東京の家賃はなぜ高い?狭い部屋に20万円払って、実は「未来」を借りている

SUUMOとかHOME’Sを眺めていると、ときどき頭がおかしくなります。

東京。

1LDK。

35平米。

20万円。

35平米です。

田舎なら家が建ちそうな勢いで金を取られるのに、玄関から勢いよく走ったら数秒で反対側の壁にぶつかる。

しかも港区になると、2026年7月のCHINTAI掲載物件では1LDKの家賃相場が27.5万円です。渋谷区24万円、千代田区24.3万円。

年間330万円。

330万円払って、35平米。

冷静に考えると変です。

「東京は土地が高いから」

もちろんそうです。

土地が高い。建築費も高い。人が集まる。企業も集まる。住宅需要も強い。2026年も東京23区では供給制約、建築・管理コスト上昇、人口集中などが賃料上昇の背景になっています。

これで検索への回答は終わりです。

でも私は別のことが気になります。

本当に35平米を借りるために20万円払っているんでしょうか。

航空母艦のベッドも狭い

いきなり航空母艦の話をします。

空母の乗組員が寝るところは、別に帝国ホテルのスイートルームではありません。

狭い。

ベッド。

荷物入れ。

終わり。

でも、

「このベッド狭いから、この空母300万円くらいじゃない?」

とはならない。

甲板がある。

戦闘機がある。

レーダーがある。

エンジンがある。

何千人も働いている。

海のど真ん中に巨大な軍事システムが浮かんでいる。

ベッドは狭い。

でもベッドの外側が異常にデカい。

これ、東京のワンルームも少し似ていませんか。

部屋は20平米しかない。

でも玄関を出る。

コンビニ。

居酒屋。

病院。

映画館。

美容院。

本屋。

ジム。

女。

男。

会社。

大学。

新幹線。

羽田空港。

だいたい全部ある。

つまり東京の家は、部屋の中だけ見たら猛烈に狭いけれど、

「部屋の外側」

が異常に広い。

田舎の100平米と、東京の30平米を平米数だけで比較すること自体、空母の寝室をアパホテルと比較しているようなものなのかもしれません。

東京人は街を冷蔵庫代わりに使っている

東京で一人暮らしすると、冷蔵庫が小さくても意外と生きられます。

腹が減る。

下へ降りる。

コンビニがある。

薬がない。

ドラッグストア。

本が欲しい。

Amazon。

酒が飲みたい。

店がある。

料理する気力が死んだ。

Uber Eats。

つまり家の中に全部保管しなくてもいい。

街が巨大な外部ストレージになっています。

冷蔵庫を街へアウトソースしている。

リビングをスタバへアウトソースする。

書斎をコワーキングスペースへアウトソースする。

庭を代々木公園へアウトソースする。

車を電車へアウトソースする。

場合によっては風呂までサウナへアウトソースする。

そうすると、35平米しかないはずなのに、生活可能面積は35平米ではなくなる。

自宅を小さくして、都市全体を共有部分として使っている。

タワマンの共用ラウンジが大きいとかいう話がありますが、東京に住んでいる人間は、東京そのものを共用部にしているのかもしれません。

管理費が月20万円。

高い。

でも大阪にも店はある

ここで東京礼賛を始めると急につまらなくなります。

大阪にも店はあります。

福岡にもある。

札幌にもある。

東京でなければラーメンが食えないわけではありません。

だから「便利だから家賃が高い」だけではまだ弱い。

もっと変なものがあります。

転職です。

例えば東京で会社Aを辞める。

会社Bへ行く。

会社Cも受ける。

全部東京。

家を変えなくてもいい。

恋人と別れる。

次の人に会う。

東京。

好きだった店が潰れる。

別の店。

東京。

担当医が合わない。

別の病院。

東京。

趣味が突然ボルダリングから現代美術に変わる。

どっちもある。

自分が変わっても、住所を変えなくていい。

これがちょっと異常です。

東京は「何でもある街」ではなく「気が変わっても困らない街」なのかもしれない

20歳の自分。

広告会社へ行きたい。

25歳。

ITが面白くなる。

30歳。

起業したくなる。

35歳。

突然大学院へ行きたくなる。

40歳。

もう働きたくない。

人間は結構コロコロ変わります。

昨日と言っていることが違う。

それなのに人生設計では、

「30年後まで何をしたいか決めましょう」

とか言われます。

無理です。

来週食べたいものすら分からない。

東京の強さは、正しい人生を選べることではないのかもしれません。

間違えても、次が近くにある。

会社選びを間違えた。

次。

店を間違えた。

次。

人間関係を間違えた。

次。

住む場所すら、電車で数駅動けば景色が変わる。

東京は正解の街ではなく、

やり直しが安い街

なのかもしれない。

ここで、なぜか金融商品の話になる

オプションという金融商品があります。

ものすごく簡単に言えば、

将来、一定の条件で何かを買ったり売ったりできる「権利」に値段が付きます。

重要なのは、

実際にその権利を使わなくてもいい

ことです。

使うかどうか分からない。

それでも選択肢を確保するために金を払う。

これを見ていると、東京の高い家賃が少し金融商品に見えてきます。

毎月20万円。

もちろん部屋代です。

でも、その中に、

転職できる。

別の業界へ行ける。

知らない人と会える。

夜中でも遊べる。

大学へ行ける。

イベントへ行ける。

病院を変えられる。

会社を作れる。

会社を買える。

明日突然、全然違う趣味を始めても誰かいる。

という大量の「使わないかもしれない権利」が含まれている。

全部使う人はいません。

毎週歌舞伎を見て、M&Aして、脳外科へ行って、フランス料理を食べて、クラブで朝5時まで踊る人は相当忙しい。

でも「できる」。

この「できる」に値段が付いている。

保険も、使わなかったら損なのか

保険へ金を払う。

一年間病気にならなかった。

「保険料を払ったのに何も起きなかった。損した」

とは普通あまり言いません。

何も起きなかったけれど、

起きた場合に対応できる状態

を一年間買っていた。

東京も似ている気がします。

結局一度も転職しなかった。

海外にも行かなかった。

深夜の六本木にも行かなかった。

起業もしなかった。

ずっと同じ会社。

だったら東京にいる意味なかったじゃん。

本当にそうでしょうか。

「いつでも変えられたけど、変えなかった」

と、

「変えたくても変えられなかった」

は外から見ると同じでも、結構違います。

田舎の広い家が急に「覚悟」に見えてくる

田舎の住宅を見る。

広い。

安い。

駐車場2台。

庭まである。

東京の20万円ワンルームを見たあとだと神に見えます。

でも、その家から転職するとします。

候補企業が少ない。

職種によっては引っ越す。

専門医へ行くなら遠い。

ニッチなコミュニティなら街に存在しない。

東京へ飛行機で行く。

もちろん今はオンラインもあるので昔よりずっと楽です。

でも一個の選択変更に伴って、他のものまで動きやすい。

仕事を変える
=住所も変える。

東京だと、

仕事を変える
≠住所を変える。

この「≠」に、ものすごい値段が付いている可能性があります。

広い家を安く借りる代わりに、現在の選択へ少し深くコミットする。

狭い家を高く借りる代わりに、人生をまだ決めない。

あれ。

住宅の話だったのに、覚悟の話になってきました。

20代が東京へ来るのは、東京が好きだからなのか

地方から若者が東京へ出てきます。

仕事がある。

大学がある。

給料が高い。

娯楽がある。

全部あります。

でも、もしかすると一番大きいのは、

「まだ自分が何になるか決まっていない人間」

と東京の相性が異常にいいことなのかもしれない。

何者になるか分からない。

なら、候補が多いところへ行く。

商社。

IT。

芸能。

研究。

起業。

金融。

出版。

フリーランス。

無職。

全部いる。

東京という街が巨大な進路希望調査みたいに見えてきます。

しかも提出期限がなかなか来ない。

中年になると、逆に東京が高く感じ始める理由もこれなのかもしれない

20代。

何になるか分からない。

東京の選択肢には価値がある。

40代。

仕事が決まった。

家庭もある。

行く店も決まった。

友達も決まった。

毎日同じ路線。

すると使わないオプションが増えます。

六本木に行かない。

渋谷も行かない。

転職もしない。

大学にも行かない。

夜遊びもしない。

東京の機能を大量に持っているのに使っていない。

月20万円払って、

家。

会社。

近所のスーパー。

の三角形しか移動しない。

これはNetflixに入って「孤独のグルメ」だけ10年間見ているようなものです。

別に好きならいいですが。

その人にとって東京の家賃は、だんだん割高になります。

街が変わったのではない。

自分が変わった。

スイスアーミーナイフを包丁としてしか使わない

ナイフ。

ハサミ。

ドライバー。

栓抜き。

ヤスリ。

いろいろ付いたスイスアーミーナイフがあります。

多機能だから値段が付く。

でも毎日リンゴを切ることにしか使わないなら、普通の包丁でいい。

東京も巨大なスイスアーミーナイフです。

問題は、若い頃はいろいろ使うかもしれない。

年を取ると自分の使う機能が固定される。

すると突然、

「こんな高いところに住む意味ある?」

という問いが出てくる。

東京のコスパが年齢によって変わるというより、

人生の不確実性が減るほど、東京のオプション価値が下がる

のかもしれません。

逆に変な人ほど東京代を回収しやすい

今日は会社員。

明日は起業。

急に数学を勉強する。

その次はM&Aに興味を持つ。

夜は知らない人と飲む。

来月海外。

趣味も変わる。

仕事も変わる。

こういう人は、東京というスイスアーミーナイフをかなり使います。

一個の専門、一個の会社、一個の生活で30年行く人より、

気が変わりやすい人

の方が、高い家賃を回収できる可能性がある。

普通は逆だと思っていました。

落ち着きのない人間は人生で損をする。

でも東京という商品に限れば、落ち着きがないほど元を取りやすい。

面白いです。

東京の家賃は「現在」に払っていると思っていた

毎月20万円。

今月住んだから払う。

普通はそうです。

でも今は少し違って見えます。

来月、会社を辞めるかもしれない。

半年後、恋人が変わるかもしれない。

突然別業界へ行くかもしれない。

学校へ戻るかもしれない。

商売を始めるかもしれない。

何もしないかもしれない。

その全部にアクセスできる場所を、今月も確保しておく。

だったら東京の高い家賃の一部は、

現在の部屋代

ではなく、

未来をまだ確定しなくていいための料金

なのかもしれません。

月20万円払って「決めなくていい」を買う

これは結構変な商品です。

普通、金を払うと何かを手に入れます。

家。

車。

時計。

旅行。

東京では逆に、

決めないこと

に金を払っている可能性がある。

どの会社で一生働くか、まだ決めなくていい。

どの街で一生暮らすか、まだ決めなくていい。

何者になるか、まだ決めなくていい。

明日考える。

来年変える。

失敗したらまた選ぶ。

その未確定状態を維持するために、高い家賃を払い続ける。

東京の狭い部屋を見て、

「こんな箱に20万円も払うのはバカじゃないか」

と思っていました。

今も少し思います。

20万円は高い。

でも、ひょっとすると借りている対象を間違えていた。

部屋を借りているのではない。

未来を借りている。

もっと正確には、

「まだ未来を一つに決めなくていい権利」

を毎月更新している。

そう考えると、35平米しかない部屋が急にものすごく広くなります。

部屋は35平米です。

でも未来の分岐まで床面積に入れたら、たぶん測れません。

東京の家賃はなぜ高いのか。

土地が高いから。

人が多いから。

企業が集まっているから。

建築費も高いから。

そこまでは普通の答えです。

でも、その高い家賃をなぜ人が払うのか。

もしかすると東京で一番高いものは、土地ではありません。

「まだ決めなくていい」

という状態なのかもしれません。

若い頃は、それが異常に高く売れる。

そして人生が決まってくると、ある日突然、

「東京、高くない?」

となる。

家賃が上がったからではなく、自分の未来が安定してしまったから。

東京の不動産について書いていたら、最後に人生の未確定性へ来ました。

不動産という言葉なのに。

動かないのは土地だけで、人間の方は結構動くみたいです。


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西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。