NACCS、B/L、D/O、CY、CFS、HSコード――海外からコンテナ1本を日本に入れるだけで何が起きているのか

NACCS、B/L、D/O、CY、CFS、HSコード――海外からコンテナ1本を日本に入れるだけで何が起きているのか

Amazonで海外製の商品を買うと、

数日後に家へ届きます。

会社でも、

中国から部品を輸入する。

ベトナムから衣料品を仕入れる。

韓国から化粧品を輸入する。

アメリカから機械を買う。

などと言います。

「海外から商品を買って、日本へ持ってくる」

言葉にすると簡単です。

しかし、実際に商社やメーカーの輸入担当へ行くと、

NACCS

B/L

Surrendered B/L

Sea Waybill

Arrival Notice

D/O

CY

CFS

FCL

LCL

Booking

Shipping Instruction

Invoice

Packing List

HS Code

関税率表

EPA

原産地規則

デマレージ

ディテンション

といった言葉が突然大量に出てきます。

海外からコンテナを一つ持ってくるだけでも、

メーカー、

商社、

船会社、

NVOCC、

フォワーダー、

海貨業者、

通関業者、

税関、

港湾、

倉庫、

トラック会社、

銀行

などが関係しています。

会社員を長年やっていても、自分の会社の商品が海外からどうやって入ってきているかを知らない人はかなり多いと思います。


まず「船を予約する」

例えば日本企業A社が、中国企業B社から商品を輸入するとします。

中国・上海から東京港。

40フィートコンテナ1本。

最初に必要なのは、

船腹を押さえること

です。

航空券を予約するのと似ています。

これを、

Booking

と呼びます。

船会社、

あるいはフォワーダーやNVOCCへ、

上海から東京まで、

いつ、

何を、

何コンテナ、

運びたい、

と依頼する。

すると、

Booking Number

などが発行されます。

ここから貨物が「船に乗る予定」として物流システムの中へ入っていきます。


FCLとLCLで世界が変わる

コンテナ輸送では、

FCL

LCL

があります。

FCLは、

Full Container Load

一社の貨物などでコンテナ一本を使う。

LCLは、

Less than Container Load

コンテナ一本を埋めるほど貨物がないので、複数荷主の貨物を混載する。

FCLなら、

工場

コンテナ詰め

という流れにしやすい。

一方LCLでは、

複数の荷主の商品をどこかで集めなければならない。

そこで、

CFS

という場所が出てきます。

Container Freight Station。

混載貨物をコンテナへ詰めたり、コンテナから取り出したりする場所です。

一方、

コンテナそのものを港で扱う場所が、

CY

Container Yardです。

したがって貿易担当者の会話には、

「CY搬入」

「CFSカット」

「CY Cut」

など、初見では意味不明な単語が普通に出てきます。


Shipping Instructionを船会社へ出す

船に積む貨物の内容が決まったら、

船会社側へ、

Shipping Instruction、S/I

を送ります。

例えば、

Shipper

Consignee

Notify Party

商品名

数量

重量

梱包数

など、

B/Lを作るために必要な情報を渡します。

この情報を元に船会社等が作る重要書類が、

Bill of Lading

略して、

B/L

です。


B/Lは単なる「運送の領収書」ではない

ここが貿易実務の最初の山です。

B/Lは、

「この貨物を船に載せました」

という単なる証明書ではありません。

伝統的なB/Lには、

貨物受取証、

運送契約の証拠、

さらに貨物引渡請求に関係する有価証券的な機能があります。

そのため、輸入貨物が日本へ到着していても、必要なB/Lが届いていなければ貨物を引き取れない場合があります。JETROも、原本B/Lが貨物より遅れて到着する、いわゆる「船荷証券の危機」に対してSurrendered B/LやSea Waybillなどが利用されることを説明しています。

例えば上海から東京。

船なら近い。

貨物がすぐ日本へ来る。

しかし、

B/L原本が国際宅配便でまだ届いていない。

商品は東京港にあるのに、書類がないので引き取れない。

こんな奇妙なことが起こり得ます。


そこでSurrendered B/Lが出てくる

そこで実務では、

Surrendered B/L

という言葉が出てきます。

輸出地側でOriginal B/Lを船会社へ返却し、

輸入地側では原本提示なしで貨物を引き取れるようにする。

日本と中国・韓国など近距離取引では特に意味が出てきます。

貨物の方が紙より早く着くからです。

さらに、

Sea Waybill

を使うこともあります。

Sea Waybillでは、B/L原本を呈示して貨物を受け取るという処理が不要になるため、原本到着待ちの問題を回避しやすい。

同じ「船積書類」でも、

Original B/L

Surrendered B/L

Sea Waybill

では、貨物の引取り実務が変わります。


船が日本へ近づくとArrival Noticeが来る

船が到着する頃になると、

船会社などから、

Arrival Notice、A/N

が来ます。

「この貨物がそろそろ到着します」

という通知です。

ここには、

船名、

Voyage Number、

到着予定、

貨物情報、

各種費用

などが書かれます。

輸入者はこの頃までに、

通関業者、

海貨業者、

配送先

などを手配しておきます。

JETROの輸入手続解説でも、本船到着時にArrival Noticeを受け、海貨・通関業者を手配し、B/L等を使って貨物引取りへ進む流れが説明されています。


次にD/Oが必要になる

ここで、

D/O

が登場します。

Delivery Order。

荷渡指図書です。

ざっくり言えば、

「この人に貨物を渡してよい」

という船会社側からの指図です。

B/L等の必要な手続きを行い、

船会社からD/Oを取得する。

そのD/Oによって、

港にある貨物の引取りへ進む。

JETROも、B/Lを船会社へ提示してD/Oを取得し、そのD/Oによって貨物を引き取る手続きを説明しています。

つまり、

商品を買った。

代金も払った。

船も到着した。

それでも、

勝手に港へ行ってコンテナを持って帰ることはできません。

物流上の権利関係を処理する必要があります。


そして税関がいる

海外から貨物が到着したからといって、

そのまま日本国内へ持ち込めるわけではありません。

輸入申告。

審査。

必要に応じて検査。

関税。

消費税。

輸入許可。

という税関手続があります。

ここで日本の貿易実務で非常に重要な固有名詞が、

NACCS

です。

Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System。

輸出入・港湾関連情報処理システムです。

輸出入申告などの税関手続をはじめ、港湾・物流関連の各種手続きを電子的に処理する巨大インフラです。現在は国土交通省のCyber Portとも連携が進められています。

普通の会社員は、

税関職員が書類を手で見てハンコを押しているようなイメージを持っているかもしれません。

実務の多くは、

NACCS上でデータとして流れています。


通関業者から「HSは何番ですか」と聞かれる

ここで突然、

HS Code

が出てきます。

例えば、

「これはプラスチック製品です」

だけでは税関申告できません。

何の商品なのかを、

世界共通の商品分類体系に当てはめる。

これがHSです。

日本の輸出入申告では9桁の統計品目番号が使われ、最初の6桁はHS条約に基づいて国際的に共通、7桁目以降には日本独自の細分があります。

ここを間違えるとかなり面倒です。

なぜならHSコードによって、

関税率が違う

からです。


「これは何の商品なのか」が金額になる

例えば一つの商品でも、

食品なのか。

医薬品なのか。

化粧品なのか。

化学品なのか。

機械なのか。

部品なのか。

完成品なのか。

材質は何なのか。

用途は何なのか。

によって分類が変わることがあります。

そして分類が変われば、

関税率、

輸入規制、

原産地規則

なども変わり得ます。

日本税関は実行関税率表、分類例規、関税率表解説などを公開しており、品目分類については事前教示制度まで用意しています。

つまり通関実務には、

「この商品は何なのかを法律上分類する仕事」

があります。

マーケターなら、

「これは美容家電です」

と売る。

税関側では、

「HS上これはどこに分類される?」

となる。

同じ商品を全く違う座標系で見ています。


EPAを使うとHSコードがさらに重要になる

例えば日本と特定国の間にEPAがあります。

通常関税10%。

しかしEPAを使えば0%。

だったとします。

100億円輸入するなら、

単純化すれば10億円規模の差になる可能性があります。

ところが、

「その国から輸入した」

だけではEPA税率が使えるとは限りません。

その商品が、

原産品

である必要があります。

ここで、

原産地規則。

品目別原産地規則。

原産地証明。

自己申告。

などが出てきます。

税関もEPA利用におけるHSコードの確認を重要テーマとして案内しています。

ここまで来ると、

貿易担当は、

「商品を海外から運ぶ人」

ではありません。

関税制度まで理解して調達コストを管理する人

になります。


Invoiceは請求書だが、国内請求書と少し役割が違う

貿易では、

Commercial Invoice

が重要です。

輸出者。

輸入者。

商品。

数量。

単価。

金額。

通貨。

取引条件。

などを書く。

税関側でも、

「この貨物はいくらのものなのか」

を見る必要があります。

さらに、

Packing List

があります。

これは梱包内容です。

例えば、

Carton No.1

商品A 100個

Gross Weight 50kg

Net Weight 45kg

のように、

何箱あり、

何が入り、

どれくらいの重量なのか、

を示す。

InvoiceとPacking Listの数字が合わない。

B/Lの重量とも違う。

そうすると、

通関業者から確認が来る。

海外取引では、

書類同士が相互照合されます。


インコタームズも「輸送条件」だけではない

さらに、

Incoterms

があります。

EXW。

FCA。

FOB。

CFR。

CIF。

CPT。

CIP。

DAP。

DDP。

など。

「FOBで買いました」

という会話をします。

これは単に、

「船便です」

という意味ではありません。

どこまでを売り手が負担し、

どこからを買い手が負担し、

どこで危険が移転するか、

を決めています。

輸送費。

保険。

輸出通関。

輸入通関。

どちら側が何を手配するのか。

だから同じ商品価格1000万円でも、

FOB 1000万円と、

DDP 1000万円では、

全く意味が違います。


コンテナを港へ置いておくとデマレージ

そして貨物が無事日本へ着いても、

のんびりしてはいけません。

ここで、

Demurrage

が登場します。

コンテナが港のCY等に到着している。

しかし輸入者が引き取らない。

Free Timeを超える。

すると、

Demurrage Charge

が発生します。

JETROはDemurrageを、コンテナヤード等でFree Timeを超えて貨物を留置した場合の超過保管料として説明しています。

つまり、

通関が遅れた。

書類が足りない。

社内承認が遅れた。

倉庫が空いていない。

トラックが取れない。

その結果、

毎日金が増えていく

ことがあります。

物流実務では「遅れる」という抽象的な問題が、そのままチャージになります。


引き取った後にもディテンション

では港からコンテナを持ち出せば終わりか。

まだあります。

Detention

です。

コンテナは船会社などの所有物です。

中の商品を倉庫へ降ろしたら、

空になったコンテナを返却する必要があります。

しかし返却が遅れる。

Free Timeを超える。

すると、

Detention Charge

が発生する。

JETROも、DemurrageをCY/CFS等での超過留置、DetentionをCYから持ち出した後のコンテナ返却遅延に対する費用として区別しています。

だから輸入担当者には、

「港から出せばいい」

と、

「コンテナを返せばいい」

という二つの時計があります。

これを混同すると金を取られます。


海上運賃以外にも大量のチャージが乗る

海外輸送というと、

上海→東京 20万円

みたいな海上運賃だけ見てしまいます。

実務では、

THC。

DOC Fee。

D/O Fee。

CFS Charge。

Handling Charge。

Customs Clearance Fee。

Delivery Charge。

Demurrage。

Detention。

その他各種Surcharge。

などが乗ることがあります。

だから購買担当者が、

「中国工場から1個1000円で買えます」

と言っても、

日本倉庫到着時の原価は1000円ではありません。

これを、

Landed Cost

として見る必要があります。

商品価格。

国際運賃。

保険。

関税。

輸入消費税。

通関費。

港湾費。

国内配送費。

全部を合わせる。

海外調達が安いかどうかは、

FOB価格だけでは決まりません。


さらに「船が着かない」という普通の問題がある

海上物流では、

ETD。

ETA。

があります。

Estimated Time of Departure。

Estimated Time of Arrival。

予定です。

予定であって確定ではありません。

港湾混雑。

天候。

抜港。

船の遅延。

前港遅延。

接続ミス。

などで動きます。

すると、

工場生産計画。

在庫。

販売計画。

倉庫予約。

トラック。

全部が動く。

「コンテナが3日遅れました」

だけで、

欠品する。

生産ラインが止まる。

販売キャンペーンに商品が間に合わない。

ということが起こります。

物流担当者には、

ETAの3日

が会社の売上そのものだったりします。


2020年代にはCyber PortやTradeWaltzまで出てきた

この貿易業界は、非常に多くの書類と事業者が関係するため、昔から、

紙。

FAX。

Excel。

メール添付。

が大量に存在しました。

国土交通省の過去調査でも、税関申告自体はNACCSで電子化されていても、民間事業者間ではメール添付や紙・電話が多く残っている状況が確認されています。

そこで現在は、

Cyber Port

などによる港湾物流データ連携も進められています。

さらに民間側には、

TradeWaltz

という貿易情報連携プラットフォームもあり、Cyber Portとの連携ではInvoice、Packing List、Shipping Instruction等のデータ利用やNACCSとの連携が検討・実装されています。

つまり、

Invoiceをメール。

Packing Listをメール。

S/Iを別システム。

通関情報をNACCS。

港湾情報を別システム。

というバラバラの世界を、

一度入力した貿易データを各所で使えるようにしよう

としている。

DXというとAIやChatGPTが注目されますが、

物流実務では、

Invoiceの同じ会社名を5回入力しない

みたいなことも巨大なDXです。


「商品を輸入する」という一文の裏側

会社の企画会議では、

「来期から中国OEMで生産します」

と一行で終わります。

しかし実際には、

Supplier。

Purchase Order。

Incoterms。

Booking。

FCL / LCL。

CY / CFS。

Shipping Instruction。

Commercial Invoice。

Packing List。

B/L。

Surrendered B/L。

Sea Waybill。

Arrival Notice。

D/O。

NACCS。

輸入申告。

HS Code。

関税率表。

EPA。

原産地規則。

通関。

Demurrage。

Detention。

国内配送。

まで流れて、

ようやく会社の倉庫に商品が着きます。

だから実務者は、

「海外で安く作れば儲かる」

という話をそのまま信用しません。

本当に知りたいのは、

日本の倉庫へ入った時点で、

いくらなのか。

何日かかるのか。

どこで止まる可能性があるのか。

誰が責任を負うのか。

何の書類が必要なのか。

関税はいくらなのか。

これが分からなければ、

「中国なら安い」

も、

「ベトナムへ移せばいい」

も、

まだ経営判断になっていません。

ビジネスの表側には、

「海外展開」

「グローバルサプライチェーン」

「調達戦略」

という綺麗な言葉があります。

その裏では、

HSコードが決まらない。

Original B/Lが届かない。

D/Oが切れない。

NACCSで申告できない。

CYから出せない。

Free Timeが切れる。

デマレージが発生する。

という非常に具体的な問題で人が走り回っています。

実際の会社は、こういう細部で動いています。


===

西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。