2026年9月8日の日本市場終了後の情報に基づく。米国株の確定終値は9月4日。
日経平均は6万5,000円台。米国株も年初から上昇している。しかし、その高い株価の下で、相場を支える条件が動き始めている。
前週に1ドル160円近辺だった円相場は、9月8日に一時152円台まで円高が進んだ。一方、中東情勢の緊迫化で原油価格は上昇し、米国では追加利上げへの警戒が残っている。企業利益には力強い数字が並ぶが、その中身を確認すると、事業で稼いだ利益と、投資先の評価額上昇による利益が混在している。円相場を伝えるReuters報道、原油市場を伝えるReuters報道
いまの市場を「バブルだから危険」と片づけても、「長期投資なら大丈夫」と片づけても、肝心なことを見落とす。
株価を支えている利益は、どこから生まれているのか。その利益に、投資家はいま何倍の値段をつけているのか。金利が変わり、円相場が反転したとき、日本の投資家にはどれだけの収益が残るのか。
NISAで資産を増やそうとする人が直面しているのは、この具体的な問題である。
まず、現在地を確認したい。
| 市場・指標 | 確認時点の水準 | 騰落 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 9月8日終値 65,269.33円 | 前日比−1.70%、年初来約+29.7% |
| TOPIX | 9月8日終値 4,050.33 | 前日比−1.83%、年初来約+18.8% |
| S&P500 | 9月4日終値 7,718.60 | 前日比−0.38%、年初来約+12.8% |
| ドル円 | 9月8日17時 153.80〜153.82円 | 同日の取引レンジは152.90〜154.36円 |
日本株の年初来騰落率は2025年末終値から算出した。株価指数はいずれも配当を含まず、米国株はドル建ての数字である。出所は日経平均公式データ、Reutersの日本株市況、2025年末の日本株終値、APの米国株終値、日本銀行の外国為替市況。
この表から分かるのは、長い上昇の途中で、足元の調整が起きているということだ。1日の下落を大暴落の始まりと断定する材料はない。逆に、年初来の上昇率を見て、現在の価格が安全だと判断することもできない。
問題は、これからの利益と金利と為替が、すでに上がった価格を支えられるかどうかにある。
今回の円高は、「日米金利差がある限り円安」という説明の限界を示している。 現在、決定済みの政策金利は、日本が1.0%程度、米国が3.50〜3.75%。短期の政策金利差は、なお2.50〜2.75ポイントある。日銀の1.25%への利上げは、9月8日時点では実施済みの事実ではない。日銀の7月31日決定、FRBの7月29日声明
それでも、円は急上昇した。
為替市場は、今日の金利差を眺めているだけではない。これから金利差がどう変わるかを先回りし、すでに積み上がった取引を調整する。
円を低金利で調達し、より高い収益を期待できる外貨資産へ振り向ける取引を考えると分かりやすい。円安が続けば、金利差などによる収益に為替差益が加わる。しかし、円高が急に進むと、外貨資産を円に戻したときの価値が減り、円で返す資金の負担が重くなる。
そこで取引を閉じようとすれば、外貨資産を売り、円を買い戻すことになる。その円買いが、さらに円高を進める場合がある。
Reutersは今回、円売りポジションの買い戻しや、一定の価格を超えた際の損失回避の注文が、円高を加速させたという市場関係者の見方を報じている。ただし、どの取引が円高の何割を生んだかまで判明しているわけではない。Reutersの円キャリー取引分析
ここには、相場を読むうえで大切な性質がある。
長く続いた相場ほど、その相場が続くことを前提にした取引が増える。前提が少し変わっただけでも、取引の解消が値動きを大きくする。
したがって、「日銀が少し利上げした程度で、なぜこんなに円が動くのか」という問いは、金利の変化だけでは解けない。円安を前提とした資金が、どれほど同じ方向に集まっていたかを見る必要がある。
もっとも、これで円高が一直線に続くと決まったわけでもない。
日銀の利上げがすでに十分予想されていれば、実際に利上げしても追加の円高材料にならない場合がある。市場が期待するほど、その後の利上げに積極的でなければ、円が売り戻されることもある。
しかも、米国側にも利上げの可能性がある。日米が同じ幅で政策金利を引き上げれば、現在の金利差そのものは変わらない。
為替で重要なのは、政策変更の有無に加えて、市場が想定していた経路との差なのである。
その米国の金融政策を難しくしているのが、インフレと原油だ。
9月3日、FRBのウォラー理事は、インフレ鈍化が続けば政策金利の据え置きを支持する一方、8月の物価データが再加速を示すなら、9月会合で利上げを検討する考えを示した。同氏が挙げた7月のPCE物価指数は前年比3.7%、食品とエネルギーを除くコアは3.3%。最近の鈍化を評価しつつも、2%目標への到達を確認できる状況ではない。ウォラー理事の公式講演
ここに、再び原油高が重なっている。
9月8日には、中東のエネルギー施設への攻撃などを受け、ブレント原油が一時1バレル99ドル台に上昇した。原油高が長引けば、企業の輸送費や原材料費を押し上げ、家計の他の消費に使えるお金を減らす。さらに、物価上昇が広がれば、中央銀行が金利を下げにくくなる。Reutersの原油市況
株式市場にとっては、二方向からの圧力になる。
一つは、企業利益への圧力である。仕入れや輸送のコストを十分に価格転嫁できなければ、利益率が落ちる。もう一つは、株価の評価への圧力だ。金利が高止まりすれば、将来の利益にいま払ってよい価格が抑えられる。
もちろん、原油高で利益が増える資源企業もある。したがって、原油高を「株式市場全体に同じ悪影響」と捉えるのは粗い。しかし、資源企業の増益が、消費企業や製造業の負担増と同時に起きているなら、指数全体の増益だけを見て景気の健全さを判断することも難しくなる。
また、強い経済指標が、いつも株高をもたらすわけではない。
9月4日の米国市場では、予想を上回る雇用の伸びが追加利上げへの警戒を強め、株価の重荷になった。企業活動が強ければ利益には追い風だが、インフレが残る局面では、その強さが金融引き締めを招く。Reutersの9月4日市場報道
いまの相場では、「景気が強いから株を買う」という判断にも、金利を通じた反対方向の力が働いている。
では、こうした環境にある米国株は、すでに明らかなバブルなのか。
ここは数字に忠実であるべきだ。
FactSetの9月4日資料によると、S&P500の今後12か月の予想利益に対する株価の倍率、予想PERは19.5倍。過去5年平均の19.8倍を下回り、過去10年平均の19.0倍をやや上回る水準だった。さらに、7〜8月には第3四半期の利益予想が上方修正されている。FactSet「Earnings Insight」9月4日版
この数字から、少なくとも「株価だけが上がり、利益の裏づけは何もない」とは言えない。
ただし、予想PERの分母は、これから実現するはずの利益である。利益予想が下がれば、株価が同じでも割高になる。また、過去5年や10年の平均は、その時代の金利や利益率を含んだ平均であり、どんな環境でも通用する適正価格ではない。
「過去平均に近い」という事実は、現在の価格が何を前提にしているかを調べる出発点になる。安全を保証する判定にはならない。
さらに、利益の伸び方にも注目したい。
FactSetの8月28日の分析では、米国の主要大型テクノロジー企業7社、いわゆる「マグニフィセント・セブン」の第2四半期利益は、前年同期比118.5%増となった。ただし、この集計には、アルファベットとアマゾンの投資先に関する多額の評価益などが含まれている。一方、この2社を丸ごと除いた残る5社でも、利益は43.2%増えていた。FactSetの利益成長分析
この数字の読み方は、慎重でなければならない。
43.2%は「7社全体から評価益だけを取り除いた成長率」ではない。また、過去四半期の評価益が、そのまま先ほどのS&P500全体の予想PERを低く見せている、とも断定できない。対象企業も、利益の対象期間も異なる。
それでも、投資家が見分けるべきものは明確だ。
商品やサービスを売って増えた利益と、保有する投資先の評価額が上がって増えた利益では、翌年も繰り返せる条件が違う。
ここから考えられるのは、企業利益と資産価格が、完全に独立した裏づけになっていない場合がある、ということだ。
投資先への期待が高まり、評価額が上がる。その評価益が、出資する企業の利益に表れる。投資家が、その利益の増加を見て株価を評価する。この経路が含まれているなら、利益の一部もまた、資産への期待に依存している。
これは会計上の不正を意味しない。投資先の価値が実際に増している可能性もある。しかし、決算の増益率を、そのまま顧客からの現金収入の成長率として扱うことはできない。
相場を精密に見るには、「利益が増えたか」の次に、「何が増え、その利益は何によって繰り返されるのか」を問う必要がある。
AI関連株では、もう一つ区別が必要だ。
AI向けの設備投資が増えれば、半導体、製造装置、電力設備、データセンター関連企業に売上が立つ。その売上は現実のものであり、「期待だけ」と切り捨てるのは間違っている。
ただし、設備を売る側の売上が増えたことと、設備を買った側が十分な投資収益を得られることは、別の段階の話になる。
建設と導入が進む段階では、設備供給企業の業績が先に伸びる。その後、設備を使う企業が顧客を獲得し、利用料金を回収し、電力費や減価償却費などを負担しても利益を残せるかが問われる。
ここがつながれば、投資と利益の拡大には持続性が生まれる。つながらなければ、設備供給側の好業績も、やがて発注の減速に直面する。
したがって、AI相場を判断する際には、設備投資額の大きさだけでなく、その設備から生まれる売上、利益、現金収入を追う必要がある。
さらに、技術の成功が、現在の株主に高い収益を保証するわけでもない。
仮に、ある企業の1株当たり利益が将来2倍になっても、投資家が支払うPERが40倍から20倍へ下がれば、株価は計算上同じになる。配当を除けば、利益が倍増しても株価上昇益は得られない。
これは将来予測ではなく、株価を構成する関係そのものだ。
AIが社会を大きく変えるという見方が正しくても、その未来にどれだけ先払いしているかによって、投資の結果は変わる。優れた技術を見つけることと、十分な収益が残る価格で買うことの間には、距離がある。
日本株についても、円安とAIだけで一括りにすることはできない。 年初来では日経平均が約29.7%上昇した一方、より幅広い銘柄を含むTOPIXは約18.8%上昇した。大きな差だが、算出方法と構成銘柄が違うため、この差だけで市場の過熱を証明することはできない。
9月8日の市場も、一本調子ではなかった。午前にはAI・半導体関連などが日経平均を支えたが、その後の円高や米株先物の失速が重なり、日経平均はその日の安値で取引を終えた。Reutersの日本株市況
業種の反応にも違いがあった。岩井コスモ証券の当日市況では、電子部品や自動車などに売りが出る一方、ニトリや神戸物産は上昇している。岩井コスモ証券の市場概況
円高は、企業間で利益の得やすさを変える。
外貨で得た利益を円に換算する企業には、円高が減益方向に働く。輸入品や海外で調達する原材料への依存が大きい企業には、仕入れ負担の軽減につながりうる。実際の影響は海外生産の比率や為替予約、価格転嫁によって変わるが、「円高は日本企業すべてに悪い」という説明では、銘柄間の差を捉えられない。
原油高も同じだ。円高がドル建て原油の輸入負担を一部和らげることはあるが、原油そのものの値上がりが大きければ、円高になってもコストは増える。
銀行についても、金利上昇で貸出利ざやが改善する余地がある一方、保有債券の評価や借り手の返済能力への影響を確認する必要がある。「利上げだから銀行株」という連想だけでは、収益の全体像は見えない。
日本株には、資本効率改善という別の評価軸もある。東証は2023年から続ける資本コストや株価を意識した経営の要請を、2026年4月に更新し、経営資源の適切な配分を重視する方向を示した。東証の要請更新
低収益事業の見直しや資本配分の改善によって、同じ売上でも株主に残る利益が増えるなら、企業価値の再評価には根拠がある。
ただし、一度評価が上がった後には、改善の実行が必要になる。改革への期待で上がる段階と、改革の成果で上がる段階を、いつまでも同じものとして扱うことはできない。
いまの日本株を見る焦点は、円高による利益見通しの変化を、AI関連の成長や資本効率改善がどこまで補えるかにある。
この為替と株価の関係は、日本のNISA投資家に直接つながる。
為替ヘッジのない米国株投資では、米国株の値上がりとドル円の変化が、円建ての運用成績に重なって表れる。
例えば、1ドル150円のとき、100ドルの資産を買えば1万5,000円になる。その資産が120ドルへ20%値上がりしても、為替が1ドル120円になれば、円換算額は1万4,400円。配当や費用を除くと、円建てでは4%の損失だ。
逆に、株価上昇と円安が同時に起きれば、円建ての利益は大きく膨らむ。
この利益は、円で生活する投資家にとって実際の意味がある。ただし、企業の成長だけで得られた利益ではない。為替から受けた追い風が含まれているなら、それが止まる、あるいは逆向きになる場合も考える必要がある。
米国株に投資している日本人は、米国企業の業績と、円から見た外貨の価格という二つの変動を引き受けている。
「米国株は上がったのに、自分の投資信託は思ったほど増えない」という局面は、制度の不具合でも、運用会社の失敗でもなく、この構造から生じうる。
また、全世界株式を買っている場合も、現在の市場構成を確認する価値がある。
代表的な全世界株指数のMSCI ACWIでは、2026年8月末の米国比率は63.59%だった。全世界に分散する指数であっても、各国に均等配分する仕組みではない。MSCI ACWIのファクトシート
この指数とS&P500に同額ずつ投資すれば、米国株の比率は概算で約82%になる。二つの商品を持つことで、米国への配分をさらに厚くしているわけだ。
米国企業にも世界各地の売上があり、国別比率だけで事業のリスクを説明し切れるわけではない。それでも、保有する商品の数と、異なるリスクに分散できている程度は同じではない。
指数への投資は、個別企業を選び続ける負担を減らしてくれる。しかし、指数全体の利益見通し、評価倍率、金利への感応度まで消してくれるわけではない。
では、バブル崩壊、リーマンショック、アベノミクス、コロナショックを経た長い相場を、どう捉えればよいのか。
「ずっと一つのバブルが続いた」という表現には修正が必要だ。日本の1980年代末の相場と、米国のITバブル、住宅金融を中心とする金融危機、その後の大型テクノロジー株主導の上昇では、主役も資金調達の構造も異なる。
一方で、危機後に金融緩和が強まり、資産価格の回復を支える条件が整えられた、という共通点はある。
2020年3月、FRBは政策金利を0〜0.25%に引き下げ、国債や住宅ローン担保証券の大規模な買い入れなどを打ち出した。コロナ後の回復を理解する際には、株価が下がったという出来事に加えて、その後の政策対応を外すことはできない。FRBの2020年3月15日声明
暴落によって自動的に次の上昇が生まれたわけではない。金融政策、財政対応、企業活動の回復、利益構造の変化などが重なっていた。
さらに、もっと長い期間の株高にも、企業の売上成長以外の追い風が含まれていた可能性がある。
FRBが公表した2023年の研究論文は、1989〜2019年の米企業利益の実質成長について、金利と法人税率の低下が4割超を説明すると分析している。これは著者の研究結果であり、FRBの公式な将来予測ではないが、過去の高い収益率を考えるうえで示唆がある。Michael Smolyanskyの研究論文
同じ営業活動でも、支払利息が減り、税負担が軽くなれば、株主に残る利益は増える。さらに、金利が低下して、その利益に高い評価倍率がつくなら、株価には二重の追い風が吹く。
過去の株価上昇率には、こうした条件の変化も入っている。
その収益率を将来へ延長するとき、売上成長だけでなく、利益率や金利、税負担、評価倍率も、どこまで同じ方向へ動けるのかを問わなければならない。
現在は、少なくとも中央銀行が物価を気にせず金利を下げられる環境ではない。金融システムを安定させるための支援策を講じることと、株価に有利な低金利を広く続けることも、同じ政策ではない。
「大きく下がれば、また中央銀行が助ける」という期待には、インフレという条件がつく。
これは次の暴落を予言する話ではない。過去の回復を支えた政策対応を、将来も同じように使えるとは限らない、という相場の構造の話である。
そして、過去には実際に、株価が長く期待に応えなかった期間もある。
日経平均が1989年末の最高値を終値で更新したのは、2024年2月だった。ただし、これは配当を含まない円建て価格指数の比較であり、積立や配当再投資を行ったすべての投資家が、同じ結果だったわけではない。日経指数公式の解説
米国でも、2000年1月から2009年12月までのS&P500は、配当再投資を含むドル建て収益率で年率マイナス0.95%だった。この期間の一括保有と、途中から積み立てた個人の成績も区別する必要がある。Dimensionalによる歴史データの整理
相場のリスクには、急落の深さに加えて、回復や十分な収益を得るまでの長さがある。
最近の上昇を強く経験した人が見落としやすいのは、下落そのものよりも、企業や経済が存続し、技術も進歩しているのに、購入価格に見合う投資収益が長く得られない可能性だろう。
この意味で、若い世代への問いは、「暴落を知っているか」だけでは足りない。
暴落後の回復を何度か目にすれば、「下がっても待てば戻る」という理解が強まることは考えられる。しかし、その回復に必要だった政策や利益成長まで見ていなければ、結果だけを一般法則として記憶することになる。
もっとも、これを「若者が盲目的にバブルを積み上げている」という断定に進めるには、証拠が足りない。
日本証券業協会の2025年版NISA白書によると、2025年の年間買付額は約18.7兆円。成長投資枠の買付額が最も大きい年代は50代、つみたて投資枠では40代だった。また、買付資金には預金や給与だけでなく、既存の保有資産の売却資金も含まれる。日本証券業協会「新NISA白書2025」
この買付額を、すべて若者から米国株へ流れ込んだ新規資金として扱うことはできない。
資金流入が株価を支える可能性はある。しかし、相場全体の価格形成には、海外投資家、機関投資家、企業の資本政策、金利、利益見通し、借り入れを伴う取引などが関わる。
毎月の収入から積み立てる資金と、円安や低い変動率を前提に借り入れを使って動く資金では、相場が変わった際の売却圧力も違う。
バブルを分析するなら、参加者の年齢より、何を前提に、どの資金で買い、何が起きたら売る構造になっているかを見る方が、市場の転換点に近づける。
NISA自体は、投資から得られる利益を一定の条件で非課税にする制度である。同じ投資を行い、利益が出るなら、税負担を抑える意味は明確にある。しかし、制度は購入する資産の利益を増やしたり、購入価格を割安にしたりするものではない。金融庁のNISA解説
したがって、「NISAは有利か」と「現在の株価で、どれだけの将来収益を期待できるか」は、別々に答える必要がある。
「NISA貧乏」という問題も、節約する姿勢を褒めたり批判したりするだけでは捉えられない。
相場の観点からの問題は、長期で保有する予定の株式に、近い将来使う必要のある資金まで振り向けていないか、という点にある。資金が必要になる時期と株価回復の時期が合わなければ、非課税の恩恵を受ける前に、安い価格で売却することになりうる。
NISAでは保有商品を売却できる。しかし、「売れること」と「必要な金額で売れること」は違う。これは気の持ち方で解消できる問題ではなく、変動する資産価格と支払期限の関係である。
いまの市場で検証すべき筋道を整理すると、次のようになる。
| 今後の条件 | 株式市場への主な経路 | 円相場と日本の投資家への影響 |
|---|---|---|
| インフレ鈍化が続き、企業利益も伸びる | 米利上げへの警戒が和らぎ、利益成長が株価を支えやすくなる | 日米の金利見通し次第で円高が進むと、米株高の円建て収益は小さくなる場合がある |
| 原油高が続き、物価圧力が強まる | 利益率の圧迫と金利高止まりが重なり、評価倍率が下がりやすくなる | 米金利上昇と日銀の対応が競合し、為替を一方向には決められない |
| 景気が弱まり、利益予想が下がる | 金利が下がっても、減益の影響で株価が下落する場合がある | 円高も重なれば、外貨株式の円建て評価額に二重の下押しがかかる |
| 日銀の政策が市場の期待ほど引き締め的でない | 日本株では円安を受けた利益見直しが起こりうる | 円安へ戻る余地が生まれる一方、輸入コストの負担が再び強まりうる |
いずれも、条件ごとに考えられる経路である。実際の値動きは、それぞれがどれほど事前に織り込まれているかによって変わる。
直近では、9月11日の米消費者物価指数、15〜16日のFOMC、17〜18日の日銀会合が、この条件を確かめる材料になる。物価が鈍化したか、政策金利が動いたかという見出しに加え、その後の金利経路について市場の想定がどう変わるかが重要になる。米労働統計局の発表予定、FRBの会合に向けた公式説明、日銀会合と為替市場の報道
現時点で、日米株高のすべてをバブルと断定する根拠はない。企業利益の拡大や、実際の設備投資、経営改善という裏づけがある。
同時に、株価を支える利益の持続性、高い金利の下で許容される評価倍率、円安を前提とした取引には、確認すべき弱点がある。そこをNISAへの資金流入や、長期投資という言葉だけで埋めることはできない。
これからの企業決算では、増益率の見出しより、その利益を生んだ事業と現金収入を見たい。金融政策では、利上げ・据え置きという結論に加え、インフレに対してどこまで引き締める用意があるかを見たい。円相場では、金利差に加えて、円売りを続ける取引の前提が保たれているかを見たい。
次の株高には、すでに上がった価格を支える新しい利益が必要になる。日本の投資家には、そこへ円相場というもう一つの条件が加わる。
NISAの普及も、AIの進歩も、この条件を免除してはくれない。
===
![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() |
"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。



