Salesforce、Pardot(Account Engagement)、Marketo、Sansan、FORCAS――BtoB企業は「見込み客」を裏側でどう管理しているのか

会社のホームページから、

「資料をダウンロードする」

を押す。

名前。

会社名。

メールアドレス。

電話番号。

を入力する。

PDFが届く。

ユーザー側から見ると、それだけです。

しかしBtoB企業の裏側では、その瞬間から、

Salesforce。

Pardot、現在のAccount Engagement。

Adobe Marketo Engage。

Sansan。

Sansan Data Hub。

FORCAS。

HubSpot。

リード。

取引先。

取引先責任者。

キャンペーンメンバー。

スコアリング。

ナーチャリング。

MQL。

SQL。

インサイドセールス。

ABM。

名寄せ。

データクレンジング。

といった世界が動き始めます。

「資料請求しただけなのに、なぜ数日後に営業電話が来るのか」

その裏側には、かなり巨大な顧客管理システムがあります。

「問い合わせした人」と「営業が追う人」は同じではない

例えば1000人が資料をダウンロードしたとします。

営業マンが1000人全員に電話すればいい。

小さい会社なら、それでもいいかもしれません。

しかし毎月1万人、10万人と見込み客が入ってくる会社では無理です。

しかも、

大学生。

競合企業。

情報収集中の担当者。

今すぐ導入したい部長。

単なる調査会社。

すでに顧客になっている人。

全部混ざっています。

そこでBtoB企業では、

「誰に営業すべきか」

を判定する仕組みが必要になります。

ここからマーケティングオートメーション、CRM、SFAの世界が始まります。

Salesforceでは、最初は「リード」だった人が途中で姿を変える

Salesforceでは、見込み客を「リード」として管理できます。

そして営業対象として十分に有望だと判断されると、そのリードを、

取引先。

取引先責任者。

必要なら商談。

へ変換できます。Salesforce自身も、リードを見込み客として追跡し、評価条件を満たした後にAccount、Contact、Opportunityへ変換する流れを説明しています。

つまり最初は、

田中太郎
株式会社ABC
資料請求

という一件の「リード」だったものが、

株式会社ABC
=取引先

田中太郎
=取引先責任者

新基幹システム導入案件
=商談

に分解される。

ここからBtoB営業特有の世界になります。

個人向けECなら、

田中太郎が買う。

で終わります。

BtoBでは、

人と会社と案件が別々のオブジェクト

です。

会社は一社だが、中に人が何十人もいる

例えばトヨタ自動車を営業対象にする。

そこには、

情報システム部のAさん。

購買部のBさん。

経営企画のCさん。

財務部のDさん。

現場責任者のEさん。

がいる。

全員、

「トヨタ自動車という同じ顧客企業」

ですが、人物は別です。

さらに商談によって、

決裁者。

利用者。

推進者。

反対者。

購買担当。

技術評価者。

などの役割も違う。

Salesforceでも商談に関与する取引先責任者と、その役割を管理する仕組みがあります。

だからBtoBマーケティングでは、

「誰がクリックしたか」だけでは足りません。

その人はどの会社にいるのか。

その会社には他に誰がいるのか。

その会社全体として購買意欲が高まっているのか。

まで見るようになります。

ここでPardot、現在のAccount Engagementが出てくる

Salesforce周辺で昔からよく聞く名前が、

Pardot

です。

現在はAccount Engagementとして扱われています。

例えば、

Webフォームから登録。

メールを送る。

資料をダウンロード。

セミナーへ参加。

Webページを見る。

こうしたマーケティング行動を蓄積し、

Salesforce側のキャンペーンや見込み客情報と連携させる。

Salesforce公式でも、Account EngagementからSalesforceキャンペーンへ見込み客を追加したり、キャンペーンメンバーやステータスを同期したりできる仕組みが説明されています。

つまり営業マンがSalesforceを開いたとき、

「田中さんという人がいる」

だけではなく、

その前にマーケティング側で何をしたか、

という情報も見えるようにする。

営業からすると、

何も知らない人へ突然電話するより、

「昨日、料金ページを見た人」

へ電話する方が合理的です。

Adobe Marketo Engageでは「行動」を点数に変える

この世界で有名なのが、

Adobe Marketo Engage

です。

Marketoでは、属性情報や行動データを使ってリードをスコアリングできます。

例えば、

料金ページを見る。

+10点。

ウェビナー参加。

+20点。

資料ダウンロード。

+10点。

役職が部長。

+15点。

対象業界。

+10点。

一方、

メールを長期間開かない。

-10点。

登録解除。

マイナス。

のように設計する。

実際の点数設計は企業によって違いますが、Marketo自身も、企業属性・人物属性・行動データを使ってリードをスコアリングし、営業が優先すべき見込み客を判定できる仕組みを提供しています。

これが、

Lead Scoring

です。

つまり営業マン100人の判断に任せる前に、

システム側で、

「この人は熱い」

と順位をつける。

だから「MQL」という状態が生まれる

マーケティング部門が、

「この見込み客は営業へ渡してよい」

と判断したものを、

MQL

Marketing Qualified Lead

などと呼ぶ会社があります。

さらに営業側が確認して、

本当に追う価値があるとなれば、

SQL。

Sales Qualified Lead。

あるいはSAL、商談化など、

会社独自のステージへ進める。

ここで重要なのは名前ではありません。

マーケティングから営業へ渡す境界線がある

ことです。

例えば、

資料請求10000件。

MQL 1000件。

営業接触500件。

商談100件。

受注20件。

というファネルを作る。

こうなるとマーケティング部門も、

「PVが増えました」

ではなく、

「何件の商談・売上を作ったか」

で評価され始めます。

しかし、リードスコアを上げれば売れるわけではない

ここで実務上かなり重要な問題があります。

ある人が、

ホワイトペーパーを5冊ダウンロード。

ウェビナー3回参加。

サイトを20ページ閲覧。

スコア100点。

営業へ通知。

電話する。

すると、

「大学の研究で調べています」

ということがあります。

逆に、

ほとんどWebを見ていない大企業の役員が、

部下に、

「これ検討して」

と言っているかもしれない。

つまり、

個人の行動量と購買確率は同じではありません。

この問題から、

Person単位ではなく、

Account、つまり企業単位で見るABMの考え方が強くなります。

Adobeも現在のB2B製品群では、個々のリードだけでなく、アカウントや購買グループ単位で顧客行動を扱う方向を明確にしています。

そこでFORCASが出てくる

日本のBtoBマーケティングで非常に面白いのが、

FORCAS

です。

現在は「スピーダ 顧客企業分析(旧FORCAS)」という表記も使われています。FORCASの公式ページでは、日本企業の企業データベースを使い、受注企業の傾向から見込み企業を抽出し、SalesforceやMarketo、HubSpotなどと連携する仕組みが説明されています。

例えば、

過去の受注企業100社

を分析する。

すると、

従業員1000人以上。

製造業。

海外拠点あり。

特定システム利用。

急成長中。

などの特徴が見えてくる。

そこで、

似た特徴を持つ企業を探す。

つまり、

「Webサイトをたくさん見た人」

ではなく、

「そもそも自社商品を買いやすい会社」

を探すわけです。

これはかなり違います。

BtoBでは「人」より「会社」が先に重要になることがある

例えば1億円のシステムを売っているとします。

大学生が料金ページを100回見ても買いません。

しかし、

従業員1万人の会社。

既存システムの更新時期。

DX予算あり。

対象部署あり。

競合製品を利用中。

なら、

まだ誰もWebサイトを見ていなくても営業対象として魅力的かもしれない。

だからBtoBでは、

Who is interested?

だけではなく、

Which company should we sell to?

が重要になります。

これがABM、

Account Based Marketing

の基本的な発想です。

FORCASも、既存受注企業の特徴分析、ターゲット企業リスト作成、Salesforceへのターゲット企業フラグ連携などを提供しています。

しかし、その前に「株式会社ABC」が3社存在する問題がある

ここから実務が急に地味になります。

マーケティング部門のデータ。

株式会社ABC

営業部門のSalesforce。

ABC株式会社

展示会データ。

(株)ABC

Sansan。

ABC Inc.

全部同じ会社。

しかしコンピュータから見ると別会社かもしれない。

さらに、

東京本社。

大阪支店。

子会社。

旧社名。

合併前会社。

まである。

すると、

「株式会社ABCからリードが10人いる」

はずなのに、

システム上では5社に分裂する。

ABMも分析もできません。

ここで、

名寄せ

が重要になります。

Sansanは「名刺管理」だけではない

一般社員から見るSansanは、

名刺をスキャンするサービス

という印象が強いと思います。

しかし企業のデータ基盤側では、もっと面白いことをしています。

Sansan Data Hubは、名刺などの顧客情報をSFA、CRM、MAへ連携し、企業・人物データを正規化・統合する仕組みを提供しています。

Salesforceとの連携では、Salesforceの取引先・取引先責任者・リードをSansanの顧客データを基に作成・更新し、重複解消や属性情報の付与まで行います。

つまり、

営業マンAが持っている名刺。

営業マンBが持っている名刺。

展示会で取った名刺。

Salesforceに手入力された顧客。

マーケティングフォームから来た人。

これらを、

同じ企業、同じ人物として認識できる状態

へ近づける。

データ活用以前に、

データをきれいにする仕事があります。

「顧客データを集める」より「顧客データを一致させる」方が難しい

企業は、

Salesforce。

Marketo。

Sansan。

展示会管理システム。

メール配信。

自社サービス。

請求システム。

問い合わせ管理。

などに顧客情報を持っています。

しかし、

メールアドレスが違う。

会社名が違う。

旧姓。

転職。

部署異動。

法人合併。

重複登録。

があります。

すると、

同じ田中さんなのに、

5人いる。

同じABC社なのに、

4社ある。

ということが起きる。

Sansan Data Hubも、Salesforce等から顧客データを取り込み、企業を識別して独自企業コードを付与し、重複データの統合やクレンジングを支援しています。

実務では、

AIで高度なマーケティングをする前に会社名を揃える

という非常に地味な仕事が必要になります。

Salesforceの「キャンペーン」は広告キャンペーンだけではない

Salesforceには、

Campaign

というオブジェクトがあります。

例えば、

展示会2026。

8月ウェビナー。

ホワイトペーパーA。

新製品発表会。

などをCampaignとして作る。

そこへ、

リード。

取引先責任者。

などを、

Campaign Member

として紐付ける。

Salesforceではキャンペーンメンバーとしてリードや取引先責任者などを追加し、それぞれの反応状況を追跡できます。

すると田中さんについて、

展示会参加。

ウェビナー参加。

資料Aダウンロード。

資料Bダウンロード。

と複数施策との接触履歴を持てる。

さらに商談と結びつけることで、

どのマーケティング施策がパイプラインや売上につながったかを見ることもできます。

つまりマーケティング活動が、

広告費。

クリック。

で終わらず、

広告。

リード。

営業。

商談。

売上。

まで接続される。

「展示会で名刺1000枚取れました」では評価できない

BtoB企業の展示会で、

名刺1000枚獲得。

一見すごい。

しかし、

競合200。

学生50。

既存顧客300。

対象外企業300。

有望企業150。

かもしれない。

さらに150社のうち、

営業接触50。

商談10。

受注2。

だったとする。

するとマーケターが本当に知りたいのは、

1000枚取ったかではありません。

どんな会社の、どんな人が、その後いくらの売上になったか。

です。

だから、

Marketo。

Salesforce。

Sansan。

FORCAS。

などをつなぐ意味が出てきます。

それぞれ別の問題を解いているからです。

ざっくり役割を分けるとこうなる

Salesforce。

営業・顧客・商談を管理する中心。

Pardot、Account Engagement。

Salesforce周辺で見込み客のマーケティング行動を扱う。

Adobe Marketo Engage。

見込み客データ、行動、スコアリング、ナーチャリング、キャンペーン自動化などを扱う。MarketoはSalesforce等のCRMとの双方向連携も提供しています。

Sansan / Sansan Data Hub。

名刺・人物・企業情報を整え、CRM/SFA/MAの顧客データを名寄せ・更新する。

FORCAS。

企業データを使って、自社が狙うべき企業を分析・抽出し、SalesforceやMAへ連携する。

一つの製品ですべてやるのではありません。

誰なのか。

どの会社なのか。

何をしたのか。

どれくらい興味があるのか。

営業すべきなのか。

商談になったのか。

売上になったのか。

を複数システムでつないでいく。

そして実務では「ツール導入」よりデータ設計の方が難しい

Salesforceを入れました。

Marketoを入れました。

Sansanも入れました。

FORCASもあります。

これでデータドリブン営業完成。

とはなりません。

例えば、

リードソースを誰が入力するのか。

展示会とWeb広告をどう区別するのか。

MQLの定義は何か。

営業へ渡した後、何日以内に電話するのか。

失注したリードをいつマーケティングへ戻すのか。

一企業に複数人いたら誰を追うのか。

既存顧客の追加問い合わせを新規リードとして数えるのか。

グループ会社を一社として見るのか。

Salesforceの取引先を誰が作れるのか。

重複レコードを誰が消すのか。

こういうルールが必要になります。

ツールより、

「会社として顧客をどう定義するか」

の方が難しい。

マーケティングと営業が揉める理由もデータを見るとわかる

マーケティング:

「今月MQLを500件渡しました」

営業:

「使えるリードが全然来ていない」

マーケティング:

「でもスコア80点以上ですよ」

営業:

「小さい会社ばっかりじゃないですか」

こういうことが起こります。

マーケティングは、

人の行動を見ている。

営業は、

企業として買えるかを見ている。

だから、

行動スコアだけでは両者が一致しない。

そこで企業属性。

過去受注データ。

ターゲットアカウント。

商談履歴。

まで統合する。

リード中心からアカウント中心へ寄っていく理由の一つです。

普通の会社員には「営業電話一本」にしか見えない

資料をダウンロード。

翌日。

営業から電話。

ユーザー側:

「営業電話来た」

これだけです。

しかし裏では、

Webフォーム。

Cookieや識別情報。

MA。

Lead Score。

企業データ。

名寄せ。

CRM。

Campaign Member。

MQL。

担当者割当。

インサイドセールス。

商談化。

Opportunity。

まで動いているかもしれない。

会社というのはこういうものです。

表から見ると、

営業マンが電話しているだけ。

裏では、

誰に電話するべきかを決めるために大量のデータとシステムが動いている。

そして面白いのは、

Salesforce。

Pardot。

Marketo。

Sansan。

FORCAS。

という固有名詞を一つずつ知っていくと、

今まで「営業」「マーケティング」と一語で見えていた世界が、

急に細かく分解されることです。

会社員を何年やっていても、

自分の部署の外には知らない仕組みが大量にあります。

こういうものを一つずつ知ると、

「会社」というものの見え方がかなり変わります。


===

西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。