第2話 : 焦燥

とにかく焦った。

早く駆け上がらなければ。

高く駆け上がらなければ。

 

今思えば、何も無いかったからこそ、焦燥に押しつぶされそうになっていたのかもしれない。

 

己の願望からのみ派生したターゲット。

こればかり見ていた。

いや、というより、外の世界を見ていて、欲望を植え付けられたのだ。

 

自分は遅れてる。

劣ってる。

もっと高い世界がある。

 

劣等感と同時に、ビリビリと欲望を刺激する刺激物が目の前を過ぎていく。

 

露出の激しい美女。

高級なお店。

ゴージャスなホテル。

 

そこに焦点を当てることしかできなかったのかもしれないけれど、とにかく焦った。

いや、どっちなんだろう。

 

都会の夜景に刺激されて、欲望が暴走したのか。

それとも、都会の夜景に刺激されて、自分の相対的な小ささを直観的に感じ取り、焦ったのか。

 

後者だな。

 

目の前に大きくて高いものがたくさんあって、こうして接近しているというのに。

届きそうで、届かない。

焦らしプレイは、『イケない』なら最悪だ。

まさに、生活環境が全部がそんな感じだった。

 

物理的に近接してるのに、届かないからこそ、本当の距離を知るのだ。

同じことは恋愛でも起こる。

 

本当の距離を知った時、人は、焦る。

 

足りない。

とにかく足りない。

 

若さの欲望や、衝動は抑えられない。

遊びたい。

弾けたい。

酒池肉林のパーティーがしたい。

成功した高みを味わいたい。

 

もはや、社畜の世界なんてどうでもよかった。評価もされていたし、そこそこ良かったはずだけれど、目先の地味な仕事なんかに全然、興味が湧かなかった。

 

 

東京の夜は深い。

深い。

深い。

 

深くて黒い闇の中で煌めく光。

まるで、全体が意思をもってるかのように、

全体が何かの作品かのように見える。

 

こんな感触は、この国では東京でしか味わえない。

 


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西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。