ドラッカーの5つの質問を深く読む――AI・人口減少・後継者問題で、会社の未来を見失わないために

  従業員18人の設備保守会社を想像してほしい。これは、経営上の問題を考えるための架空の会社である。地元で長く営業し、顧客からの信頼もある。売上はおおむね横ばいで、決算は黒字。人手不足に対応するため、見積書の作成や報告書の整理にAIも導入した。以前より事務処理は速くなった。それなのに、社長の携帯電話は休日も鳴り続けている。 銀行からは事業承継の準備を勧められている。社長自身も、そろそろ息 (さらに…)

東京に残る職業、東京から逃がされる職業――AI時代に「東京で働く価値」は誰に残るのか

東京は給料が高い。 だから若いうちは東京へ行った方がいい。 地方では仕事がない。 長い間、こうしたキャリア観にはかなり合理性があった。 大企業本社。 金融。 広告。 IT。 コンサルティング。 メディア。 スタートアップ。 専門職。 高所得のホワイトカラー職が東京へ集中し、人材も企業もさらに東京へ集まる。 しかしAI、リモートワーク、人口減少、人手不足が同時に進むと、一つ疑問が生まれる。 高い家賃 (さらに…)

ホワイトカラーから技能職へ転職して失敗する人――「手に職なら安泰」の落とし穴

AIでホワイトカラーの仕事が変わる。 事務職は減るかもしれない。 現場では人が足りない。 だったら、30代・40代のうちに「手に職」をつけた方がいい。 この考え方には合理的な部分がある。 電気工事、設備保守、施工、整備などには、AIだけでは供給できない物理作業がある。資格や実務経験が参入障壁になる仕事もある。 しかし、 「技能職の市場が強い」ことと、「ホワイトカラーから技能職へ移った人が成功する」 (さらに…)

電工・設備・物流・介護は本当にホワイトカラーより有望か――AI時代の現場職転換を検証する

AI時代になると、こんな話をよく聞く。 「これからはホワイトカラーよりブルーカラーだ」 確かに理屈はある。 文章を書く。資料を作る。データを整理する。問い合わせに答える。プログラムを書く。 こうしたデジタル空間の仕事には生成AIが急速に入り込んでいる。 一方で、 電気工事をする。 空調設備を修理する。 トラックで荷物を運ぶ。 高齢者の身体を介助する。 という仕事は、ChatGPTを導入しただけでは (さらに…)

「AIに代替されにくい仕事」ではなく「供給をコピーできない仕事」を選べ

AI時代の職業選びでは、よくこう聞かれる。 「AIに代替されにくい仕事は何ですか?」 医師。看護師。介護士。営業。管理職。電気工事士。弁護士。教師。 さまざまな職業名が挙げられる。 しかし、この問いには弱点がある。 仕事がAIに完全代替されなくても、その仕事で稼ぐ人間の数や報酬は減る可能性があるからだ。 たとえば、ある仕事の70%をAIが処理できるようになったが、最後の30%には人間が必要だったと (さらに…)