2016年と2026年では、マーケティングの何が変わったのか
結論から言えば、この10年で起きた最大の変化は、
「情報を作れること」が希少だった時代から、「顧客との接点を所有できること」が希少な時代へ移った
ことです。
2016年のネットでは、SEOという一本の太い川が存在しました。
2026年は、
へ水路が分裂した。
しかも各プラットフォームは、できるだけ自分の中でユーザーを完結させようとします。
したがって問題は、
インターネット人口が減ったことではない。
むしろ逆です。
まず数字を見ると、ネット市場は猛烈に成長している
2016年の日本のインターネット広告費は1兆3,100億円で、広告費全体の20.8%でした。2025年には4兆459億円となり、日本の広告費の50.2%を占めています。ほぼ3倍です。
ECも同じです。
2016年の国内BtoC-EC市場は約15.1兆円、物販EC化率5.43%。2024年には26.1兆円、EC化率9.8%まで拡大しています。
アフィリエイト市場ですら、
2016年度:約2,007億円
2025年度:約4,598億円見込み
と市場規模そのものは2倍以上になっています。ところが2026年の矢野経済研究所は、まさに生成AI・検索環境変化によるSEOメディアへの流入減少を市場変化として挙げています。
ここが非常に重要です。
ネットビジネスが終わったわけではない。
ネットビジネスの「利益の落ちる場所」が変わった。
2016年は「インターネット開拓時代」の終盤だった
2016年を思い出すと、
アフィリエイト。
ブログ。
SEO。
コピーライティング。
情報商材。
メルマガ。
ネットショップ。
YouTuber。
Facebook広告。
スマホアプリ。
クラウドソーシング。
などが、「飽和」と言われながらも、元気がありました。
2016年時点でスマートフォン利用率は71.3%。ソーシャルメディアも急速に普及していましたが、現在ほどメディア接触は多極化していませんでした。
2015年はスマホ元年
と言われており、これまでパソコンを使ってネットアクセスしなかった層、特に女性が多くインターネット流入する流れの最中だった。
ある意味、「インターネット弱者」がネットに入ってきた。
タッチタイピングも怪しいような。
つまり、
まだネットへ人が移動している途中
だった。
人口移動の途中に店を出せばいい。
西部開拓時代に町ができるのと似ています。
需要そのものをゼロから作らなくても、
新しく流れ込んでくる人を捕まえれば成長できた。
(とはいえ、「インターネットそのものの最成長シーズン」は2006〜2016だった)
2026年は、ネットに人が「来る」のではなく、ネットの中で奪い合っている
現在は違います。
総務省の2026年公表調査では、
LINE 92.9%
YouTube 81.5%
Instagram 54.8%
X 44.7%
TikTok 36.7%
まで普及しています。インターネット利用時間は平日183.9分、休日192.9分で、リアルタイムテレビを上回っています。
つまり、
ネットへの人口移動は完全に終わった。
今や、
というネット内部のAttention争奪戦になっています。
これが2016年と2026年の第一の地殻変動です。
1. 「検索するインターネット」から「推薦されるインターネット」へ
2016年の中心行動は、
欲しい情報がある
↓
Googleで検索
↓
Webサイトへ行く
でした。
これは独立Webサイトにとって非常に都合がいい。
検索結果は他社のコンテンツへユーザーを送り出す装置だからです。
ところがその後、
YouTube推薦。
Twitter/Xタイムライン。
Instagram Explore/Reels。
TikTok For You。
など、
人間が検索する前にアルゴリズムがコンテンツを持ってくる
モデルが巨大化しました。
するとマーケティングも、
へ変わります。
「検索需要を刈り取る」だけでは、Attention全体の一部分しか取れなくなった。
いわゆるドパガキ量産もこれと関係します。
気がつけばエンドレスにレコメンド・コンテンツを見ている状態。
2. さらに2023〜2026年、第三の形態「答えそのもの」が登場した
そして生成AIです。
従来のGoogleなら、
「大学 辞めたい」
↓
10個のWebサイトを提示する。
AIなら、
「大学を辞めたい場合は、まず……」
と答えそのものを生成する。
Similarwebの2026年分析では、GoogleのAI Modeから外部サイトへのReferral率はクエリの1.6〜2.5%程度とされ、従来型Google検索の17〜19%よりかなり低いと推計されています。
つまりWebメディアから見ると、
だったものが、
となる。
情報提供者と消費者の間に「回答エンジン」が入った。
これは検索メディアにとって相当大きいです。
3. コンテンツ制作コストが暴落した
2016年、
5000文字の記事を書く。
画像を作る。
動画を編集する。
LPを書く。
SEO記事を100本作る。
これ自体が参入障壁でした。
2026年、
AIなら数分です。
つまり、
コンテンツ供給曲線が右へ猛烈にシフトした。
需要=人間の24時間はそれほど増えない。
供給=コンテンツは爆発する。
したがって、
コンテンツそのものの希少価値 ↓
Attentionの希少価値 ↑
となります。
これがAI時代のかなり根本的な経済法則です。
AIが誕生する前からネットのコンテンツは爆発していたのに、さらに加速してしまった。これは、
- 画像
- 映像
- 音楽
を問いません。文章だけではない。
4. だから「知識を知っている」の価値が暴落する
2016年なら、
SEOのやり方。
コピーライティング。
Facebook広告。
英語学習法。
マーケティング。
投資。
転職ノウハウ。
こうしたものを体系的に知っているだけでも商品になりました。
今はChatGPTへ聞けば、基礎~中級知識ならかなり出てきます。
したがって情報商品の価値は、
の下側ほど強くなる。
「何を知っているか」より、
「この人しか知らない」「この人だから判断できる」「自分の場合どうするか」
へ価値が移っています。
5. 一方で「人物」の価値はむしろ上昇した
ここが面白いところです。
AIによってコンテンツが大量生産できるようになるほど、
誰が言っているのか
が重要になります。
実際、米国のCreator広告費は2021年139億ドルから2024年295億ドルへ倍増し、2025年には370億ドルが見込まれています。
日本でもクリエイターエコノミーは2024年時点で約2.1兆円と推計され、2021年以降年平均約15.5%成長しています。
つまり、
情報メディアは苦しくなったが、Creator Economyは大きくなった。
矛盾ではありません。
価値が、
「Webページ」
から、
「人物・IP・コミュニティ・ファン」
へ移ったからです。
6. だから2016年型「匿名ブログ起業」の再現性が下がった
2016年には、
という起業ルートが現実的に存在しました。
今でも成功者はいます。しかし期待値は大きく低下しています。
なぜなら、
検索順位競争。
企業メディア。
Amazon・楽天。
SNS。
YouTube。
AI回答。
広告。
既存大手サイト。
との競争になったからです。
矢野経済研究所自身、2026年のアフィリエイト市場について「SEOメディアを中心とした集客環境の不安定化」を明示しています。
市場規模は大きい。
しかし、
個人ブロガーが取れる場所は狭くなった。
7. 起業そのものは、逆に異常に簡単になった
ここも重要な逆説です。
2016年より2026年の方が、
Web制作。
決済。
EC。
広告制作。
動画制作。
会計。
翻訳。
プログラミング。
デザイン。
顧客管理。
メール。
物流アウトソース。
のコストは圧倒的に低い。
一人でも会社っぽいものを作れる。
AIによって、
で相当な仕事ができます。
つまり、
起業の参入障壁は下がった。
成功の参入障壁は上がった。
これが2026年です。
誰でも始められるから、供給者も爆発した。
競争が激化した、と言えるでしょう。
文脈によりますが、「少子高齢化だし、売り手市場なため、働き方改革以降の入社世代にとっては、むしろ、サラリーマンが一番イージーゲーム、一番不労所得に近い」みたいなことになっているかもしれません。
現に、財閥系企業の本社で社員が平気で自殺していた2010年代前半と比べると、
会社を抜け出してやるんだ
という気概は若者から感じられません。
8. 2016年は「作れる人」が勝ち、2026年は「配れる人」が勝つ
かなり単純化すると、
2016年:
Production advantage
2026年:
Distribution advantage
です。
今は良い商品を作れる人が多すぎる。
良い記事。
良い動画。
良い講座。
良いEC商品。
良いアプリ。
が大量に存在する。
だから最も希少なのは、
客を持っていること。
メールリスト。
YouTube登録者。
Instagramフォロワー。
既存顧客。
コミュニティ。
店舗立地。
ブランド。
指名検索。
法人顧客関係。
これが資産になります。
9. ただし「SNSフォロワー」も本当の所有資産ではない。むしろメルマガリストの価値が上がる
ここでもう一段進みます。
YouTube10万人。
X10万人。
Instagram10万人。
これは強い。
しかしアルゴリズムが変わればリーチは落ちる。
BANもある。
広告単価も変わる。
つまり、
Platform Audienceは借地
です。
最終的には、
まで持ってきたい。
2016年のメルマガという技術は古く見えますが、
Owned Audienceという意味ではむしろ価値が上がっています。
10. コピーライティングの価値も相対的に変わった
2016年前後は、
コピー。
LP。
ステップメール。
オファー。
というDirect Response Marketingがかなり強力でした。
もちろん今でも効きます。
しかし、
「コピーが上手ければ売れる」
の上流に、
そもそも誰が読むのか
という問題が大きくなった。
昔:
今:
です。
つまりコピーライターのセンターピンも、
文章を書くことから、
Distribution + Offer + Trust
へ上がっています。
11. 広告も「誰でも安く顧客獲得できる魔法」ではなくなった
Facebook広告が伸び始めた頃などは、
プラットフォーム側が広告在庫を大量に持つ一方、広告主がまだ少ない。
だから新興企業でも安くAttentionを買えた。
成熟すると広告主が増える。
競争入札になる。
さらにプライバシー規制・トラッキング制限も強化されました。
したがって、
広告→LP→購入
だけの単純な裁定取引は難しくなる。
ブランド、CRM、LTVまで要求されます。
12. 「一発で客を取る」から「何度も接触して取る」へ
情報が不足していた時代、
初めて見るすごい情報。
↓
買う。
が起こりやすかった。
今のユーザーは情報に慣れています。
詐欺にも慣れた。
広告にも慣れた。
インフルエンサーにも慣れた。
情報商材にも慣れた。
AIにも聞ける。
したがって高単価になるほど、
になります。
だから顧客獲得より顧客熟成が重要になる。
13. 「PVの価値」が大幅に低下した
昔のWebメディアはPVを取れば、
広告。
アフィリエイト。
メルマガ。
リターゲティング。
で何とか換金できた。
しかし現在、
100万人の通行人
より、
1000人の高適合ウォッチャー
の方が価値を持つビジネスが増えています。
だから今後重要なのは、
ReachではなくDensity
です。
「何人に知られているか」ではなく、
「自分の商品を異常に高く評価する人が何人集まっているか」
です。
14. これはネットだけではなく、リアル都市にも起きている
お台場・汐留のオワコン現象は面白いです。
ネットのAttentionと都市の人流はかなり似ています。
1990年代~2000年代、
「お台場へ行くこと自体がコンテンツ」
だった。
しかし東京にはその後、
新宿。
渋谷。
丸の内。
六本木。
豊洲。
虎ノ門。
麻布台。
その他の再開発。
と新しい選択肢が増え続けます。
Attention Poolそのものは有限なので、
新しい目的地ができれば、旧来の目的地の相対的希少性が下がる。
実際、臨海副都心の来訪者は2015年の5,680万人に対し2024年は5,110万人。回復傾向ではありますが、ピークより約1割少ない。大江戸温泉物語、ヴィーナスフォート、大観覧車など象徴的な施設も終了しました。
ただし「お台場オワコン」で終わらせるのは正確ではありません。
施設終了には定期借地契約や再開発という事情もあり、現在は新しい集客装置への更新が進んでいます。
要するに、
Attention装置にも耐用年数がある。
これはWebサイトと全く同じです。
15.話題にならなくなった ZOZOはむしろ成長
「ZOZOが昔ほど話題にならない」。しかし事業としては全然死んでいません。
2026年3月期は、
売上高2,283億円
営業利益694億円
で、それぞれ前年比約7%増。2026年3月末の商品取扱高は6,660億円、年間購入者約1,317万人です。
つまり、
文化的Attentionのピークと、経済的価値のピークは一致しない。
これが非常に重要です。
ZOZOは、
へ移った。
つまり「話題性」を「顧客基盤」に変換できた。
これは成熟企業の勝ち筋です。
16. 逆に、Attentionだけ持っていた会社は危ない
一時的に、
テレビ。
SEO。
Twitter。
YouTube。
TikTok。
でバズる。
しかし顧客を資産化できない。
するとAttention移動と一緒に会社も沈みます。
したがってアテンション≠アセットです。アテンションエコノミーは成功は早いですが失墜も早い。
Attentionを、
ブランド。
顧客DB。
リピート。
サブスク。
コミュニティ。
IP。
商品群。
取引関係。
へ変換して初めて資産になります。
17. では「普通の人がネットで起業する機会」はどう変わったのか
ここが一番大きいでしょう。
2016年に期待値が高かったもの
SEOアフィリエイト。
ブログ。
情報商材。
コピーライティング。
ネットショップ。
広告アービトラージ。
Facebook広告。
YouTube新規参入。
スマホアプリ。
オンラインサロン初期。
つまり、
新しいチャネルへ早く入る
だけでも優位性がありました。
2026年に期待値が落ちたもの
普通のSEOメディア。
一般情報ブログ。
まとめサイト。
AIでも作れる情報教材。
一般的オンライン講座。
差別化のないD2C。
単純な広告→LP通販。
誰でもできるWeb制作。
誰でもできるコピー。
つまり、
情報・制作能力だけを売る仕事。
AIと過剰供給に挟まれます。
18. 逆に2026年に大きくなっている起業機会
私は大きく6種類だと思います。
① 人物/IP型
「この人だから見る」。
YouTuber、専門家、著者、Creator、コミュニティ。
② 超専門ニッチ
市場全体は小さいが、顧客単価が高い。
専門BtoB、特定業界、特殊問題。
③ AIレバレッジ型
昔10人必要だった業務を1〜2人でやる。
小規模SaaS、AIエージェント、業務自動化、専門サービス。
④ Outcome型
情報ではなく成果を売る。
コンサル、代行、BPO、採用、営業支援、実装。
⑤ Owned Audience型
メルマガ、会員、コミュニティ、リピート顧客を持つ。
⑥ Online × Offline型
ネットで集客してリアルで高単価サービスを提供する。
医療、美容、教育、不動産、旅行、イベント、専門サービスなど。
つまり起業機会がなくなったわけではない。
むしろ国内Creator Economyだけで2兆円を超えています。
ただし「ホームページを作れば市場へアクセスできる」という民主化の第一段階が終わった。
ただし、逆説的にワードプレス(独自ドメイン+サーバーレンタル)で自分の城を築く価値は高まっています。なぜなら、プラットフォーマーにBANされやすくなり、さらに規約改定のスピードが上がっているからです。
2016〜2022くらいまでおいしい思いをしていたYOUTUBERたちの阿鼻叫喚が最近はすごい。
インターネット不動産オーナーに転職する講座(1): 「NISAより儲かる投資」新しいキャリアと結婚しよう!
19. 10年間の地殻変動を一枚にするとこうなる
| 2016 | 2026 |
|---|---|
| ネットへ人口流入終盤・スマホブースト | ネット内でAttention争奪 |
| Search中心 | Search+Recommendation+AI |
| コンテンツ不足 | コンテンツ過剰 |
| 制作能力が希少 | Attentionが希少 |
| SEOがDistribution | Distribution自体が競争力 |
| Webサイトが入口 | Platformが入口 |
| 情報が商品 | 判断・人格・一次情報・成果が商品 |
| 匿名メディアでも強い | Creator/Brandが強い |
| PV重視 | 高適合Audience重視 |
| 初回CV重視 | LTV・CRM・再訪重視 |
| Organic獲得が比較的容易 | Organicが不安定 |
| 広告計測しやすい | Privacy/Platform依存増 |
| 起業参入障壁が高め | 起業自体は極端に容易 |
| 競争相手は人間 | 人間+企業+AI |
| Web記事を作る | 顧客接点を所有する |
地形が変わった以上、昔の地図を持って立ち尽くしても客は戻ってこない。
ここから必要なのは、2016年の成功モデルを復元することではなく、
2026年に希少になったもの――高適合顧客との直接的・長期的な関係――を中心に事業を作り直すこと
だと思います。
失敗できないはずのオトナ起業家が陥る、大量集客KGIの罠 ーSGT&BD consultingー
インターネット不動産オーナーに転職する講座(3): TDL、USJ、ジャングリア、ネトフリ、花火、tiktok、youtubeはすべて競合
===
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。



