現在、売上1兆円規模である日本電産は、2030年には10兆円規模を目指すとされています。10兆円以上クラスの企業となると、現在では

  • トヨタ
  • 三菱商事
  • ホンダ
  • 伊藤忠
  • NTT
  • 三井物産
  • 日本郵政
  • ENEOSホールディングス
  • 日立
  • セブン&アイ

ぐらいしかありません。日本電産は後10年もしないうちにこのメンツに並ぶと宣言しているのです。

ソフトバンクが6兆、リクルートがこの半分、ファーストリテイリングは2兆ちょいです。ソニーがもう少しで10兆円に届きそうです。

任天堂はもちろん、ユニクロ、リクルート、ソフトバンクを凌いで成り上がろうと考えている日本電産。果たして、日本電産はどこまで行けるのか。

 

 

関西人は、日本電産への就職要検討!!!!

 

 

日本電産はすでに大企業ですが、これから先も延びる可能性があり、普通、このクラスだととっくのとうに学歴フィルタリングが始まりそうですが、創業者が

「大の偏差値教育嫌い」

「学歴の無意味さを語る」

「創業者が有名大卒ではない」

ために、学歴フィルターが強い会社とは言えなさそうです。ただ有名ですし倍率が高くなっていますが。

 

トヨタに就職しよう、ホンダに就職しよう、リクルートに就職しよう、任天堂・ソフトバンクに入ろうと思うと、なんとなくエリートが集まってきそうなイメージだったり、学歴フィルターがあるようなイメージがある人がいるでしょう。

しかし、日本電産は、成り上がりの過程での「ハードワーキングなイメージ」であったり、創業者のアクの強さから避けられてきた感があります。

だからこそチャンスです。

 

近年の永森さんは、役員・幹部クラスにキラキラのエリートを引き連れてきて協力を求めるような動きが強くなってきているので、今のうちにこの会社に入っておくと良いかもしれません。

 

幹部候補の研修会用として作ったレジュメの1つに「求められる人材とは」とタイトルをつけたものがある。これは私の経営者人生の集大成と言えるもので

  1. 野心のある努力家
  2. プライドのある情熱家
  3. やり抜くネアカ
  4. 負けず嫌いの耐心家
  5. 経営感性を持つ細心心

と言う5つの条件をあげている。最初に断っておくがこのうちの1項目にでも該当するような人材はおそらく数百人採用しても1人いるかいないか1人いれば御の字だと考えているのでほとんど理想に近いと解釈してもらったら良いだろう。

なぜなら几帳面な人ほど融通がきかないのと同じで、大きな野心を持っている人間ほど努力をしない、プライドの高い人間ほど1つのことに情熱を燃やせない、また物事に執念を持って取り組む人間ほどオタク的な性格を持っている、さらに負けず嫌いな人間ほどキレやすく我慢することができない、そして経営感性に優れている人間ほど大雑把でデリカシーにも乏しい。しかし野心家が努力すれば鬼に金棒だし 素晴らしい経営感覚の持ち主が人の心を打つような気配り心配りができるようになれば人望は集まり、放っておいても部下がついてくる。私はこうした人材に将来の日本電産を背負ってもらいたいと考えているので。入社10年目位のまだ荒削りであるが、きらりと光る素質を持った社員に対し特別に研修会を実施している

 

 

日本電産が乗り越えてきた危機

 

日本電産がここまで成長してきたことは、裏を返せば、「多くの日本企業が没落したタイミングで落ちてこなかった」ということを意味します。

 

 

モーターは産業の米である。

ー永守重信

超精密小型モーターの可能性に賭けて創業。

 

永森さんは、

  • 実業
  • 虚業

の境目がかなり厳しく、古い考え方をしていて、彼に言わせれば「第三次産業はほとんど虚業」なのではないか、というような考え方を持っています。そのため、たとえ儲かったとしても虚業っぽいものには興味がないタイプの人間です。

 

それゆえ、バブル崩壊やリーマンショックのタイミングをうまく乗り越えてきた。ピンチをむしろチャンスに変えてきた。

時代はオイルショックで厳しい、そんな時期に創業し、90年代のバブル崩壊の不況下において赤字企業を積極的に買収、リーマンショックの時は海外の赤字企業の買収を進めました。

 

日本人が不動産投機や株高に狂喜乱舞している時に目もくれなかった。

いわば、今でいえば、

多くの日本人がyoutuberに狂喜乱舞している時に目もくれず本業に邁進した

みたいな感じでしょうね。

 

 

しかしそれには理由がある。

 

多分ですが、若き日、学生時代に

  • 塾の経営
  • 株式投資

を通して、「簡単に儲けるけれどやりがいがない商売」に飽きてしまっているのが原体験だと思います。彼は若い頃から比較的お金に対する意欲があり、学生時代から塾をやったり株式投資をしたりして簡単にお金を稼いでいました。

16歳から株式投資を始めて、なんと学生時代に

1億

を手にしていたと言います。ちょうど高度経済成長期の波に乗ったわけです。しかし彼は、「この上がり方は異常すぎる」と考えて空売りをします。しかしそれでも上がる青天井で損が膨らみ、1億はあっという間に500万円になってしまった。こういう学生時代の経験を通して、株式市場の怖さ・虚なさ、「含み益の無意味さ」を知ります。これは後の経営で、含み益ではなくキャッシュの重要性を認識する、に活かされます。

 

怪しげな稼ぎ方、

一時的に儲かるバブルというものを知り尽くしている。

 

 

モーサテ永森塾を見ると、彼の素晴らしい経済観がわかります。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session02

永守理事長:私はちょうど16歳から株式を始めました。だから60年前ですね。授業中も短波放送で株式情報を聞いていた。就職してからも、その企業の自社株を積み立てで買っていました。一時は、当時の株式価値で1億円ぐらいまで資産を積み上げたんです。
ところが株に慣れてくると、「買い」だけでなく、信用取引をする。信用取引というのは、一定のお金を証券会社に置いて、その何倍も取引するわけです。信用取引で空売りを始めました。そうしたら空売りした銘柄のカメラメーカーが複写機を出して盛り上がって、ぶわーって株価を上げたわけですよ。これはあかん、「やられた」と思って、全部買い戻したときには、もう一億円の資産がほぼゼロです。
株で儲ける、儲けないということよりも、経済的な知識をたくさん得ました。いっぱい失敗もして、そこから多くを学んだ。

 

 

永森さんは、「日本経済新聞」を読まないといけない、と語ります。日経を読むとものすごい情報が全て出ていて、自身は16歳の頃から日経新聞を読んでいると語ります。それゆえ、若い頃から専門用語がいくら出てきても全部わかったと語る。また、株式は将来を買う行為であり、過去の決算は所詮過去であり、プロは過去を買わない。良い決算発表をしても株価が下がることはある。そのため、企業の決算情報を追いかけているだけではダメだと。そして、将来どうなるかが大事であり、そのためには例えば電気自動車はいつから伸びるのか、ロボットはどうなるか、そういうことを考えなければならない。

まさに、この、「経済を読む思考力・読解力」が永守重信の凄さです。

彼は外部環境をちゃんと読んでいる。

 

永守理事長:将来どうなるかという話が一番重要です。
たとえば電気自動車はいつぐらいから大きく伸びるか。あるいはロボットはどうか。おそらく2040年ごろには世界の工場が全部無人化して全てロボットになる。2050年には人間とソックリそのままの人間ロボットというのが出てくるだろう。
ロボットにはモーターが大量に使われているんです。そうすると、将来どれぐらいのモーターを使うかわかりますか?天文学的数字です。
だから、モーターを作る日本電産は、今期の売り上げ2兆円だが、まだまだこれから成長していく。そういう将来性で企業価値が高く評価される。
同じ利益を出していても株価が違うのは、将来性の違いです。

 

そして、永森さんは、企業の価値は知名度ではなく時価総額を参考にすべきと語ります。

時価総額ランキング

 

永守理事長:不透明なんて言い出したら毎日不透明。不透明でなければ会社の経営者なんて要りません。
会社に社長がいたり専務がいたりするのは、問題解決のため。
CEOが出てきて「不透明である」と言い出したら、「あんた何の仕事しとるねん」ということになる。
会社の経営の基本は「足元悲観、将来楽観」。
将来の姿はいっぱい見える。ロボットの世界、車の世界、モーターを使う場所はどんどん広がっていく。素晴らしい会社を経営していると思う。
でも足元をみると、例えばロシアとウクライナの問題。当初はあまり関係ないかと思ったが、結局ロシアも世界のサプライチェーンに入っていて、やはり影響がある。
だからリーダーが、バーっと決める。決めるリーダーが、一番株を持っている。企業に何かあった時に最大のリスクを負うのは筆頭株主(注・永守CEOは日本電産の筆頭株主)。
だから24時間モノを考え続ける。
それをエンジョイしている。「苦しい」と思っていたらできない。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session01

 

このように、永守重信の素晴らしさは、まず、経済を全体的に俯瞰する力、そして将来を読む力にある。

怪しい話に踊らされず、しっかりと経済を見て、実際の需要が伸びていくところに根ざしていく事業観がある。

 

 

永守重信の凄さ

 

私が考える永守重信の凄さは、すでに触れたマクロ経済観も含め、

  1. 人身掌握能力
  2. M&A能力
  3. No.1固執気性
  4. 常識にとらわれない発想
  5. ハードワーキング

の5点です。

 

人身掌握能力は、彼のキャラ・パーソナリティと、人材登用に対する考え方から成ります。

 

彼が話している動画を観ればわかりますが、ユーモアに富んでいて、人の心を掴む能力があります。

独特の喋り口調は永森節、とされ、笑いが起こる。

ちょっとアクが強い、個性が強いタイプ、強烈なタイプであるため、反感を買う時も多々あるようですwwwwwww

特に若い世代から、

  • 老害
  • 古い

的な批判はツイッターで散見されます。また、株式クラスタからは、

日本電産は株を買いたい会社で働きたい会社ではないwww

などと揶揄されることも多かった。

 

 

ただ、人たらしだなぁ、と思うことも多い。

創業して数年目位だったと記憶している。新卒で入社してきた社員の1人が1年もたたないうちに辞めたいと言ってきた。理由を尋ねてみるとどうしても学校の先生になりたいのだと言う。普通は新入社員に対してはぼろくそに言ったりはしないのだが、彼は同期の中で見所がありそうだと思っていた社員の1人だったので、私はあえて次のように書き下ろした

「先生になりたい?生意気なことを言うな。我が社でたった一年も我慢できないような根性のない人間が厳しい試験に受かるはずがない。もしもなれたら君の前で逆立ちしてやる。だからもしも先生になれたら私のところへ真っ先に連絡してくれ」

翌々年、彼はニコニコして私のところにやってきた。そして「社長、約束やから逆立ちしてください」と言った瞬間に、彼の目から大粒の涙がこぼれた。「試験に合格しました。思っていた以上に辛くて、何度かあきらめかけました。すると社長の『君みたいな根性なしが先生になれたら逆立ちしてやる』と言ったら顔が浮かんでくるんです。それで、必死に頑張って、やっと受かりました」

最後のほうは声にならない涙で顔をくしゃくしゃにして、「ありがとうございました」を連発し、何度も何度も頭を下げて帰っていった

 

 

また、能力10倍の差は100倍で取り返せるとか、学歴と仕事ができる度合いは全く関係がないとか、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」「1番以外はビリ」といったスローガンであったり、人を統率して発奮させる力に優れている。

本人もかなりハードワーカータイプで、近年まで、毎日毎日働きまくっている・休みがほぼないことで有名でした。さすがに、時代の流れとして、「働き方改革」の波がやってきているのでそのスタイルを変えてきたそうですが、基本的にこの会社の原点はハードワークにあります。ライバルの何倍も働けばいいじゃないか、というスタンスですね。

今年は45年ぶり、正月3が日、一度も会社に来なかったよ

ー永守重信 (2022年の発言)

 

 

常識にとらわれない発想も多く、学歴に関係なく人を採用したり、

仕事ができるやつは飯が早いやつ

という考えから早飯採用試験をしたりと、変わったことをしてきています。

永森さん曰く、仕事ができる人間は、

  • 早飯
  • 早風呂
  • 早糞

だそうです。トイレが長い、風呂が長い人間で仕事が早い人間は居ないんだとか。笑

「大声試験」「便所掃除試験」も実施したことがあるそうです。世間の顰蹙を買ったそうです。笑

 

 

一般に、M&Aは成功率10%程度だと言われていますが、そのM&Aで100%近い成功率は注目を集めています。1973年から2022年までで68社ものM&Aを実行。

孫正義の場合はM&Aにしても株の一部購入しても、大多数を外しながら一部を大当たりさせるホームランスタイル(ヤフー、アリババなど)ですが、永森さんは確実に出塁するスタイル。

――永守さんは50件近いM&Aを手がけ、そのほとんどが成功したといわれています。なぜうまくいっているのですか。

「手がけたM&Aは全部成功した。100%だ。リストラもしていないし、赤字は1社もない。海外も全部だ。理由は、3つある。1つ目は当たり前の話だが、高く買わないこと。去年も小さい規模のものしか買っていない。大きい案件が8社あったんだけど、全部見送った」

「『買いたい、買いたい』という気持ちでいかないことだ。何年でもずっと待つ。私が最近買った会社でも、5年、10年待っていたものもある。2つ目は要らないものを買わないこと。これも当たり前だと思うかもしれないが、結構みんな要らないものを買っているよ。シナジーのあわないものは買ってはいけない。お城の石垣にたとえれば、大きな石だけで積もうとしてうまくいかない。地震がくると、がらっと崩れてしまう。よく見ると大きな石の間に必ず小さな石が敷き詰めてある。みんな、そういう小さな詰め物の買収をおやりにならない」

永守氏は「手がけたM&Aは100%成功した」と語る

「3つ目は、シナジーを出すこと。今の事業に全然関係のない、例えばホテルを買うとかはない。私は日本電産という会社がある場所から、ボートで行けたり、陸続きで行けたりする会社を買うんです。間違いやすいのは、飛行機や大きな船でないと行けない場所にある会社を買うこと。パズルを埋めるように、陸続きにしなければ、買収なんてうまくいきません」

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO03729170X10C16A6000000/?page=3

単なる技術の会社ではなく、M&Aもうまい。M&Aをした後、その会社の文化や社員意識を改革するのもうまい。聞くとなんか怖いと感じるかもしれませんが、永森さんのすごいところは「人を大切にするところ」であり、基本的に彼は人員削減をしません。M&A先もそうです。だから人がついてくる、というのもある。買収先の従業員はもちろん役員陣まで数らない、親会社からは永森さんの代官役を派遣することにとどめて、目標数値が達成されたら生え抜き人材を社長に登用することも多い。

このM&Aの素晴らしさは日本M&Aセンターのページでも特集されています(https://reorganization.nihon-ma.co.jp/report/2551/)。

 

M&Aというと派手なイメージがあるかもしれませんが、永森さんは徹底的に足元を見るタイプです。

永守理事長:「キャッシュイズキング」です。会社が潰れるときというのはね、キャッシュが無くなるときなんです。今こうやってロシアの問題も起きた、コロナも起きた、中国で工場がロックダウン、キャッシュがなかったら潰れる。だからキャッシュイズキング。
キャッシュは貯金をするためじゃなくて、再投資をするため。新しい工場を作ったり、新しい事業をやったり、従業員の給料を上げたり、再投資をすることでその会社はさらにもっと大きくなっていく。だからキャッシュを持ってなきゃいけない。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session01

 

コスト意識もかなり高いですし、元々本人が技術者であるため、仕事に関わるもののコストの最小単位を把握する、というところは徹底しています。永守会長の腹心として、日本電産シバウラ、日本電産ネミコンの再生を主導した川勝宣昭氏は、当時を振り返る著書で、「明日から伝票を全て見よ」という、永守会長からの指示があったとしています。

 

独裁者のイメージを持たれることも多いですが、「一人であれこれやろうとするのは失敗の元」だとし、自分の能力を過信してはいけない、弱いところは人の助けを得ることが大事だと語ります。実際、彼は20代で起業したときに50代の経理専門家を呼んできてCFOにしている。

 

 

日本電産創業者の永守重信は、

1番にこだわる

ことで有名で、例えば銭湯のような場所に行ってロッカーを選ぶときも「1」を選ぶほどの常軌を逸したNo.1主義者ですが、本社ビルも建設時に京都1の高さに固執したことで有名です。

 

さて、こんなすごい会社、すごい人ですが、始まりは永森さんが28歳の時にはじめた小さな会社であり、その当時のプレハブ小屋は今の本社にも残されています。

また、その当時からついてきてくれた初期の人たちが今の役員になっている。

 

永守理事長:忘れもしない1973年7月23日。従業員3人を納屋に呼び、僕はミカン箱の上に立って、我が社がどうなるか説明した。27歳、26歳、24歳の3人に向かって「目標は売上1兆円や」と言った。
一人が「1兆円?1億円の間違いじゃないですか」と聞いてきた。
「違う、1兆円だ」と言った。1兆円の道を歩んでいくっていう話をしたわけだ。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session01

 

幼少期、友達の家に足を運んだ時、お金持ちの家の子の親が社長をやっていた頃から、

将来は俺も社長になろう

と決めていたという永森さん。

 

1944年生まれの永森さんが、1973年、28歳ではじめた会社、それが日本電産。

駆け出しの頃の永森さんはなかなか日本の会社に相手にしてもらえず、海外に販路を求めたという逸話もあります。自分に保険金をかけまくって、自殺を考えながらボーッと川を眺めていた時期もあったそうです。

 

 

一時期、ユニクロの柳井さんとソフトバンクの社外取締役を務めていた永森さん。

  • ソフトバンクの孫正義
  • ユニクロ(ファーストリテイ)の柳井
  • 日本電産の永守重信

は日本三大経営者と呼ばれています。どちらもカリスマ経営者で、自分が一旦前線から引いたと思ったらまた戻ってきて、後継者問題で苦労している点でも同じです。あまりにもカリスマすぎるのです。

――永守さんと、柳井さん、孫さんの3人は「大ぼら3兄弟」ともいわれていますが、一番の大ぼら吹きは誰ですか。

「それは孫さんでしょう。私らはとても追いつけない。(時価総額)100兆円、1000兆円など想像もできない。しかし、我々3社のなかで、『100年先も残っているのはどこか』と言ったら私の会社だと思うね。ほらの大きい順に先に潰れると思ってる(笑)。3人のなかでは、私が一番ほらが小さいと思うからね」

「我々メーカーは、ほらの吹き方にも限界がある。ほらにもいろんな種類があるんです。私らは実現不可能なことは言わないし、言っても通じない。工場をつくり、工場長や技術部長を配置して――とやらなければならないので、簡単にはできない。でも孫さんの会社なら、10兆円の会社をパッと買える。柳井さんの会社も、ほかの会社に商品を作らせて世界中で売っている」

「孫さんのような人は、失敗してもらったら困る。ああいう人がいなくなったらいけない。ただ過去にも夢を語り、潰れていった人たちが何人もいた。普通はビジネスなんてなかなか自分の思い通りにならない。株の含み益なんてものは、金融恐慌が起きたらパーになってしまう。保証はないのだから」

「やっぱり、孫さんはすごい。自分を中心に地球が回っている。今さっきもここへ来て、長時間、情熱的にバンバン話して帰って行った。彼と話していると、アドレナリンが出てくるんだよ。『昼ごはんはうどんにしよう』と思っていたのに、すしをとったり。(社外取締役を務めている)ソフトバンクの取締役会の日も『よし今日はステーキ食おう!』となる」

「彼は将来をよく見据えているし、天才的な投資家だ。ただ、100年後に残っているかといえば話は変わる。やっぱり行き過ぎてはいけない。片山(幹雄元シャープ会長。14年に最高技術責任者として日本電産に入社、現在は副会長)の会社も投資しすぎた。腹八分目というか、ちょっと休まなければね。私は人を切るのは絶対にいやなんですよ。リストラしたほうが、会社にとって早い。でも人材は大切だ。最後、一番強いのは人を切らないことだ」

 

 

現在の永森さんは、

経営者なのに本ばっかり出してる奴は暇なやつ

みたいな感じで、経営者セミナーに呼ばれて登壇したときも「こんなところ来る暇があったら仕事した方が良い」みたいな話をして会場を笑わせていました。確か自著でもそのようなことを述べていたと思います。

 

しかし最近は、経営職から引いて、後任にまかせいたため、時間があったのかどんどん本を出版しました。超珍しく。

この辺ですね。最近、書店でもやたら見かけます。

 

もともと、

彼本人の名前で出された本は、以下3冊しかありませんでした。

そのため、私はこの希少な3冊を何度も何度も繰り返し読んでいました。

 

 

永守重信の名言で個人的に好きなやつ

 

永守重信の名言で個人的に好きなやつを紹介します。

相手に合わせて話の内容、表現方法、話すときの態度も変えていく必要がある。

まず内容については相手のキャリアに応じて次のようにアレンジするというのが私の考えだ。

  • 一般社員には危機意識30%、夢やロマン70%
  • 主任クラスのリーダーには危機意識50%、夢やロマン50%
  • 部課長クラスの管理者には危機意識70%、夢やロマン30%
  • 役員クラスには危機意識90%夢やロマン10%

これは衝撃でしたね。

要は、レベルの低い相手には夢やロマンなどの餌的な話が多くされる。甘い話をされる。一方で危機的な話はされない。

一方、レベルが高い人には危機的な話がされる。

 

正論、理詰めで部下を追い込んでいかないこと。 もちろん世論を述べたり理詰めで話し合うことが必要な場合もある。しかし部下がミス、失敗したようなケースで部下もそのことに気づき反省してるなら、さらに追い打ちをかけるようにぐちぐちと世論を並び立て精神的に追い込んではならない。むしろ君ともあろう人間がこんな失敗するようで思いやられる、と理屈抜きでガツンと雷を落とし、これで終わらせる方が部下も上司に好感を持つ

理屈で追い込んではいけない。

正論で論破してはいけない。これは結構、マネジメントの基本だったりします。しかし、さすがだな、という感じです。沁みる。

 

下請けいじめはあるのか?香ばしい噂、、、、

 

まあいろいろ、あちこちから香ばしい噂が、、、

おおお、、、

 

 

トヨタ、日産、ホンダの終わり?自動車産業の衰退の傍ら、日本電産が伸びるか?

 

永森さんはこんなことを言っています。

永守理事長:中国、南米、アフリカ、世界のどこの工場に行っても、その工場で働く若い人たちが何が欲しいかといえば、車が欲しい、車が欲しいと言います。ところが所得が少ないから、100万円、200万円という車は高いんです。電気自動車(EV)になれば、車の価格は5分の1になりますよ。EVはモーターとバッテリーですからね。ガソリン車では無理です。中国で最近45万円という車が出た。若い人がたくさん買っています。クルマ業界の中での競争は、基本的に航続距離は600km必要とか1000km必要とか言われている。でも、車を持っている人は1日100kmも走らないんですよ。
電気自動車で小さなミニカーをつくれば、バッテリーもものすごく小さく済むし、安くできる。40万円、50万円になったら、誰でも車を買えるようになります。東京でも、京都でも、雨が降って寒いときに子供を幼稚園に送っていかなきゃいけないでしょ。自転車の前に乗せてね。ああいう姿を消さなあかんわね。
ニーズはそこにある。今の車では(世界販売は)8000万台と言われているけど、実際は5億台から6億台、車が欲しい人が世界にいるんです。だから僕らは、非常に小さなモーターで、馬力が出て、電気をあまり消費しないというような車を開発している。それで、世界中の車が欲しい人たちに車を供給したい。こういうソリューションの方へ会社の経営を持っていくんです。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session03

 

いわば、世界的に、電気自動車の時代が来るかもしれない。そうなると、価格は1/5になる。EVはモーターとバッテリーである。すると、日本電産のビジネスの需要が拡大する。

トヨタ、ホンダ、日産といった自動車ビジネスが没落し、関連生態系が沈んでいく傍らで日本電産がのし上がっていく。そんな構図があり得なくもないわけです。

 

ひろゆきもこの点を指摘し、日本の自動車関連ビジネスは全部潰れると語る。要は、ガソリン車・ガソリンで動く車のビジネス生態系は全部沈むと。

 

 

一方で、私が

化学・物理に関して触れた記事

で指摘したように、ガソリン車にはあらゆるメリットがあり、電気自動車にはまだまだ問題・課題も多いわけです。ですからこの辺りは不透明でしょう。

 

ただ、100年に一度の変革期と呼ばれる自動車業界(そもそも100年くらいしか歴史ないけどwww)において、トヨタが危機感を持っていることは間違いなく、2018年あたりにソフトバンクと提携事業を始めたことからもそれはわかるでしょう。

豊田章男社長は、

「自動運転のドアを開けると孫さんがいた」

と語っていました。

未来を見据えて動こうとすると、その先にあるものは全部孫正義が押さえていた、というのです。どういうことでしょうか。

 

トヨタは自社ビジネスをMaaSビジネスと再定義しようとしています。Mobility as a Service。全ての交通手段を単なる移動手段としてではなく一つのサービスとして捉え、シームレスにつなぐ新たな移動の概念を指すものです。

トヨタのバックボーンであるトヨタ生産方式や部品メーカーを重視している一方で、トヨタが「クルマを作る会社から、移動サービスの会社」つまりMaaSを実践していく会社に変わっていくと章男社長自身が明言している。

 

孫正義の一生涯のテーマである「情報革命」。これは、物流や人流にも影響を与えます。

つまりソフトバンクがやっていること、関わっていることとトヨタの関係は大きいのです。

なぜなら情報革命が進むと、人々は通勤、通院、買い物、外食、銀行(ATM)、映画やコンサートなどのために移動する必要がなくなるからです。モビリティ自体やその必要性が今とは大きく変容していく。その現象はもう始まっていますよね。

 

トヨタはどうやって生き残っていくのか。

それを考えたときに、「今度の運転は自動運転になる?ライドシェアになる?物流が車とは違ったものでなされる?車での移動需要を代替するものが出てくる?」と想像し、その関連テクノロジーについて辿っていくと、重要性がありそうなもの、未来がありそうなものは全部孫正義がすでに押さえていた。まぁ、そういう構図なわけです。

実際、孫正義はtiktokも早めに押さえていましたからね。

 

 

豊田章男は永守重信に勝てない

 

何かが没落する時、何かが勃興します。

 

永守理事長:どんなことが起きても、誰かが得して誰かが損しています。必ずプラスマイナスゼロになるんです。損している人と得している人が、大体チャラになっている。全部がやられることもないし、全部が得することもない。
問題が起きるときには、チャンスが必ずどこかに隠れている。そのチャンスをつかまないとあかんわけや。
明日は「明るい日」と書くんです。僕は「嫌なことが1回起きたらいいことが2回返ってくる」といつも思っています。実際に返ってきます、いいことがね。
だからあんまり深刻な気持ちを持たないで、いっそう頑張ろうと思う。それが一番正しい生き方でしょう。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session04

 

永森さんは、何かを嗅ぎつけている、、、、、、。

 

 

現トヨタの社長、豊田章男。

豊田章男はトヨタの創業家で生まれ育ってきた人間です。もちろん、会社に入社して揉まれてきたためただの生え抜きではありません。しかし、孫正義にしろ、永守重信にしろ、トヨタの将来と関わりがありそうな領域の巨人たちは、ゼロからここまでの巨大ビジネスを作ってきた人間たちです。

だから、未来やビジネスを捉える能力が全然違う。

 

 

永守さんの恐ろしいところはここに現れている。

永守理事長:固定電話を作った会社は携帯電話では一番になっていない。もう潰れた。携帯電話を作った会社も、全部スマホにやられた。せやろ。ブラウン管テレビはソニーと松下が一番やったやろ。それがLEDになったらもう韓国メーカー中国メーカーが全部取ったわけや。それぐらい技術革新は怖いですよ。
今のクルマ、ガソリンエンジンではトヨタがダントツに強い。だけどEVになったら、もう分からへん。日本電産は2030年過ぎにはトヨタを抜くと言うてる。分かるか? 誰も信用しいひんけど、今まで全部抜いとる。やりまっせ、そりゃ。
そういう遠大なる夢を持たないかんわな。来週はいいレストランに行ってご飯食べたいなんていう小さい夢ではあかんわ。「自分で会社を作って起業家になんのや!」というぐらいの気持ちで勉強しないとあかん。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session03

 

一つ言えるのは、

自動車産業やばい、トヨタやばい

という噂はあちこちで言われているのです。実際、凄腕の経営者が、そのゲームチェンジを虎視眈々と狙っている。実際日本電産がこの先の成長戦略を考える上で鍵としている「イーアスクル」は、直接、トヨタら自動車関連ビジネスを除けようとするものです。

永守理事長:エンジンをのけて、そこに、モーターやギアなどのシステム「イーアクスル」というのを載せるわけや。

https://www.kuas.ac.jp/about/chairman/nagamorijuku/session03

「イーアクスル」とは、日本電産が開発に力を注ぐ、モーターや減速機などを組み合わせた駆動装置。永守さんは今から3年後にはEVの普及が一気に加速すると考えているのです。

 

インテルインサイド、という言葉がありましたが、これの模倣でしょう。永森さんは、「ニテック・インサイド」の時代が来ると言う。

 

永守理事長:まず何事も下積みなんです、下積み。それができていないと、いくら大きな目標を作っても成功しない。

ロボットを作るのは、部品さえ買ってくれば誰でもできる。一番大事なのは部品です。部品がカギなんです。電気自動車だって、キーコンポーネント(製品のカギとなる基幹部品)はバッテリーとモーターです。他はどんな工場でも板金バーンってやれば造れる。だから、キーコンポーネントを作れないとダメです。部品をアセンブリする、組み立てるのは誰でもできる。

これからのエンジニアは、下積みというか、キーになるものを学ばないといけません。若いときから部品の技術開発をまずやって、それから完成品に近づいていくといい。完成品はあまり儲からないんです。完成車はトヨタが世界一と言ってもシェア10%程度だからね。キーコンポーネントは世界シェアを8割、9割とるから、儲かるんです。

 

はっきりとアセンブリは誰でもできる、組み立ては誰でもできると言っています。トヨタのビジネスモデルを否定していますね。トヨタというのは、関連の下請けメーカーのオーケストラになるマネジメント力、すり合わせ力で戦ってきたビジネスですから。

感染品は儲からない、部品が儲かると語る。キーコンポーネントが儲かると。この発想は「上流」を取っていこうとする考えであり、孫正義やロックフェラーに共通する考え方です。

 

 

そうなんです。

もうお分かりでしょうか?

 

 

今、なぜ日本電産が注目を集めているのか?

それは、圧倒的日本一の企業、トヨタを抜く可能性があるからなのです。トヨタに入れ替わるような形で、日本電産が日本のトップの時代に来る可能性がある。

いわば、

愛知の終わり、京都の始まり

でしょうか。

 

永守理事長:固定電話を作った会社は携帯電話では一番になっていない。もう潰れた。携帯電話を作った会社も、全部スマホにやられた。せやろ。ブラウン管テレビはソニーと松下が一番やったやろ。それがLEDになったらもう韓国メーカー中国メーカーが全部取ったわけや。それぐらい技術革新は怖いですよ。
今のクルマ、ガソリンエンジンではトヨタがダントツに強い。だけどEVになったら、もう分からへん。日本電産は2030年過ぎにはトヨタを抜くと言うてる。分かるか? 誰も信用しいひんけど、今まで全部抜いとる。やりまっせ、そりゃ。
そういう遠大なる夢を持たないかんわな。来週はいいレストランに行ってご飯食べたいなんていう小さい夢ではあかんわ。「自分で会社を作って起業家になんのや!」というぐらいの気持ちで勉強しないとあかん。

 

 

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西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

「人生を変える」にフォーカスしたブランド
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。