定期的に、日本のトップティアエリートが東大理科3類に吸い込まれる問題が論じされる。
そして、医療費問題とセットで語られる。当然世代間格差も語られる。
偏差値至上主義の学歴競争がもたらす歪みとして、ある種の医療費チューチュー特権、理系能力を身につけた人間が産業界に降りてこない問題。さらにはセカンドティア、サードティアの人たちが外銀・外コンに流れてしまう。
これもよく言われる。
商社とか、外銀みたいに、コロコロやってる人たちが多く儲けていいのか、みたいな。当然、外資コンサルを語るにはデジタル赤字という概念も出てくるでしょう。日本は国富を外銀・外コンに吸い上げられていると。
最近は、日本の学術界が瀕死。
これらが問題視されている。
論文の視点もそうだけど、マジで、国際競争力が落ちてきている。SNSでも、博士、修士路線がいかに厳しいかが語られる。学部卒でソルジャーになった方が良いとされる。企業がハイスペ人材を軽視してきた。こういうツケが回ってきているのだ。
博士・修士課程に進む人材が減少する背景には、明確なインセンティブ欠如とリスク回避の構造がある。
「学術」という投資は、金銭的リターンが遅く、かつ不確実だ。一方で、外銀・外コンや商社は即時性の高い報酬と社会的ブランドを提供する。この比較ゲームにおいて、長期的に研究を続ける選択は合理的に見えにくい。
結果として、日本は「短期的収益に強い人材」ばかりを育成・輩出し、「基礎的価値創造に強い人材」を減らし続けている。これは産業界のR&Dの空洞化、スタートアップの技術基盤の脆弱化に直結する。
さらに、外資企業への人材流出は「人材=国富」という観点で見れば、資本の海外流出と同義だ。
東大理III吸い込み現象、外銀・外コン吸い上げ現象、そして博士号回避現象は、実は一つの構造の異なる顔である。
それは──「国家としての人材配分の最適化を放棄してきた」という事実だ。
高度人材を、誰がどの期間、どの分野で使うのかという設計思想がないまま、市場任せで流れてきた結果、短期利益指向の分野に集中し、長期的競争力が削られてきた。
産業の地盤沈下は、こうした“人材ポートフォリオの歪み”から加速している。
結局、「頭脳の資源配分」が最適化されていない。医師の過剰供給や、外資金融・コンサルへの人材流出は、それぞれの個人にとっては合理的な選択だが、国全体で見れば「高付加価値産業への投資不足」という形で跳ね返ってくる。
戦後日本は製造業の躍進で豊かになったが、今は知識集約型の産業で負け続けている。にもかかわらず、そこで勝負する人材が十分に供給されない。東大理Ⅲは医療という安定かつ高収入の閉じた世界に優秀層を囲い込み、外銀・外コンは短期利益追求型のキャリアを加速させる。どちらも「グローバル競争で勝つための土台産業」に人材を送り込む構造ではない。
- 企業側の人材マネジメントの短期志向(即戦力採用・ポスト不足)
- 政府の産業戦略の不在(理系博士・ポスドクの出口問題を放置)
- 教育現場のインセンティブ設計の歪み(偏差値序列がそのまま職業選択を支配)
これらが複合して、「国家レベルの機会費用」が増大している。極端な話、もしトップ2%の人材が外銀や医療に行かずに、半分でもAI・半導体・バイオなどに向かえば、日本のGDP成長率や国際特許数は今より大きく改善する可能性が高い。しかし現実には、制度や文化がそれを阻む。
そして今のままだと、優秀層のキャリア選択が「国益に対して非効率」な方向へ固定化され、世代が交代しても修正が効かない恐れがある。これが本当に厄介なのは、一度そうなってしまうと、後から人材配分を変えようとしても、スキルセットの積み上げに10〜20年かかる。
1. 日本で人材配分問題が特に深刻化した歴史的要因
戦後の経済構造
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高度経済成長期(1955〜1973)
戦後復興と輸出主導型成長により、「大量生産・大量雇用」モデルが支配的だった。
この時期の国家戦略は「教育=大量のホワイトカラー労働者育成」が中心で、大学は産業の即戦力を供給する役割を担った。
→ 研究職よりも大企業就職が圧倒的に安定かつ高給だったため、学問の長期的価値より企業内昇進が優先された。 -
大学制度の構造
戦後のアメリカ式大学改革により、旧帝大は研究と教育の両方を担わされる一方、米国のような強固な大学院中心の研究システムは根付かなかった。
→ 学部卒での就職が主流化し、「博士=就職に不利」という構造が温存された。
1980年代以降の産業シフト
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1980年代後半、日本はバブル経済で短期利益を追う金融・不動産分野が台頭。理系人材の高待遇は相対的に低下。
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バブル崩壊後(1990年代)、企業は長期的R&D投資を削減し、成果主義・即戦力採用が強まった。
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この時期から外銀・外コン・商社がトップ層の就職ランキングを席巻。理系でも医・薬・外資系への流出が加速。
政策の欠如
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日本は国家戦略として「人材の長期配分設計」を行わなかった。
米国はDARPA、中国は国家重点実験室、ドイツはマックスプランク研究所のように、優秀層を長期的に囲い込む制度を用意。
日本は短期雇用契約+予算削減で、若手研究者を排出してきた。
2. 日本が人材配分を誤った具体事例
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理科III偏重と医師供給過多の時代的ズレ
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1970〜80年代の医師不足政策の延長で定員を維持したが、少子高齢化と医療費増大で供給過剰気味に。
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優秀層が臨床医に集中し、基礎研究や工学分野への流入が減少。
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博士・修士軽視
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1990年代以降、ポスドク大量生産政策(大学院重点化)を実施したが、産業界での受け皿を作らず「高学歴ワーキングプア」化。
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研究インセンティブを潰す結果になった。
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外資への人材流出
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金融自由化(1980年代後半)以降、トップ層が外銀・外コンへ直行。
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国内産業の競争力に必要な「経営×技術」人材が不足。
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3. 修正に成功した国との比較
ドイツ
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戦後、産業復興と同時にマイスター制度と応用研究所(フラウンホーファー協会)を整備。
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大学研究者と産業界を密に結びつけることで、理系トップ層が国内産業に残る構造を維持。
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研究費のGDP比は日本より常に高く、企業からの研究資金流入も多い。
中国
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2000年代以降、国家重点プロジェクト(863計画、985計画)でトップ層を国内に囲い込み。
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給与・研究環境・住宅補助をパッケージ化し、海外帰国人材を国家戦略の中核に据えた。
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「短期利益型の外資流出」よりも「国家プロジェクト」優先のキャリア選択が増加。
米国
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戦後から一貫して軍事研究・基礎研究への長期投資を維持(DARPA、NSFなど)。
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大学院中心システムで博士課程をキャリアの主流化。博士取得後のポジションも産業界・アカデミア両方に豊富。
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優秀層が金融やコンサルに行っても、相当数が技術・起業分野に残るよう制度設計。
📌 まとめると
日本だけが深刻化しているのは、
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戦後の教育制度が「研究」より「即戦力就職」を重視していた構造が続いた
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バブル崩壊後の短期利益志向がR&D人材配分を崩した
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国家が長期的な人材配分設計を持たなかった
という三重構造が重なったため
日本版 人材配分リバランス戦略(実行草案)
目的(ゴール)
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10年で「基礎・応用研究における人材流入」を回復し、産業界の技術基盤を強化する。
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5年で博士・修士取得者の「産業界定着率」を上昇させ、ハイテク産業・深技術スタートアップの人材不足を緩和する。
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国家戦略上必要な分野(半導体、AI、バイオ、量子、再エネ等)で「国際競争力の回復」を図る。
(注:以降の数値は目標値の例。政策決定時に実情に合わせる)
戦略の要点(3本柱)
A. 「給与+キャリア+研究環境」のパッケージ化で優秀人材を国内に留める(囲い込み)
B. 「産学連携と産業内受け皿の整備」で博士人材の産業移転を自然なキャリアパスにする
C. 「国家的研究投資とポートフォリオ管理」で長期R&Dを安定化させる
具体施策(短期〜長期、優先順位つき)
短期(1〜2年):制度・予算のスイッチ
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国家「Strategic Talent Fellowship(仮)」創設(即時)
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目的:若手博士・ポスドクに対する5年固定の給与+研究費+住宅補助パッケージ。
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対象分野:国家安全上・産業上優先分野(例:半導体、量子、AI、バイオ)。
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実施主体:文科省+経産省共同。大学勤務/産業連携ポジションどちらでも適用可能。
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目標:初年度500名、3年で2,000名水準。
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産学連携税制の強化(企業側インセンティブ)
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研究連携に対して税額控除(例:研究費の一定割合を法人税から控除)+共同採用に対する雇用補助金。
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中小企業向けスキームも同時設計。
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「産業ポスドク」トライアル(産業内ポスドク)
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企業に短期(2〜3年)でポスドクを受け入れるための補助。成果を特許やプロトタイプで評価。
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中期(3〜5年):組織と評価基準の改変
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フラウンホーファー型の「応用研究機関」全国展開(ハブ型)
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大学と企業の中間に位置する組織を地域毎に整備。共同プロジェクトをパッケージ化し、研究者の産業移動を容易にする。
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大学院改革(キャリア多様化)
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博士課程の評価に「産業実装・起業・特許」等を正式な成果指標として組み込む(論文偏重の是正)。
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企業共同指導、共同学位プログラムを大幅促進。
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公的研究予算の「ポートフォリオ化」
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短期アプライ(産業寄与)と長期基礎(基盤技術)を比率で確保(例:50/50や60/40を分野毎に設定)。
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長期(5〜10年):文化と市場の再配分
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教育投資の再構築(STEM教育+起業教育)
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大学・企業のキャリア相談窓口設置、大学文化としての産学協働の常態化。
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帰国・定着支援パッケージ
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海外留学・就業経験者のキャリア誘致(住宅・税制・研究資金パッケージ)。
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地域ハブによる産業循環の復元
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地方都市に研究拠点と製造を合わせることで、都市集中型の「人材吸収」からの脱却。
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KPI(計測指標)/目標例
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博士号取得者の「産業定着率」:現状+10〜20ポイント(5年)
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国家研究投資(公的R&D/GDP比):+0.2〜0.5ポイント(5年)
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特定分野(例:半導体)での国内特許出願数:年率+10%(5年)
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フェローシップ受給者の国内残留率:80%以上(5年)
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産学共同プロジェクト数:年率+20%(3年)
実装体制(ガバナンス)
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国家タスクフォース(首相直轄)を初動に設置:文科省・経産省・内閣府・財務省・主要大学・産業団体(製造、IT、バイオ等)で構成。
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地域ハブ運営法人:産学官が出資する第三セクター型法人を設立し、フラウンホーファー型施設を運用。
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評価委員会:独立査定でポートフォリオ配分を年次レビュー。
予算イメージ(概算)
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初年度フェローシップ+運営+税制措置で数百億円〜1千億円のレンジ(政策規模に依存)。
(注:具体額は予算査定で決定)
抵抗とその緩和策(政治的リアリティ)
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反対:財政負担(財務省)
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緩和策:初期は「再配分」として既存予算の効率化(不要重複補助の廃止)で穴埋め。費用対効果モデルで中長期の税収増(技術産業の付加価値増)を示す。
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反対:大学の既得権益(学部内の抵抗)
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緩和策:パイロット制度→成功事例提示で徐々に拡大。大学評価に外部資金・産学連携成果を組み込む。
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反対:企業側の短期志向(投資回収が遅い)
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緩和策:税制インセンティブ、マッチング資金、共同リスク分担制度を用意。
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パイロット設計(実行しやすいスモールスタート)
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3年で評価する「トライアル地域」3カ所(例:東大・京大エリア+地方1拠点)でモデル実装。
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フェロー50名、産業ポスドク50名、1つのフラウンホーファー型ハブを開設。
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3年後に定量評価(KPI)でスケール可否を判断。
参考となる比較的成功パターン(実務的ヒント)
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ドイツ型:産業直結の応用機関を地方に作ることで、大学・企業・職人の連携を生む。
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米国型:長期研究投資と大学院中心の人材循環が博士をキャリアとして成立させる。
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中国型:国家プロジェクトで「リターンを確約」し、帰国人材を囲い込む。ただし政治的コストと倫理的課題あり。
→ 日本はここから「ハイブリッドモデル」を採るべき:国家投資の安定性(米国)×応用研究のハブ化(ドイツ)×柔軟な報酬パッケージ(中国の誘致型)を組み合わせる。
リスク(早めのチェックポイント)
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フェローが増えても「ポスト不足」で学術界と産業界の不満が残る → 産業側のポスト創出(公的補助)を並行する必要あり。
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税制優遇が大企業偏重になる危険 → 中小向け補助枠を明確化。
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短期的成果主義が残ると基礎研究が死ぬ → 公的資金の一部を「守るべき基礎限度」として法的確保。
最後に:実行上のチェックリスト(最初の90日)
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首相直轄タスクフォース設置(関係閣僚・大学・産業代表)
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予算案(初期フェロー&パイロット)を財務に提示するための費用便益分析作成
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3地域のパイロット候補を選定・合意形成(大学・自治体・代表企業)
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フェロー募集要項と産業ポスドク補助金スキームを設計
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。