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近江商人が最も大切にしていたのは先義後利
近江商人とは、近江国(現在の滋賀県)を地盤に活動していた商人を指す。江戸と京都を結ぶ大動脈としていた東海道と中山道は、近江の草津宿で合流している。また、琵琶湖は京阪神と日本海を結ぶ重要な役割を果たしていた。近江は、東西南北を結ぶ商売の拠点であった。古今東西、人・物・金・情報が集まるところではビジネスが栄えた。例えばポルトガルのリスボンなんかもそうである。日本の名だたる起業家でも、近江にゆかりのある人物は少なくない。 そんな近江商人が大切にしていたのが「先義後利」であった。これは、常に先んじて相手のためになることをやっていれば後から利益はついてくるという考え方である。商売というのは、先に奉仕してなんぼ、というスタンスだ。 また、有名な「三方よし」というのも近江商人の基本姿勢であった。 幕藩体制が敷かれていた当時、京都や江戸に出向いて商売をする際、越えなければならないハードルはたくさんあったは