「VALUXが終了するらしい」
そんな話を聞いて調べている企業の経理・財務担当者もいるかもしれません。
実際、三井住友銀行は2026年8月4日、「SMBCパソコンバンクサービスVALUX接続用ソフト」の新規申込受付を終了しました。
しかし、ここはかなり誤解しやすいところです。
結論から言えば、VALUXというサービスそのものが2026年8月に終了したわけではありません。
終了したのは、三井住友銀行が提供している特定のVALUX接続用ソフトについての「新規申込受付」です。
企業の銀行取引を調べていると、VALUX、AnserDATAPORT、インターネットバンキング、全銀ファイル伝送、ZEDIなど似た言葉が大量に出てきます。
何が違うのでしょうか。
VALUXそのものが終了したわけではない
まず最も重要なところです。
2026年8月4日に新規申込受付が終了したのは、三井住友銀行が提供する「SMBCパソコンバンクサービスVALUX接続用ソフト」です。
NTTデータが提供しているVALUXそのものについては、2026年現在もサービスが提供されています。NTTデータは2026年6月にもVALUXのカスタマーセンター営業時間変更を告知しており、取扱金融機関一覧も更新しています。
したがって、
「SMBCのVALUX接続用ソフトが新規受付終了」
と、
「VALUXという法人向け銀行接続基盤が終了」
は別の話です。
ここを混同すると、企業の決済インフラについてかなり間違った理解になります。
そもそもVALUXとは何なのか
一般の会社員にとって、銀行振込というとインターネットバンキングを開いて送金するイメージだと思います。
しかし大企業では話が変わります。
給与振込が数千件。
取引先への支払いが数万件。
複数の銀行口座。
大量の入出金明細。
口座振替。
売掛金の消込。
こうした銀行取引を、人間がブラウザを開いて一件ずつ操作するわけにはいきません。
そこで企業では、昔からEB、Electronic Bankingと呼ばれる仕組みが使われてきました。
VALUXは、その企業と金融機関をインターネット経由で接続するための認証・接続基盤です。
VALUXでは残高照会、取引照会、振込振替などの即時取引に加え、総合振込、給与・賞与振込、口座振替などの全銀ファイル伝送も利用できます。
つまり「銀行のWebサイト」ではなく、企業向け銀行取引を支える一段下のインフラに近いものです。
VALUXとAnserDATAPORTは何が違うのか
ここが一番分かりにくいところです。
どちらもNTTデータ系の法人EBインフラなので、似たものに見えます。
NTTデータ自身は両者をかなり明確に区別しています。
VALUXは、基本的にはパソコンへ電子証明書や対応ソフトを入れ、人間がPCから操作するパソコンバンキング型です。
一方、AnserDATAPORTは、企業のホストコンピュータやシステムから銀行へファイルを自動伝送する用途を想定しています。
かなり単純化すると、
VALUX
=人間がPCを使って銀行取引する
AnserDATAPORT
=企業システムが銀行と直接データをやり取りする
という違いです。
100人の会社と1万人の会社では銀行振込の意味が違う
例えば従業員50人の会社なら、給与振込データを経理担当者がPCから送信しても、それほど大きな問題ではないかもしれません。
ところが従業員1万人。
国内外に何十拠点。
複数の銀行。
毎日大量の振込と入金。
という企業になると、人間がPCを操作する工程そのものがボトルネックになります。
ERPや会計システムで支払データを作る。
承認する。
銀行へ送信する。
銀行から入出金明細を取得する。
会計システムへ戻す。
こうした処理をシステム同士でつなぎたくなる。
そこでAnserDATAPORTのような仕組みが出てきます。
つまりVALUXとAnserDATAPORTの違いは、単なる商品名の違いというより、
「人間中心の銀行取引」
から、
「システム中心の銀行取引」
への違いでもあります。
なぜVALUXがなくなるという誤解が生まれるのか
企業の銀行インフラでは、この数年間でいくつもの移行が同時進行してきました。
ISDNのディジタル通信モードが終了した。
旧来の全銀ベーシック手順や全銀TCP/IP手順の環境移行が必要になった。
銀行ごとにEBソフトやサービスの見直しが進んでいる。
さらにISO20022対応も出てきた。
これらが全部混ざるため、
「昔の銀行接続が終わる」
という情報が、
「VALUXも終了する」
と理解されやすい。
しかし実際には、
回線。
通信手順。
銀行提供ソフト。
VALUX。
AnserDATAPORT。
銀行独自サービス。
はそれぞれ別レイヤーです。
企業のシステム担当者が移行で苦労する理由もここにあります。
SMBCで実際に終了したもの
三井住友銀行が2026年8月4日に新規申込受付を終了したのは、「SMBCパソコンバンクサービスVALUX接続用ソフト」です。
つまり、三井住友銀行が提供してきたVALUX対応PCソフトの新規受付です。
SMBCのページには、VALUX接続では外国送金のISO20022準拠対応を予定しておらず、外国為替についてはGlobal e-Tradeを推奨する旨も記載されています。
ここからも分かるように、
「VALUXという基盤の廃止」
というより、
銀行側が提供する接続方法・ソフトウェア・サービス体系の再編
と見る方が正確です。
ISO20022対応とも混同しやすい
ISO20022という言葉も最近の銀行実務では頻繁に出てきます。
特に外国送金のメッセージ規格がISO20022へ移行しているため、
「VALUXはISO20022へ対応しない」
という情報だけを見ると、
「VALUX自体が古くなって廃止されるのでは?」
と思うかもしれません。
NTTデータのVALUX公式FAQでは、外国送金のISO20022についてVALUXでは対応予定がないとしています。一方、AnserDATAPORT側では別途ISO20022対応が案内されています。
ただし、これもVALUX全体が終了するという意味ではありません。
国内の残高照会、振込、総合振込、給与振込などと、外国送金のISO20022対応は分けて考える必要があります。
VALUXとAnserDATAPORTはどちらを選ぶべきなのか
これは企業規模とシステム構成によります。
例えば、
複数銀行をPCから扱いたい。
残高をその場で確認したい。
振込振替も人間が操作する。
既存のEBソフトを利用したい。
という企業ならVALUXが候補になります。
一方、
ERPから大量の振込データを自動送信したい。
ホストシステムと銀行を連携させたい。
人間によるファイル送信作業を減らしたい。
という企業ならAnserDATAPORTが候補になります。
NTTデータ自身も、ホストコンピュータからシステム連携で自動ファイル伝送する場合にはAnserDATAPORTを推奨しています。
つまり「どちらが新しいか」ではなく、
「誰が銀行と通信するのか」
で考えると分かりやすい。
PCを操作する人間なのか。
企業システムなのか。
です。
そもそもインターネットバンキングではダメなのか
小さい会社なら、それで十分な場合も多いでしょう。
銀行の法人インターネットバンキングへログインして、振込や残高照会をする。
わざわざ複雑なEBインフラを導入する必要はありません。
問題は規模です。
銀行が5行。
口座が数十。
毎日数千件の振込。
入金明細をERPへ自動連携。
給与振込。
口座振替。
という世界になると、
「Webブラウザで銀行を操作する」
という発想では業務が回らなくなってきます。
だから企業規模が大きくなるほど、銀行と会社のシステムを直接つなぐ方向へ進みます。
銀行振込は企業では「システム処理」である
一般人にとって振込とは、
銀行アプリを開く。
口座番号を入力する。
金額を入力する。
振込ボタンを押す。
という行為です。
しかし大企業では違います。
購買システムで発注する。
商品を検収する。
請求書が来る。
会計システムへ計上する。
支払承認をする。
振込データを作る。
銀行へ送る。
結果データを受け取る。
仕訳を行う。
という巨大な業務プロセスの一部分に「振込」があります。
だから銀行接続も単なる金融サービスではなく、企業ITの一部になります。
モノタロウ PunchOutとも実は同じ世界の話
以前、モノタロウ PunchOutについて書きました。
あれも、
社員
→ ECサイト
→ 商品購入
だけで終わらせず、
購買システム
→ 承認
→ 発注
→ 検収
→ 請求
→ 支払
という企業プロセスへ接続する仕組みでした。
VALUXやAnserDATAPORTは、そのさらに後ろにいる銀行との接続部分です。
つまり、
PunchOut。
SAP Ariba。
Coupa。
会計システム。
VALUX。
AnserDATAPORT。
ZEDI。
は、バラバラな専門用語に見えて、実際には同じ企業取引の川の途中にあります。
会社員には「給料が振り込まれた」しか見えない
毎月25日。
銀行口座へ給与が入る。
社員から見れば、それだけです。
しかし会社側では、
給与計算。
承認。
給与振込データ作成。
銀行接続。
ファイル伝送。
銀行処理。
結果確認。
会計。
まで巨大な処理が動いています。
取引先への支払いも同じです。
普段働いている会社の裏側には、社員がほとんど見ることのない企業金融インフラがあります。
VALUX終了ではなく「企業銀行取引の再編」と見る
2026年8月のSMBCの新規受付終了だけを見ると、
「VALUXはもう古いのか」
と思うかもしれません。
しかし、VALUXそのものは現在も提供されています。
一方で、
銀行独自ソフトの再編。
インターネットバンキング。
企業システムとの自動連携。
AnserDATAPORT。
ISO20022。
ERP・会計システム連携。
などが同時進行しています。
つまり起きているのは、
VALUXが突然消える
という単純な出来事ではありません。
企業と銀行の接続方法そのものが、少しずつ再編されている。
その一断面として見る方が実態に近いでしょう。
VALUX、AnserDATAPORT、ZEDI、全銀フォーマットなどが実際の企業銀行取引でどう使われるのかについては、別記事「VALUX、AnserDATAPORT、ZEDI、全銀フォーマット――大企業の銀行振込はどう動いているのか」で詳しく扱っています。
普通の会社員には見えないところで、会社と銀行はこういうインフラによって毎日つながっています。
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(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。



