
最近は、高校生向けに、意識の高い株講座を展開することがある。高校生から株式投資を始める人もいるかもしれない。
ここで、大の大人も普通に信じきっている俗説と、その虚実について良いことを教えよう。
西園寺帝国大学附属高校ならではの授業である。
結論、
長期投資でリスクが減る
は大嘘である。
毎月1万円、株に積立して、コツコツやれば、資産が増える。
これ系の話は嘘だと思ってほしい。
結論から言うと、これはサラリーマンの出世と同じである。
20代前半の時は差がつかない。
しかし、30代、40代になると差が開く。
50代になれば、大企業の役員・社長になってる人もいれば、平社員のままの人もいる。
45歳で首切りにあった人もいるかもしれない。
そういう話である。
長くやればやるほど、「成功と失敗の差が開く」ということである。
みんな、横並びだった、ヨーイドンだったのが、後半は差が開くということ。




そして、長期投資すれば、
新卒の頃よりは給料上がってるよね?労働者として価値上がってるよね?
という話である。
各々差は開くけど、スタートの時より、前に進んでるよね、というのが長期投資肯定派の言い分だ。
確かにそういう傾向はある。
だが、多くのサラリーマンは、労働者として長く働く途中で、
- 病気になる
- 介護が必要になる
- リストラに遭う
- 子会社に転籍する
など離脱フェーズがある。
また、40代、50代になって、「20代の自分より労働価値が高いとは言えない」という状態まで落ち込んでる人もいる。
若い頃より、生きた年数が長いほど、人生はより良い、より良くなった
という論は怪しい。
女性の人生も同じだ。
幼稚園の頃は、みんな、横並びだ。
小学生の頃もそうだ。
だが、高校生、大学生年代となると、人生に差ができる。
一方は水商売をやって大金を稼ぎ、一方は医学部に行き、一方はフリーターになり・・・と人生が別れていく。
30歳になる頃には、母親になっている人がいる一方で、未だ独身でハタチみたいなことを言ってる人がいる。
取り返しのつかない差になる。
いい人生もあれば、悪い人生・後悔の人生もある。
このように、時間の関数として捉えた時、
結果が散らばる
ということである。
株の世界で起きていることは、
「長期になれば安定する」
ではなく、
「長期になれば、勝者と敗者がはっきり分かれる」
である。
・テンバガーを掴んだ人
・インデックスで市場平均を取った人
・途中で暴落に耐えられず撤退した人
・高値掴みを繰り返し、実質マイナスの人
これらは、全て同じ時間軸の中で同時に存在する。
時間は、救済ではない。
時間は選別装置だ。
実際、株式市場は、暴落後、25年株価が元に戻らないというフェーズが確かにあった。
200年タームで見ると右肩上がりだが、そういったマクロ傾向でも、拡大してみると、25年株価が元に戻らないフェーズがある。
だから例えば、35歳で株を始めて、定年を迎える60歳の頃には、
むしろ元本割れ状態(これまでの25年の毎月のコツコツ投資がトータル赤字)
ということが実際にあり得た。
また、マクロではなく、個別株で見た時、「元本割れが続く株」もある。
ソフトバンクの株は、2000年前後のITバブルの時の株価を、その後、20年にわたって更新しなかった。
つまりソフトバンクが1番イケイケだった時に株を買った人は20年間、ずっと赤字である。
ここまで来ると、
「いや、それでも分散投資すればいいじゃないか」
「インデックスなら大丈夫だろ」
という反論が必ず出てくる。
だが、ここにも同じ落とし穴がある。
分散投資とは、
リスクを消す魔法ではない。
正確には、
「どのリスクを引き受けるかを変えているだけ」
である。
個別株リスクを消す代わりに、
国家リスク
制度リスク
人口動態リスク
通貨リスク
世代リスク
を丸ごと引き受けている。
インデックス投資とは、
「世界全体、日本全体が、長期的にうまくいく」
という一つの巨大な仮説にフルベットしている行為だ。
これからの世界は、これまでの100年の常識とは違う。
人口の停滞はアフリカでも始まっている。
世界中で少子高齢化が進む。
若者の労働力に限度がある。
何より地球の環境がもう限界である。だからSDGsなど言われている。
夏の異常気象、熊の異常発生を忘れていないか?
高校生向けに、さらに重要な話をしよう。
長期投資が危険なのは、結果が悪くなる可能性があるからではない。
本当に危険なのは、
「失敗したときに、やり直しが効かない」
という点だ。
20代で失敗すれば、
取り返す時間がある。
だが、40代・50代での25年不調は、
そのまま「人生の最終局面」に直撃する。
株式市場で30年かけて豊かになるやり方は、取り返しがつかないのである。
これは一つの会社に30年勤務して落ちこぼれるケースも同様である。
つまり、
時間は、リスクを減らさない。
時間は、
・運の影響を増幅し
・初期条件の差を拡大し
・途中離脱者をふるい落とし
最後に、生き残った人だけに
「長期投資は正しかった」と語らせる。
これが真実である。
長期投資で儲かった、という人間は、単に、出世して役員・社長級まで言ったプロパー社員の発言である。
この会社に粉骨砕身、人生を捧げてよかった、という発言だ。
大体、多くの株長期投資マンは、自分の会社には見切りをつけて、労働には愛想をつかしながら、一方でシコシコ株をやってる。
じゃあ、株で長期で勝ち組になる銘柄がわかるならば、なぜお前は、微妙な会社に就職したんだ?会社員として燻ってるのだ?その目利きに自負があるなら、お前は将来自分が役員になれる会社に入れたのでは?
- 目利きや読み
- 働く努力
という2つの変数が効く、キャリアの選択で間違えてる人間が、「目利きや読み」という1変数でしか勝負できない株でなぜ勝てると思い上がるのか?
「いや、俺が良いと思う企業は大企業で、自分はエリートじゃないから入れないんだよ・・・」
みたいな人間は、10代のうちから前もって大学受験を準備して、就活をして、良い企業に人生をBETするという就活がまずできない。
つまり計画性や先読み性がない。
だから金だけその会社の株にあずけて恩恵を授かろうという魂胆なのだろう。
「いや、俺は働くことに自信がないから・・・」
「自分の働きは悪いが、目利きだけはできるんだよ・・・」
そういう魂胆なのだろう。
だが、株の世界は、目利きができれば良い、というわけじゃない。
いや〜、IVEやTWICEはいいアイドルだね!売れるね!
明石家さんまはダウンタウンはまだまだ売れるね!
と言っていても仕方がない。
それは、「みんな知ってるから」である。
この、「みんな知ってる」度合いというのは、株の世界では、
“株価に織り込まれる”
という表現をするが、要するに、みんなが期待して先を見てる度合いは既に価格に織り込まれて価格が上がっている。
ヤフオクやメルカリで例えると、
このブランドのこのサイズのこの服を買ったら、人気があるから転売できる、ということがみんなにばれている状況
である。
横流ししたら濡れ手に粟である。だからチャンスがない。
人気の歌手がゲリラライブをするらしい、という情報を先んじて知っていたら先頭の方に並べる。
しかし、みんな気づいている時にはもう混雑。
遠くの方で見るしかない。
そういうことだ。
総合商社株を30年持ち続けていたら、儲かりました
みたいな話は、
「くりぃむしちゅ〜上田、有田、ネプチューンなど、すでに安定してる芸人が、今後ますます売れる、またブレイクになって天下を取った」
みたいな話である。
すでに売れてる芸人が、さらに爆発する、みたいなことである。
一方で、中居正広、松本人志のように、
まさかあの人たちが?
という大御所が強制退場もあり得るのだ。
Nidecはじめ、株式市場で優等生とされてきた銘柄、大企業などが不祥事で暴落してきた例は枚挙にいとまがない。
結果論で見れば、リーマンショックで暴落した株価も、その後、持ち直してぐいぐい儲かるようになった銘柄がたくさんある。
だがそれは、現時点で、
- 宮迫博之
- スピードワゴン小沢
- 中居正広
- フワちゃん
のテレビ復帰にBETするようなものである。
今、彼らは見放されているだろう。
リーマンショックでもホールドし続けられた、というタイプは、
「松本人志のダウンタウンプラスは成功すると思ってたよ!!!」
とずっと応援してた、みたいなタイプだろう。
U-20レベルでは無双だった
宇佐美貴士、柿谷曜一朗も
代表では定着しなかった。
森本貴幸も、平山相太もダメだった。
久保建英も思いのほか伸び悩んでいる。
A代表に呼ばれるのは10代で早かったものの、そこから初ゴールまで数年かかかった。
すでにリーガで何試合も出てはいるものの、
もうそろそろアラサーの域である。
幼少の頃、バルサ、レアルにいた人間としては、いまいちである。
毎月1万円を、サラリーマンの現役期間中に投資すると総額がいくらになり、その総額に対して、2倍、5倍、10倍になる銘柄は全体のどのくらいあって、期待値はどのくらいだろうか?
米国のアリゾナ州立大学(ヘンドリック・ベッセビンダー教授)の有名な研究(1926年〜2016年の米国株データ)によると:
全体の約58%の銘柄は、現金のまま持っていた場合のリターン(米国債)を下回った。
富を生み出したのは、上位4%のスーパー銘柄(Apple、Amazon、Exxonなど)だけ。
つまり、適当に個別株を選んで40年放置した場合:
0倍〜1倍(元本割れ・倒産): 半数以上
10倍以上(テンバガー): 約4%未満
個別株で10倍を狙うのは、この「上位4%」を引き当てる作業であり、確率は非常に低い
実際、サラリーマンで部長以上になる人間の割合がこのくらいだろう。
ちなみに、「インデックス投資」のような「全体賭け」の場合、40年かけて投資した元本が大体3〜5倍くらいが期待できると言われる。
40年投資なら2倍になる確率はほぼ100%で、40年保有してマイナスになることはない、と言われる。
だがこれはインフレを考慮していない
インフレを考慮した実質リターンで考えると、着地は
「40年で価値が2.5〜3倍になる」
が落とし所である。
インフレを考慮した場合、5倍以上になる確率はかなり低い。
さらに、
- 税金
- 社会保障
- 為替
など、購買力を減少させる全てのファクターを、トレンドから計算して、将来リターンから差し引くと、
40年後のコツコツ系リターンに残る実質的な上昇は2.5倍
くらいが着地点である。
今の例だと、月1万円を40年間続ければ480万円。
これが2.5倍だから、1200万円である。
40年間毎月、1万円を捻り出して、20歳から60歳までやった結果が、トータル480万円が1200万円になる。
2万円なら、2400万円になる。
3万円なら、3600万円になる。
老後サラリーマンとして働けない、給料が落ちることを考えると、
ある程度、サラリーマンとして稼ぎ、
余裕があり、
老後も生活水準を落としたくない、
という人にとっての年金みたいなものである。
結局のところ、その程度の話なのだ。
そう。
ほとんどの高校生が東大に受からない、
ほとんどの路上ミュージシャンが歌手になれない、
ほとんどのスポーツ少年がスポーツ選手になれない、
ほとんどの男が部長以上にならない、
それと同じである。
大切なことは、
長期投資コツコツは、
決して健全なんかじゃない。
「この会社で役員になる」
「ミュージシャンとして売れる」
「東大に行く」
という系統のドリーマーと同じだという自覚を持ってやることだ。
PS.
40年間、現金を現金で持ち続けた場合、
0.5倍、つまり半分になってるか、
それより悪くなっている。
20年でも半分になり得る。
こう考えると、現金勢は最悪だが、基本、株などに手を出さないタイプはお金を使うだろう。
1番最悪なのは、
消費もしないが、
かといって、
ただただ現金で持ち続ける、という貯金バカであることは言うまでもない。
Cash is trash。
現金はゴミである。
経営において、Cash is kingではある、これはゲームを回すための血液という意味だ。
しかし価値の保存という意味では、Cash is trash、現金はゴミである。
お金というのは只今のゲームを回すためだけであって、長期を考えた時、それをプレイしながらいかに価値を「何でどうやって積み上げるか」で、将来的に
- 勝ち組
- 負け組
が分かれるということ。
有限な時間を切り売りして、
低時給で稼ぎ、
そのお金を貯金しているようでは、
敗北は確定している。
確実に負ける。
===
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。


