Anaplan、Pigment、Workday Adaptive Planning――大企業のCFOはExcelの「予算表」の先で何をやっているのか

Anaplan、Pigment、Workday Adaptive Planning――大企業のCFOはExcelの「予算表」の先で何をやっているのか

多くの会社員が「予算」と聞いて想像するのは、Excelです。

各部門にExcelファイルが配られる。

営業部が売上計画を書く。

人事部が採用人数を書く。

マーケティング部が広告予算を書く。

経理が全部回収する。

数字が合わない。

差し戻す。

またExcelが返ってくる。

「予算案_v7_最終版_修正2.xlsx」

みたいなファイルが出来上がる。

そして年度が始まった瞬間から、その予算は現実とズレ始めます。

ところが、その一段上には、

Anaplan

Pigment

Workday Adaptive Planning

などを使って、会社そのものを巨大な計算モデルとして扱う世界があります。

Anaplanは現在、自社をscenario planning and analysis platformと位置付け、財務だけでなく戦略・オペレーションを接続した計画を掲げています。PigmentもFinance、Sales、HR、Supply Chainを同一のplanning environmentで扱い、Workday Adaptive Planningもfinancial planningだけでなくworkforce planningやoperational planningを提供しています。

ここでやっていることは、単なる「高級なExcel」ではありません。

会社を因果関係のモデルに変える

ということです。


ERP、BI、FP&Aソフトは何が違うのか

この辺は、普通に会社員をやっていても意外と整理して教わりません。

たとえば、

SAP。

Oracle。

Workday。

Salesforce。

Tableau。

Power BI。

Anaplan。

Pigment。

似たような「企業向けソフト」に見えます。

しかし、役割が違います。

かなり乱暴に整理すると、

ERPは「何が起きたかを記録するシステム」

です。

売上が発生した。

請求した。

入金した。

商品を仕入れた。

給料を払った。

在庫が増えた。

つまり企業活動のtransactionを記録する。

一方、

BIは「何が起きたかを見るシステム」

です。

地域別売上。

商品別粗利。

営業担当別成績。

先月比。

前年差。

ダッシュボード。

ではAnaplanやPigmentなどのplanning softwareは何をするのか。

「これから何をするか」を計算する。

ここが違います。

ERP
↓
Actual
「何が起きたか」

BI
↓
Analysis
「何が起きているか」

FP&A / Planning
↓
Plan / Forecast / Scenario
「これから何が起きるか」
「では何をするか」

FP&AはFinancial Planning & Analysisの略で、予算、forecast、分析などを通じて経営意思決定を支援する機能を指します。SAPやWorkdayも現在この領域を、財務データだけでなくoperational dataまで結びつけるものとして説明しています。


予算を「数字」ではなく「ドライバー」で作る

ここからが面白い。

普通の予算は、

来年売上100億円。

営業利益10億円。

人件費20億円。

広告費5億円。

と数字を置きます。

しかし、数字そのものには因果関係がありません。

なぜ売上100億円なのか。

その100億円は、

営業人数が増えるからなのか。

客単価が上がるからなのか。

店舗が増えるからなのか。

広告費を増やすからなのか。

解約率が下がるからなのか。

何もわからない。

そこで、より高度なFP&Aでは、

Driver-Based Planning

をやります。

結果ではなく、

結果を発生させる変数

をモデル化する。

たとえばSaaS企業なら、仮に、

営業人数
×
一人当たり商談数
×
商談化率
×
受注率
×
平均契約単価
=
新規ARR

と置く。

さらに、

既存ARR
×
解約率
=
Churn ARR

なので、

期末ARR
=
期首ARR
+ 新規ARR
- Churn ARR
+ Expansion ARR

となる。

こうすると、

「来年ARRを30%伸ばそう」

という精神論から、

何を動かせば30%になるのか

へ話が変わります。

営業人数なのか。

受注率なのか。

単価なのか。

解約率なのか。

Upsellなのか。

ここまで分解して初めて、

経営目標が操作可能なモデルになります。


そして「営業を20人増やす」と入力すると、会社中の数字が動く

ここがExcelの単独予算表との大きな違いです。

仮に営業部門が、

「来年営業を100人から120人に増やしたい」

とする。

これは営業部だけの話ではありません。

20人採用する。

採用費が増える。

給与が増える。

社会保険料も増える。

PCが必要になる。

Salesforceのライセンスも20人分増える。

オフィス席数が足りなくなるかもしれない。

研修費が発生する。

しかし新人は初日から100%売れるわけではない。

Ramp-up期間がある。

したがって売上増加は数か月遅れて発生する。

ここまで全部つながっています。

つまり、

Headcount Plan

を一つ変更すると、

P/L、Cash Flow、Sales Capacity、採用計画、ITコスト

が同時に動く。

PigmentはFinanceとHRを結びつけたheadcount planningを扱っており、Workday Adaptive Planningもworkforce planningを財務・営業・HRなどと連携させる機能として提供しています。

これがConnected Planningです。


CFOが見たいのは「正しい予算」ではなく「変数を動かしたら何が起きるか」

たとえば経営会議で、

「米国景気が悪化した場合どうなる?」

という話が出たとします。

Excel中心の会社だと、

「ちょっと確認します」

となる。

各部署へ問い合わせる。

営業計画を修正。

人員計画を修正。

経費を修正。

財務モデルを更新。

数日後、

新しいExcelが出てくる。

しかし、その数日の間に、

「じゃあ景気後退がもっと深かった場合は?」

と言われる。

また作り直し。

これでは意思決定が遅い。

そこでscenario planningを使います。

Anaplanは、変数を変更した際に影響を受ける計画・forecastを更新し、異なるシナリオを比較する考え方を明示しています。Pigmentもassumptionを変更し、複数scenarioの結果を比較する仕組みをscenario planningとして説明しています。

例えば、

Base Case

売上成長率 +15%

採用 +100人

解約率 5%

ドル円145円

Downside Case

売上成長率 +3%

採用凍結

解約率 8%

ドル円130円

Severe Downside

売上 -10%

人員10%削減

解約率 12%

新規投資停止

みたいなシナリオを作る。

そして、

それぞれの場合、12か月後の現金残高がどうなるか。

EBITDAはいくらか。

何月にCovenantへ接触するか。

何人まで採用できるか。

を見る。

ここまで来ると、予算は単なる「目標表」ではなくなります。

会社を動かすシミュレーター

になります。


Annual BudgetよりRolling Forecastを見る会社

普通の会社では、

「2027年度予算」

を作る。

4月から翌年3月まで。

しかし、考えてみれば奇妙です。

2027年1月になっても、

2027年3月までしか予測していない。

年度末が近づくほど未来予測の射程が短くなる。

そこで、

Rolling Forecast

という考え方があります。

例えば常に、

向こう12か月

あるいは

向こう18か月

を予測する。

1月が終わったら、

過去の1月をActualに置き換え、

翌年1月を新しく追加する。

Actual | Actual | Actual | Forecast | Forecast | Forecast ...
                                → 常に未来12〜18か月

Workdayもrolling forecastについて、最新の財務・operational systemsとのデータ連携や継続的なforecast更新を機能として説明しています。

これをやると、

「予算を守ったか」

より、

「現在わかっている情報を使うと、この先どうなるか」

へ管理思想が変わります。

この違いは結構大きい。


BudgetとForecastは本来、別物

これも混同されがちです。

Budgetは、

こうしたい

です。

Forecastは、

このままだとこうなりそうだ

です。

例えば、

年間売上目標100億円。

これがBudget。

しかし上半期が終わり、

どう考えても90億円しか行かない。

ここで、

「目標は100億だからForecastも100億」

としてしまったら、

Forecastの意味がありません。

正しくは、

Budget    100億円
Forecast   90億円
Gap       -10億円

と出す。

そして初めて、

この10億円をどう埋めるのか

という経営議論ができます。

ところが日本企業では、

Forecastを下げると怒られる。

だから現場が数字を下げない。

期末直前に突然未達になる。

ということが起きる。

これはForecastingの問題というより、

Incentive Designの問題

です。

予測精度と業績責任を同じ数字に押し込むと、

人間は正確な予測ではなく、

自分に都合のいい予測を提出するようになります。


Anaplanなどが面白いのは「計画を会社横断で接続する」ところ

財務だけでモデルを作っても限界があります。

例えば売上forecastをFinanceが勝手に作っても、

Sales側のpipelineと接続していなければ意味がない。

そこで、

Sales Planning

Workforce Planning

Supply Chain Planning

Financial Planning

を接続する。

Anaplanは現在これをConnected Planningとして、financial、strategic、operational plansを接続するものと位置付けています。

例えば、

Salesforceに入っている商談pipeline。

営業forecast。

売上予測。

必要なCustomer Success人数。

人員計画。

給与。

OPEX。

EBITDA。

Cash Flow。

という具合です。

つまり会社の各部門が持っている数字が、

最終的に財務三表へ流れ込む。

ここまで行くと、

財務モデルが会社の縮尺模型

になります。


xP&Aという考え方

さらにFP&Aを財務部門の中だけで閉じず、

営業、

人事、

マーケティング、

Supply Chain、

Operations、

などへ広げていく考え方を、

xP&A(Extended Planning & Analysis)

と呼ぶことがあります。

Pigmentはこれをfinancial planningとoperational metricsを企業横断で接続するアプローチとして説明しており、WorkdayもxP&Aでscenario modeling、rolling forecastなどを扱っています。

この概念を知ると、

「財務部は数字を集計する部署」

という見方がかなり古く見えます。

より上位のFinanceは、

会社全体の意思決定モデルを管理する部署

になっていく。


だからFP&AがCEOに近くなる

経理とFP&Aは似ているようで、時間方向が逆です。

経理は、

過去を正確に閉じる。

FP&Aは、

未来を不正確でもいいからモデル化する。

もちろん実務では両者は密接につながります。

しかし要求される能力はかなり違う。

経理では、

「この数字は正しいか」

が重要。

FP&Aでは、

「この仮定が変わったら会社はどうなるか」

が重要です。

つまり、

正確性の世界から意思決定の世界へ移る。

ここまで行くとFinanceは、

帳簿をつけるバックオフィスではありません。

CEOが、

「ドイツへ進出したい」

「営業を200人増やしたい」

「価格を8%上げたい」

「この会社を買収したい」

「広告費を30億円増やしたい」

と言ったとき、

その意思決定を会社全体の数字に翻訳する

役割になります。


そしてAIが入る場所も「経理の自動化」だけではない

2026年現在、Pigmentはcontinuous forecasting、variance analysis、scenario planning、board reportingなどへのAI利用を掲げています。Workday Adaptive Planningもpredictive forecastやwhat-if scenarioをAI機能の対象として紹介しています。

ここでAIとの組み合わせが面白くなる。

従来なら、

CFO:

「売上が計画比8%下がった原因は?」

Analyst:

「調べます」

だった。

これが徐々に、

Varianceを検知する

原因候補を分解する

PriceなのかVolumeなのかMixなのかを見る。

どの地域・商品・顧客segmentが寄与しているかを見る。

その状態が続いた場合のforecastを更新する。

対応scenarioを比較する。

というところまで機械化されていく。

つまりAI時代のFinanceで重要なのは、

Excelを速く操作する能力以上に、

会社をどんなドライバー構造としてモデル化するか

になってきます。


実はこれは「経営」のかなり核心部分

AnaplanやPigmentを知らなくても会社員はできます。

しかし、これらのソフトウェアがなぜ存在するのかを理解すると、

経営者が何をしようとしているのかが見えてきます。

経営とは、

「売上を上げろ」

「経費を削減しろ」

と言うことではありません。

例えば、

価格 +5%
↓
受注率 -2pt
↓
新規顧客 -8%
↓
しかしARPU +5%
↓
粗利 +3%
↓
営業人員 -20人でも処理可能
↓
人件費減少
↓
EBITDA改善
↓
ただし翌年の顧客基盤縮小

という連鎖を読むことです。

一つの変数を動かすと、

会社の別の場所が動く。

だから、

経営とは多変数のシステムを操作する仕事

でもあります。

高度なPlanning Softwareは、それをExcelの外側で明示的にやろうとしている。


普通の会社員が見ているのは、自分のセルだけである

営業なら売上。

マーケターならCAC。

人事なら採用人数。

経理なら利益。

物流なら在庫。

それぞれ自分のKPIを見る。

しかしCFOやCEOが本当に欲しいのは、

それらをつないだ、

会社全体のモデル

です。

だから上に行くほど、

一つの数字に詳しいことより、

数字と数字の間にある因果関係

が重要になります。

営業を増やす。

採用費が増える。

固定費が増える。

売上は遅れて増える。

Cashは先に減る。

ARRは後から増える。

その途中で資金調達が必要になる。

その資金調達によって株式がDilutionする。

では、

「営業を100人増やす」

という一見単純な判断は、本当に株主価値を増やすのか。

そこまでつなげて初めて、

経営判断になります。

Anaplan、Pigment、Workday Adaptive Planningというソフトウェアそのものより重要なのは、

なぜこんなソフトウェアに企業がお金を払うのか

を考えることです。

理由は、

予算表を綺麗に作りたいからではありません。

企業という巨大なシステムについて、

「ここを動かしたら、次にどこが動くか」

を経営陣が見たいからです。

Excelの予算表の向こう側では、

そういうことが行われています。


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西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。