2000年代後半から2010年代前半、日本では「ネットビジネス」という言葉が急速に広がった。
和佐大輔、木坂健宣、与沢翼。
少し違う系譜まで広げれば、ダン・ケネディ、ジェイ・エイブラハム、ジェフ・ウォーカーの「プロダクトローンチ」、そしてそれら海外マーケティング理論を日本へ紹介してきたダイレクト出版。
さらに時代が進むと、メルマガ中心だったマーケティングはLINEへ移り、LステップのようなCRM・マーケティングオートメーションへ発展していった。
これらを「昔流行ったネットビジネス」と一括りにしてしまうのは簡単だ。
しかし2026年から振り返ると、もっと面白いことが見えてくる。
消えたものも多いが、20年近く経っても姿を変えて残っている構造も多い。
そしてAI時代になった現在、むしろ「何が残ったのか」を見た方が、マーケティングの本質が分かりやすい。
そもそも、日本のネットビジネスは日本だけで突然生まれたわけではない
2000年代以降の日本のネットビジネスを見ると、
「メルマガを書く」
「無料レポートを配る」
「見込み客リストを集める」
「教育する」
「セールスレターを書く」
「期間限定で販売する」
「バックエンド商品を販売する」
といった手法が大量に登場する。
しかし、そのかなりの部分には前史がある。
代表的なのが、米国のダイレクト・レスポンス・マーケティングだ。
ダン・ケネディの日本公式サイトでは、現在もダイレクト・レスポンス・マーケティングを中心として、マーケティング、セールス、起業、顧客との関係構築などを扱っている。
ジェイ・エイブラハムも、日本では『ハイパワー・マーケティング』などを通じて広く知られ、ダイレクト出版も現在までジェイのマーケティング関連書籍を販売している。
そして、ネット販売で特に大きかったのがジェフ・ウォーカーのProduct Launch Formula、いわゆる「プロダクトローンチ」である。
ウォーカー自身のサイトでも、Product Launch Formulaを、商品やサービスを大きな勢いをつけて市場投入するためのプロセスとして説明している。
つまり、日本のネットビジネスを歴史的に見るなら、
通販・DRM
↓
コピーライティング
↓
リストマーケティング
↓
インターネット
↓
プロダクトローンチ
↓
日本独自の情報商材・オンライン教育市場
という流れの中で見る方が分かりやすい。
突然「怪しいネット起業家たちが発明したもの」ではないのである。
和佐大輔と木坂健宣が象徴した、初期ネットビジネスの一つの完成形
この流れの日本における象徴的な存在の一つが、和佐大輔と木坂健宣だった。
和佐大輔の現在の公式サイトでは、16歳でネットビジネスに出会い、コピーライティングとDRMを使って事業を続けてきた経歴が紹介されている。サイト上では20年間の累計売上を39億円としているが、これは本人側が公表している数字として見る必要がある。
また和佐大輔のサイトに掲載されている木坂健宣の紹介では、両者が2007年に共同開発した『ネットビジネス大百科』について、累計1万5000本以上販売したとされている。これも公式プロフィール上の公表値である。
ここで重要なのは売上額そのものではない。
この時代にかなり完成していたのが、
コンテンツ
→ 見込み客獲得
→ コピーによる教育
→ 信頼形成
→ オファー
→ 高単価商品の販売
という一連の流れだったことである。
今なら「コンテンツマーケティング」「CRM」「ナーチャリング」「ファネル」など別々のカタカナで説明される。
しかし構造だけ取り出せば、かなり昔から同じことが行われていた。
与沢翼は、別の意味でネットビジネスを大衆化した
そして2010年代前半、この世界をネットビジネスに興味のない一般層にまで可視化した人物の一人が与沢翼だった。
与沢翼は「秒速で1億円稼ぐ男」として広く知られるようになり、情報商材・ネットビジネスという世界そのものがテレビや雑誌などマスメディアへ露出した。
『闇金ウシジマくん』の「フリーエージェントくん」編についても、東洋経済の作者インタビューでは、登場人物が与沢翼をモデルとして描かれたことが紹介されている。
一方、当時の出版社プロフィールには、Free Agent Style Holdingsを率い、ネットビジネスへ参入した経歴などが掲載されている。
和佐大輔・木坂健宣と与沢翼を完全に同じものとして語るのは雑である。
ただ、大きく見れば、
個人がインターネットを使って見込み客を集め、自分自身の知識・情報・ブランドを直接販売する
という市場が急速に拡大した時代の登場人物だった。
ダイレクト出版は、なぜ今でも残っているのか
ここで興味深い存在がダイレクト出版である。
ネットビジネスブームの盛衰とは別に、ダイレクト出版は2006年設立の会社として現在も事業を続けている。公式ページでは、ダン・ケネディ、ジェイ・エイブラハムを含むマーケティング、経営、広告、セールス関連商品を現在も扱っている。
さらに現在の同社は、単なる「海外マーケティング教材販売」にとどまらず、書籍、課金メディア、オンライン講座、広告、YouTubeなどを組み合わせた事業モデルを説明している。
ここには重要な示唆がある。
時代ごとの「売り方」は変わる。
しかし、
知識を発見する
→
コンテンツ化する
→
見込み客を獲得する
→
直接関係を持つ
→
複数商品へ展開する
→
継続的に顧客価値を回収する
という構造そのものは残る。
だから媒体が変わっても生き残れる。
メルマガからLINEへ――Lステップは何を変えたのか
さらに面白いのがLステップである。
昔のネットビジネスでは、
「メールアドレスを集める」
ことが非常に重要だった。
ところが日本ではLINEが巨大な生活インフラになった。
そこで、
メールリスト中心のCRMをLINE上へ移す
市場が生まれた。
Lステップは現在、自らをLINE公式アカウントと連携するCRM/マーケティングオートメーションのプラットフォームと位置づけ、シナリオ配信、セグメント配信、顧客管理、行動スコアリング、流入経路分析などを提供している。
公式サイトによれば、2026年3月時点で累計導入社数は4万6000件を超えている。
面白いのはここだ。
2007年頃なら、
「メルマガ読者を集めて、ステップメールを送り、反応した人へ商品を販売する」
だった。
2026年なら、
「LINEで流入経路を取得し、属性を蓄積し、行動をスコアリングし、セグメント別に自動配信する」
になる。
技術的にはかなり進化した。
しかし抽象化すると、
Attention
↓
Identification
↓
Relationship
↓
Segmentation
↓
Education
↓
Offer
↓
Conversion
↓
Retention
という骨格は驚くほど変わっていない。
では、昔のネットビジネスで「消えたもの」は何だったのか
ここを区別しないといけない。
残ったものと、消えたものは違う。
残ったのは、
顧客リストを持つこと。
直接反応を測ること。
見込み客を分類すること。
コピーで価値を伝えること。
オファーを設計すること。
LTVを見ること。
一回売って終わりにしないこと。
こうした構造である。
一方で弱くなったのは、
「情報を持っているだけで高く売れる」
「長いセールスレターを書けば売れる」
「メールアドレスを大量に集めれば売れる」
「煽れば売れる」
「ローンチすれば売れる」
「検索順位さえ取れば安定して客が来る」
といった、特定時代の市場環境へ依存した方法だ。
ここを混同してはいけない。
AIは、ネットビジネスをさらに一段階壊す
そして2026年。
ChatGPTをはじめとする生成AIによって、情報の生産コストは劇的に下がった。
これはネットビジネスにとってかなり大きい。
昔なら、
「知っている」
だけでも価値になった。
次に、
「分かりやすくまとめられる」
ことが価値になった。
しかしAIは、情報収集も要約も文章作成もかなりの部分を代替する。
すると、
情報そのものの希少性
はさらに下がる。
「○○する方法10選」を販売するだけのモデルは、ますます厳しくなる。
では何が残るのか。
おそらく重要になるのは、
何を見るか
何を信じるか
どの選択肢を捨てるか
誰に何を勧めるか
実際の結果まで責任を負えるか
独自データや顧客関係を持っているか
という一段上の部分である。
これは昔のネットビジネスを全否定する話ではない。
むしろ逆だ。
情報自体がコモディティ化するほど、
顧客との直接関係を持つ
というDRMの古い原則は、相対的に重要になる可能性がある。
SEOが弱くなっても「顧客との関係」は残る
ここは、今サイトやメディアを運営している人ほど重要だ。
Google検索で1位になる。
SNSでバズる。
YouTubeで再生される。
ChatGPTに引用される。
これらはすべて重要である。
しかし、全部「他人の土地」である。
アルゴリズムが変われば流入も変わる。
プラットフォームが衰退すれば資産価値も変わる。
昔のDRMが「リスト」を重視した理由を2026年的に翻訳すれば、
一度獲得したAttentionを、次回もう一度ゼロから買い直さなくていい状態を作る
ことにある。
メールでもいい。
LINEでもいい。
会員制サービスでもいい。
コミュニティでもいい。
アプリでもいい。
媒体は二次的である。
重要なのは、
一回限りのTrafficを、継続可能なRelationshipへ変換できるか
である。
プロダクトローンチも、コピーライティングも「魔法」ではなかった
プロダクトローンチも同じだ。
ローンチをすれば何でも売れるわけではない。
コピーライティングも同じ。
文章を上手くすれば需要のない商品まで永久に売れるわけではない。
Lステップも同じだ。
精巧なシナリオを作れば需要そのものが生まれるわけではない。
これは非常に重要な区別である。
マーケティングツールは、
存在する需要を発見し、そこまでの距離を縮め、回収効率を高める
ことには非常に強い。
しかし、
存在しない需要を無限に生成する魔法
ではない。
この区別を失うと、マーケティングはすぐに「売り方のテクニック集」になってしまう。
20年前から変わっていないセンターピン
和佐大輔。
木坂健宣。
与沢翼。
ダン・ケネディ。
ジェイ・エイブラハム。
ジェフ・ウォーカー。
ダイレクト出版。
Lステップ。
時代も立場も手法も違う。
それでも、一連の歴史を通して見ると中心に一つの流れがある。
市場から人を見つける。
↓
一度接触した人との関係を保存する。
↓
その人が何を求めているのかを知る。
↓
適切な情報を渡す。
↓
価値のある商品を提示する。
↓
反応を測る。
↓
関係を継続する。
これである。
テクノロジーは、
ホームページからブログへ、
ブログからSNSへ、
メールからLINEへ、
手動配信からマーケティングオートメーションへ、
人間による文章作成から生成AIへ、
猛烈に変化した。
しかし、
顧客が存在し、顧客が選び、企業がその選択を獲得しなければ売上にならない
という構造は変わっていない。
そして2026年、次に消えるのは何か
ネットビジネス史から学べる最大のことは、
「昔の成功者を真似しよう」
ではない。
むしろ、
成功者の成功のうち、どこまでが構造で、どこまでが時代ボーナスだったのかを分解すること
である。
検索エンジンの成長。
広告単価。
メール開封率。
新しいSNS。
情報格差。
競合の少なさ。
プロダクトローンチの新奇性。
LINEの普及。
こうしたものには、いずれ飽和が来る。
一方、
需要を探す。
顧客との距離を縮める。
関係を蓄積する。
顧客ごとに適切な商品を提示する。
新規獲得費を回収する。
リピートを作る。
という経済構造は簡単には消えない。
だから2026年に学ぶべきなのは、
「和佐大輔のやり方」
でも、
「与沢翼のやり方」
でも、
「ダン・ケネディのやり方」
でも、
「Lステップの使い方」
だけでもない。
なぜその方法が、その時代、その市場、その顧客に対して機能したのか。
そこまで分解して初めて、過去の成功事例は未来でも使える知識になる。
そしてAI時代には、この区別がこれまで以上に重要になる。
情報はコピーできる。
文章もコピーできる。
ノウハウも瞬時に模倣できる。
しかし、
どの市場へ入り、どの需要を掘り、誰との関係を蓄積し、そこから何を学び、次にどこへ資源を配分するか。
そこまでは、単なる情報コピーでは手に入らない。
ネットビジネスの20年を振り返って最後に残るのは、意外にも派手なテクニックではない。
需要と顧客を直接つかむこと。
おそらく、それが最も古く、そして最も新しいマーケティングなのである。
===
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。



