【100兆円市場をめぐる駆け引き】アメリカの政治的思惑に振り回される日本、半導体産業。中国に対する政治的いじめに乗って、半導体サプライチェーン復活からの日本復興になるか。

自国を優先するアメリカが、サプライチェーンを再編しようとするなかで、対応を迫られる日本。政府はその流れに乗ることで、日本に半導体の製造を復活させるプロジェクトを進めています。 世界の潮流から取り残され、アメリカや台湾から10年遅れと指摘される日本。製造装置や素材の強みを活かせず、先端半導体を国内で製造することはできていません。 半導体政策を指揮する金指壽(かなざし・ひさし)課長は、かつての失敗を繰り返さないためには、アメリカとの協力関係がカギになると見ています。 1980年代、世界を席巻した日本の半導体。その凋落のきっかけの1つが、アメリカからの厳しい規制でした。「日本は半導体を不当に安く販売している」「市場は閉鎖的だ」として、日米半導体協定を締結。日本からの輸出や価格を、10年にわたって厳しく規制したのです。 当時、日本との交渉にあたったアラン・ウルフ氏は、半導体協定がアメリカの産業を守 (さらに…)