行政法の当てはめ実演

1. 訴訟要件(行訴法)のドッキングパターン
①「処分性」(行訴法3条2項)× 個別法の効果
処分性を基礎づける最大の武器は、判例の「直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定する(法的効果)」というパーツです。個別法の「文言」から、この法的効果を無理やり引っ張り出します。
  • 引き込む個別法のサイン:
    個別法に「〜の効力を失う」「〜でなければ〜してはならない(禁止の解除)」「〜の義務を負う」といった記載があるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件通知が、行訴法3条2項の『処分』に当たるか。
    判例によれば、処分とは、公権力の行使のうち、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいう。
    個別法〇条〇項を見ると、『本件通知を受けた者は、速やかに操業を停止しなければならない』と規定されている。これは単なる行政の希望や指導ではなく、通知によって『国民に対して新たに操業停止という法的義務をダイレクトに課すもの』にほかならない。
    したがって、直接国民の権利義務を制限する法的効果が認められるため、本件通知は行訴法3条2項の『処分』に当たる。」

 

【第3条2項】処分性(訴訟要件)
    • 正確な文言: 「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」
  • 論文用パーツ(判例の定義):

    「公権力の主体たる行政庁の行為のうち、その行為により直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているもの」

  • 脳内ストック・覚え方: 「公権力性 + 直接的・法的な権利義務の変動!」
    • チェックポイント: 単なる内規や、事実上の勧告(行手法の行政指導など)は原則として弾かれます。

 

 

②「差止訴訟の補充性」(行訴法37条の4第1項)× 個別法の救済ルート
差止訴訟の要件である「他に適当な方法がない(補充性)」は、受験生が最もあてはめを雑に済ませがちな部分です。ここを個別法を引いて丁寧に論じると頭一つ抜けます。
  • 引き込む個別法のサイン:
    処分が出た「後」に使える手続(審査請求や、出た後の取消訴訟など)しかない、あるいは事前に止める手続が個別法に用意されていないとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「Xは本件処分の差止めを求めているが、行訴法37条の4第1項の『他に適当な方法がない』といえるか。
    同要件は、事後的な救済手続では実効的な救済が図れない場合に満たされる。
    本問において、個別法上、事前に処分の発出を阻止する独自の不服申立手続は存在しない。また、処分が一度下されてしまえば、Xの営業秘密がすべて公表されてしまい、『事後的に取消訴訟(行訴法3条2項)を提起して勝訴したとしても、失われた秘密は戻らず、事後的救済では全く実効性がない』。
    したがって、損害を避けるために事後手続では代替できず、『他に適当な方法がない』といえる。」

【第37条の4】差止訴訟(訴訟要件)
  • 正確な文言: 「行政庁が一定の処分…をすべきでないにかかわらずこれがされることにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつ、その損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り、提起することができる。」
  • 脳内ストック・覚え方: 非申請型義務付けと同じく、「重大損害、他になし」。

2. 本案の違法事由(行訴法30条:裁量)のドッキングパターン
行政法論文の「本丸」である裁量審査です。個別法の文言から「行政庁にどれだけのフリーハンド(裁量)があるか」を見極め、それを判例の枠組みに繋ぎます。
③「裁量の有無・幅」× 個別法の「要件の抽象性」
  • 引き込む個別法のサイン:
    個別法の要件欄に「公益上必要があると認めるとき」「相当と認めるとき」「著しく〜おそれがあるとき」などの抽象的な言葉(多義的文言)があるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件処分に裁量の逸脱・濫用(行訴法30条)があるか。
    個別法〇条は、処分の要件として『公益上必要があると認めるとき』と規定している。この『公益』の内容は多義的であり、専門的・技術的な見地からの総合的な政策判断を必要とする。
    したがって、同条は行政庁に『要件判定および効果選択の双方において、広い裁量権を認めたもの』と解される。
    もっとも、その判断において、『考慮すべきでない事実を考慮し、又は考慮すべき事実を考慮しなかった(他事考慮・考慮尽くし不備)』場合には、裁量権の逸脱・濫用として違法となる。」
    (※この後、問題文の具体的な事実を「不当に重視した事実」「無視した事実」に分けて綺麗に仕分けます)

 

【第30条】裁量処分の取消し(本案の違法事由)
  • 正確な文言: 行政庁の裁量に属する処分であっても、「その逸脱があり、又は濫用がある場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」
  • 論文用パーツ: 判例の審査枠組み(事実誤認、目的違反、不当考慮、比例原則・平等原則違反)へ繋ぐ架け橋となる最重要条文です。
  • 脳内ストック・覚え方: 「裁量でも、ハミ出す(逸脱)か、悪ノリ(濫用)したらアウト!」

 

④「比例原則違反(裁量の濫用)」× 個別法の「処分のメニュー(グラデーション)」
行政が科したペナルティが「重すぎる(通称:おにぎり一個で死刑判決)」という違法を突くパターンです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    個別法に、軽いペナルティから重いペナルティまで複数の段階(メニュー)が用意されているとき(例:1号「戒告」、2号「3ヶ月以内の業務停止」、3号「免許取消」など)。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件の『免許取消処分』は、裁量権の範囲を逸脱・濫用(行訴法30条)した比例原則違反として違法とならないか。
    個別法〇条〇項は、違反行為に対する制裁として、『1号:戒告、2号:業務停止、3号:免許取消』と、軽重に合わせた段階的なメニューを設けている。これは、違反の程度に応じた合理的な処分を選択せよという趣旨である。
    本案において、Xの違反行為は初犯であり、かつ過失による軽微なものである。それにもかかわらず、行政庁は最も重い『3号の免許取消』をいきなり選択している。これは、違反の程度に比して過剰に不利益な処分であり、平穏を欠き、社会的通念に照らして著しく妥当性を欠く。
    したがって、選択の合理性を欠き、比例原則に反するため、裁量権の濫用(行訴法30条)として違法である。」


3. 手続の瑕疵(行手法)のドッキングパターン
⑤「理由の提示の瑕疵」(行手法14条1項)× 個別法の「処分基準(12条1項)」
行手法14条の理由提示が適法かどうかは、行政が勝手に内部で作っている「処分基準(行手法12条)」とドッキングさせて論じるのが判例(特定一般旅客自動車運送事業事件など)の確立した手法です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    問題文の事実や添付資料に「〇〇庁が定めた処分基準」が載っており、実際の通知書にはその基準のどこに該当したのかが詳しく書かれていないとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件処分において、行手法14条1項の『理由の提示』を満たしているか。
    同条の趣旨は、行政庁の判断の慎重・合理性を担保するとともに、相手方に不服申立ての便宜を与える点にある。したがって、処分の動機となった具体的「事実」と、それが個別法のどの「要件」に該当したのかが、通知書自体から客観的に分からなければならない。
    本問では、行政庁はあらかじめ行手法12条1項に基づき、『不利益処分基準』を策定・公表していた。このように基準が公表されている場合、相手方は『自分がその基準のどこに引っかかったのか』を知る強い期待がある。
    しかるに、本件通知書には単に『個別法〇条に違反するため』との根拠条文のみが記載され、処分基準のどの類型(例:ランクA〜Cのどれか)に該当したのかの事実が一切記載されていない。
    これでは、Xにおいて処分の妥当性を検証できず、不服の対象を特定できない。したがって、理由提示として不十分であり、行手法14条1項に違反し、本件処分は違法である。」


【第12条1項】処分基準の策定・公表
  • 正確な文言: 「行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公表するよう努めなければならない。」
  • 脳内ストック・覚え方:「ペナルティの物差しは、悪用防止のために努力義務(義務ではない)!」
【第13条1項】意見陳述手続の振り分け
  • 正確な文言(要約): 不利益処分をするときは、意見陳述のための手続として、「聴聞」または「弁明の機会の付与」のいずれかを執らなければならない。
  • 論文用パーツ(振り分け基準):
    • 1号(聴聞):許認可の取消し、資格・地位の剥奪、役員の解任命令など(重いペナルティ)。
    • 2号(弁明):上記以外のもの(戒告、軽微な業務停止など)。
  • 脳内ストック・覚え方:「奪う・消すなら聴聞(ガチ面談)、それ以外なら弁明(ペーパー提出可)」
【第14条1項】理由の提示
  • 正確な文言: 「不利益処分をする場合には、その相手方に対し、処分の時期と同時に、その理由を示さなければならない。」
  • 脳内ストック・覚え方: 申請拒否(8条)と同じく「処分と同時にセットで提示」。論文では、理由が抽象的すぎる不利益処分(例:「著しく公益を害するため」とだけ書かれた書面)を「14条1項違反で違法」と切り落とします。

⑥【違法性の承継】個別法の「独立した2つの処分」× 行訴法3条2項
直接文句を言いたい処分(例:大元の計画)の出訴期間(行訴法14条)が切れている場合に、後発の処分(例:収用処分)を争う中で前発の処分の違法性を主張できるかという、受験生が最も恐れるテーマです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    時系列で「処分A(計画や認定)」が先にあり、数ヶ月〜数年後に「処分B(強制執行や収用)」が下されているが、処分Aの出訴期間が既に過ぎているとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「Xは、後発の処分Bの取消訴訟において、既に不服期間を経過した前発の処分Aの違法性を主張(違法性の承継)できるか。
    本来、処分ごとに独立して取消訴訟(行訴法3条2項)を提起すべきであり、期間制限(同法14条1項)の趣旨から違法性の承継は原則として認められない。
    しかし、①先行処分Aと後行処分Bが『一連の手続として連続して行われ、同一の法律上の効果(例:土地の強制収用)を完成させる関係』にあり、かつ、②先行処分Aの段階では『住民がその違法性を予期して争うための手続的保障(個別通知や閲覧機会など)が個別法〇条において不十分であった』といえる場合、例外的に違法性の承継が認められる。
    本問の個別法〇条を見ると、処分Aは単に官報に公告されるのみで、Xへの個別通知の規定がない。これではXに処分Aを期間内に争うことを期待できず、手続的保障を欠く。したがって、違法性の承継が認められ、Xは処分Bの訴訟で処分Aの違法を主張できる。」

【第14条1項】出訴期間(訴訟要件)
  • 正確な文言: 「処分…があったことを知った日から6か月を経過したときは、提起することができない。(後段:あった日から1年)」
  • 脳内ストック・覚え方:「知って6月、あって1年(主観6月、客観1年)」

 

⑦【判断代置の禁止(裁量審査の限界)】個別法の「専門技術性」× 行訴法30条
裁判官が「行政の代わりに自分が結論を出すのはNG」とされる限界のラインを、個別法の委員会組織の構造から論証するパターンです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    処分の主体が「環境審議会」「原子力規制委員会」「文化財保護審議会」など、専門家が集まる第三者機関の意見を聴いて判断する仕組みになっているとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「裁判所による裁量審査(行訴法30条)の密度はどうあるべきか。
    本件処分は、個別法〇条に基づき『高度な専門技術的知見を有する専門家からなる〇〇審議会の学術的判断』を経て下されている。このような高度な専門性を有する分野においては、裁判所は自ら独自の結論を導き出して行政の判断に置き換えるべきではなく(判断代置の禁止)、行政庁の判断の『プロセス』に合理性があるか否かを審査すべきである。
    具体的には、個別法〇条が要求する『調査に看過しがたい過誤・欠落(考慮尽くし不備)』があるか、あるいは『専門知識に基づく判断の過程に、現在の科学水準に照らして著しく合理性を欠く点(論理の飛躍)』があるかという観点から審査を行う。」

 

【第30条】裁量処分の取消し(本案の違法事由)
  • 正確な文言: 行政庁の裁量に属する処分であっても、「その逸脱があり、又は濫用がある場合に限り、裁判所は、その処分を取り消すことができる。」
  • 論文用パーツ: 判例の審査枠組み(事実誤認、目的違反、不当考慮、比例原則・平等原則違反)へ繋ぐ架け橋となる最重要条文です。
  • 脳内ストック・覚え方: 「裁量でも、ハミ出す(逸脱)か、悪ノリ(濫用)したらアウト!」

 

⑧【変更命令・指導の適法性】個別法の「公益適合要件」× 行手法32条1項(行政指導)
行政が「命令」ではなく「指導(お願い)」という形で事業者を縛ろうとした際、その限界を突くパターンです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    行政が「〜を遵守するように」と指導しているが、個別法上はそれに従わなかった場合のペナルティ(罰則)が直接規定されていないとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件における行政指導は、行手法32条1項の『不当な強要の禁止』に違反し、違法なものとならないか。
    行手法32条1項は、行政指導が『相手方の任意の協力』を前提とすることを定めている。
    個別法〇条を見ると、行政庁に認められているのは『勧告』にとどまり、強制力のある『命令』の権限は付与されていない。それにもかかわらず、本件行政庁はXが指導に応じない場合、『個別法とは全く無関係な、別ルートの補助金支給を打ち切る旨を示唆』している。
    これは、相手方が任意の協力を行うか否かの選択の自由を事実上剥奪し、不当に不利益な取扱いを背景に指導への服従を強いるものである。したがって、行手法32条1項の趣旨に反する違法な行政指導である。」


5. 給付行政・秩序維持(実体法)のドッキングパターン
⑨【拒否処分の違法(裁量の収縮)】個別法の「給付要件」× 行訴法37条の3(申請型義務付け)
通常は行政にお金を出すかどうかの広い裁量があるものの、状況の深刻さゆえに「出さないのは一発で違法(裁量権がゼロに収縮する)」と追い込むパターンです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    個別法(福祉や生活保護、災害救助関連法など)に「〜の困窮度、必要性の程度を考慮し、国は必要な給付を行うことができる」とあるが、問題文で原告が餓死寸前や倒壊寸前の状況にあるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「行政庁がXの申請を却下した拒否処分は、裁量権を逸脱・濫用(行訴法30条)したものとして、申請型義務付け訴訟(行訴法37条の3)の本案勝訴要件を満たすか。
    個別法〇条は『給付を行うことができる』と規定し、行政庁に裁量を認めている。しかし、個別法がこの給付制度を設けた趣旨は、最低限度の生活維持や国民の生命安全の確保にある。
    本案において、Xは『生活困窮により明日の食費にも事欠き、放置すれば生命に重大な危機が及ぶ具体的かつ差し迫った状況』にあった。このように、侵害される利益が生命・健康という究極の利益であり、かつ危険が目前に迫っている場合、行政庁の選択の幅は狭まり、『給付を行わないという選択肢は社会通念上、著しく合理性を欠く(裁量権のゼロへの収縮)』。
    したがって、却下処分は裁量権の濫用(行訴法30条)として違法であり、義務付け請求は認められる。」

【第37条の3】申請型義務付け(訴訟要件)
  • 正確な文言: 許可などを申請したのに、「相当の期間内に一定の処分がされないとき(不作為)」、または「却下・棄却する旨の処分がされたとき(拒否処分)」で、「法令に基づく申請…をした者」に限り提起できる。
  • 脳内ストック・覚え方: 「申請したのに無視(不作為)か、門前払い(拒否)!」 ※これには「重大な損害」の要件は不要です。
⑩【公権力の不行使(国家賠償法1条1項への接続)】個別法の「規制権限」× 国賠法1条1項
行政法論文の第2問(あるいは設問の後半)で定番の、「行政が怠ったせいで被害が出たからお金を請求する」という国家賠償のドッキングです。行訴法ではなく国賠法ですが、個別法の読み解き方は完全に共通しています。
  • 引き込む個別法のサイン:
    個別法(建築基準法、消防法、労働安全衛生法など)に「行政庁は、違反があるときは、是正命令を発することができる」という、国民を守るための規制権限が書かれているとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「行政庁が規制権限を行使しなかったこと(不行使)は、国賠法1条1項の『違法』に当たるか。
    個別法〇条は、行政庁に違反業者への『是正命令権限』を付与している。この権限は、単に社会全体の秩序維持だけでなく、それによって『個々の国民の生命・身体の安全を直接保護する趣旨』も含んでいると解される。
    そして、行政庁において、『違反行為によって周辺住民に具体的かつ重大な危害が及ぶ予見可能性』があり、かつ『権限を行使すればその被害を確実に回避できた(結果回避可能性)』にもかかわらず、長期間にわたって権限を放置(不行使)した。
    このような不行使は、個別法の付与した目的・合理性を著しく逸脱するものであり、許容される限度を越えて違法(国賠法1条1項)となる。」


⑪【処分基準の拘束力】個別法の「処分基準」× 行訴法30条
行政が自ら定めた「処分基準(行手法12条)」に違反して重い処分を下した場合、または基準を機械的に適用して個別事情を無視した場合の、裁量濫用の突っ込み方です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    問題文に「不利益処分基準」が添付されており、行政の処分がその基準の枠内に収まっている(または外れている)が、Xに同情すべき特殊事情があるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「行政庁が自ら定めた処分基準に依拠して下した本件処分は、裁量権の逸脱・濫用(行訴法30条)となるか。
    処分基準は行政規則(内規)であり、法規ではないため、裁判所を直接拘束しない。しかし、基準が公表され、反復継続して適用されている場合、住民に『同様の事案には同様の基準が適用される』という平等原則(憲法14条1項)上の信頼が生じる。したがって、正当な理由なく基準に反する処分をすることは、平等原則・信頼保護原則に反し、裁量権の濫用として違法となる。
    反対に、本件のように『基準の枠内であっても、Xの違反行為が極めて不可抗力に近いという特段の事情』があるにもかかわらず、行政庁が個別事情を一切考慮せず、基準を機械的に当てはめて重い処分を下した場合は、『個別的考察義務の懈怠(他事考慮・考慮尽くし不備)』として、やはり裁量権の濫用(行訴法30条)となる。」

⑫【聴聞手続の瑕疵】行手法第15条〜17条(手続要件)× 個別法のペナルティ
重い不利益処分を下す前に行われる「聴聞(行手法13条1項1号)」において、行政が手続をサボった場合の違法主張です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    行政がXに言い訳(弁明)や証拠提出のチャンスを十分に与えなかった、あるいは関係書類を見せなかった(閲覧拒否)という事実があるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件処分には、行手法が定める『聴聞手続』の瑕疵による違法があるか。
    行手法18条1項は、不利益処分の相手方に対し、『処分に係る事案の記録の閲覧請求権』を保障している。これは、相手方が十分な防御(反論)を準備するために不可欠な手続的権利である。
    本問において、行政庁は『業務多忙』を理由にXの閲覧請求を拒絶しているが、これは同条の定める『第三者の利益を害するおそれ』等の正当な拒絶理由に該当しない。このように、『重要な手続的保障を欠いたままなされた不利益処分』は、手続の重大な瑕疵として、本案においてそれ自体が独立した違法事由(取消事由)となる。」


7. 「第三者の地位・利害関係」ドッキングパターン
⑬【訴訟参加・意見聴取】行訴法第22条(第三者の訴訟参加)× 個別法の保護利益
周辺住民(第三者)が起こした裁判によって、自分がもらった許可(例:開発許可)が取り消されそうになっているとき、利害関係人としてどう対抗するかという視点です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    設問の視点が「処分を受けた事業者(許可をもらった人)」側になり、「住民が起こした取消訴訟に自分も関与したい」と主張するとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件許可の受給者である事業者Yは、住民Xが提起した取消訴訟にどのように関与すべきか。
    行訴法22条1項は、『訴訟の結果により権利を害される第三者』がある場合、裁判所は当事者若しくは第三者の申立てにより、決定をもって、この第三者を訴訟に参加させることができると規定する。
    本問において、もし住民Xの請求が認められて許可取消判決が確定すれば、判決の第三者効(行訴法32条1項)により、Yの有する個別法上の『開発権限』という法的な権利が直接消滅する。したがって、Yは『訴訟の結果により直接自己の権利を害される第三者』に該当するため、同法22条1項に基づき訴訟参加を申し立てるべきである。」

⑭【第三者効・執行停止の原告】行訴法第32条1項 × 個別法の「競業者(ライバル)」
「ライバル会社にだけ都合のいい許可が出たせいで、自分の取り分(利益)が減る」という、競業者訴訟における原告適格・救済のパターンです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    個別法(タクシー業法、公衆浴場法など)に「需給のバランスを考慮して許可を出す」といった、市場の過当競争を防ぐ規定(需給調整条項)があるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「既存の業者であるXは、ライバル会社Yに対する営業許可の取消しを求める原告適格(行訴法9条1項)を有するか。
    個別法〇条を見ると、許可の基準として『地域の需要に対して、供給が過剰にならないこと(需給調整条項)』を定めている。この規定の趣旨は、単に全体の経済秩序を維持するだけでなく、過当競争によって既存の業者の経営が不健全化し、ひいては住民へのサービスが低下することを防止する点にある。
    つまり、同条は『既存の業者であるXらの経営上の利益を、公益に吸収させることなく、個人の個別的利益としても保護している』と解される。したがって、ライバルYへの許可によってXの保護された営業利益が侵害されるため、Xに原告適格(9条1項)が認められる。」


8. 「実体法・特殊な責任と救済」ドッキングパターン
⑮【公の施設・利用拒否】地方自治法第244条 × 個別法の「利用規約」
行政法第2問や総合問題で頻出する、市民会館や公園の利用を「思想信条」などを理由に拒否された場合の違法審査です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    自治体が「条例」や「利用規約」を根拠に、「特定の団体(政治団体など)の集会は、混乱が起きるおそれがあるから貸し出さない」と拒否したとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「本件会館の利用拒否処分は、地方自治法244条2項の『正当な理由』なき拒否として違法とならないか。
    同条の趣旨、および憲法21条(集会の自由)に鑑みれば、公の施設の利用拒否が許される『正当な理由』とは、単にトラブルの『おそれ』があるだけでは足りず、『利用を認めることで、他の集会や市民の安全に、具体的かつ明白な危険(差し迫った危険)が発生すると客観的に認められる場合』に限られる。
    本問において、自治体は条例〇条の『秩序を乱すおそれ』を根拠とするが、過去の同種の集会において大規模な暴動は起きておらず、反対派の街宣車が来るという事実のみでは『明白な危険』には至らない。したがって、条例の文言を拡張して拒否することは『地方自治法244条2項の正当な理由を欠き、かつ裁量権の範囲を逸脱・濫用(行訴法30条)したもの』として違法である。」

⑯【公法上の契約】個別法の「協定」× 行政指導の限界
行政と企業が結ぶ「環境保護協定」や「開発協定」を、途中で行政側が一方的に破ったり、あるいは協定を盾に無理な行政指導を続けてきた場合の処理です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    問題文の契約書や資料に「〇〇市とX社との間の開発安全協定」などが登場し、「これに違反した場合は許可を出さない」といった特約があるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「行政庁が、Xが『開発協定』に基づく市への寄付金支払いに応じないことを理由に、個別法上の建築確認を留保(ストップ)した行為は適法か。
    協定は『公法上の契約』であり、原則として当事者を拘束する。しかし、個別法〇条に基づく建築確認は、要件を満たしていれば機械的に発出されるべき『羈束(きそく)行為(行政に自由がない行為)』である。
    協定不履行という別個の理由を盾に、個別法上の義務である建築確認を長期間留保して協定の履行を迫る行為は、実質的に『行政指導の不当な強要(行手法32条1項)』であり、個別法の趣旨を逸脱した他事考慮(行訴法30条)として違法である。」

⑰【公権力の行使(国賠法1条1項)の「対象」】個別法の「事実上の行為」× 国賠法
国家賠償法における「公権力の行使」は、行訴法の「処分(3条2項)」よりもはるかに広いという意味のドッキングです。
  • 引き込む個別法のサイン:
    国賠法でお金を請求する前提として、原因となった行政の行為が「裁判で争えないような、単なる事実上の作業やパトロール、指導」であるとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「行政庁の職員が行った本件『パトロールおよび口頭の警告』は、国賠法1条1項の『公権力の行使』に当たるか。
    行訴法3条2項の『処分』とは異なり、国賠法1条1項の『公権力の行使』には、法的効果を伴わない『純粋な事実行為(公立学校の授業、警察のパトロール、事実上の収容など)』も広く含まれると解される(広義の公権力行使説)。
    本問のパトロールは、個別法〇条に基づく適正化措置の一環として行われたものであり、私人が行えない優越的地位に基づくものである。したがって、法的効果はなくとも『個別法上の権限行使に密接に関連する事実行為』として『公権力の行使』に該当し、その過失による損害は国賠法の対象となる。」

⑱【理由提示の違法の「治癒」】行手法14条1項 ↔ 訴訟(行訴法)の段階
行政が最初の通知書(行手法14条)で理由を書き忘れたのに、裁判(行訴法)になってから「実はこういう理由でした」と言い訳(理由の差し替え・追加)をしてきた場合のシャットアウト方法です。
  • 引き込む個別法のサイン:
    行政が、訴訟の答弁書において「処分時には書かなかったが、実は個別法〇条の基準に違反していた事実が後から判明した」と主張してきたとき。
  • 【実演あてはめテンプレート】

    「行政庁が訴訟において行った理由の追加(治癒)は認められるか。
    行手法14条1項が処分の『同時提示』を要求した趣旨は、行政庁の慎重な判断を担保し、あらかじめ相手方に不服申立ての対象をクリアにさせる点にある。
    処分時にまともな理由が示されなかった以上、その時点で『処分は手続の瑕疵により違法』として確定する。これを、事後の訴訟段階にいたってから理由を後付け(補完)することを認めれば、Xは事前の防御の機会を奪われ、同時提示を定めた行手法14条1項の趣旨を完全に没却することになる。
    したがって、理由提示の違法の『治癒』は原則として認められず、本件処分は手続違反を理由にそれ自体で取り消されるべきである。」

 


  1. 訴訟要件(①〜④、⑬、⑭):誰が、どの訴訟を、いつまでに起こせるか
  2. 実体法上の本案違法(③、④、⑥、⑦、⑨、⑩、⑪、⑮、⑰):裁量、個別法の目的、効果の限界
  3. 手続法上の本案違法(⑤、⑧、⑫、⑯、⑱):理由提示、基準の運用、指導の限界

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@西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。