マーケティングスキルだけで稼げる年収のアッパーは、サラリーマンやってる限りは1500万円くらいが限界なのではないかと思う。それ以上に行くのなら、人材育成とか、教育、組織体制構築、ファイナンスの理解、経営用語の理解、経営戦略の理解、ビジネスモデルの理解、社内政治力・・・・など諸々を身につけて、マーケティングを踏み台にして会社の幹部として出世するしかないのではないか。
ただ単に売れば良い、という意味では法人営業の方がわかりやすいし稼げるかもしれない。
それが嫌なら、会社という文脈を出て、起業する・独立するしかないのではないか。
マーケティングの名著・定本
マーケティングと言えば、昔からフィリップ・コトラーの本が定本とされている。国内外でも、外銀やら外コンに行くような連中、MBAを取ろうとする連中は必ず読む。というかMBAならこの本はカリキュラムに含まれている。
ただ、このコトラーが、ドラッカーにかなり影響を受けた弟子的な人物であることは意外と知られていない。コトラー自身が、マーケティングの元祖はドラッカーである、的な発言をしている。
ただ、ドラッカーはどちらかというと哲学者的(本人曰く社会生態学者)であって、マーケティング実務についたことがあるマーケターでは無い。当然、広告も作ったことが無いだろう。
そのほか、ポジショニングの概念で有名になったアルライズ・ジャックトラウト、ブランド研究のケビンレーンケラー、USPのロッサー・リーブス、クロード・ホプキンス、このあたりの本も定番中の定番である。この辺りの人物は有名人である。
クロード・ホプキンスは、後述するジェイ・エイブラハムやデイヴィッド・オグルヴィに非常に強い影響を与えた人物である。実際に広告やメディアに関わった人間界隈の影響の連鎖を辿ると、クロード・ホプキンスはかなり影響の強い伝説的人物だと言える。
(彼の著書はアマゾンでプレミアがついている)
マーケティングの起源はどこにあるか?
「マーケティング・マイオピア(マーケティング近視眼)」で有名なセオドア・レビットや、自動車業界の「モデルチェンジ(計画的陳腐化)」というマーケティング手法を生み出したアルフレッド・スローンあたりがマーケティングの源流とされる。
ちなみに、ビルゲイツは、「ビジネス書で1冊だけ優れた本を選べ」と言われたら、このスローンの本を選ぶと答えている。
マーケティングの定義について
マーケティングはよく、「儲かる仕組み作り」だとか「顧客の創造」と言われたりする。
ピータードラッカーがマーケティングの定義を「セリングを不要にする」と言ったことは有名である。
でも、個人的には、マーケティングは(イノベーションとの対概念であることも意識して)オプティマイゼーションだと思う。
具体的には、ジェイエイブラハムがいつも言っているように、
イノベーションは最適化の後
という考え方、スタンス、attitudeこそ、マーケティングとは何たるかを説明するにこれ以上のものは無い。測定して、トラッキングして、改善する。PDCAサイクルを回す。
客数×単価×頻度が売上なのだから、これらを20%ずつ増やしたら売上が80%増える、というのがマーケティングを行う事業者・企業側の利点・メリットであり、そのために市場と向き合ってテストを繰り返し、日々チューニングせよ、というもの。
if you can’t measure it you can’t manage it
これはエドワード・デミングの言葉とされているが、この言葉にジェイエイブラハムは強い影響を受けたらしい。マーケティングはまず測定・定点観測から始まるとも言える。
acquisitionフェーズ、retentionフェーズ
マーケティングはアクイジション(顧客獲得・開拓)フェーズと、リテンション(顧客維持、ロイヤリティ・CS=顧客満足向上)フェーズがある。
アクイジションフェーズではまずリーチを拡大、アテンションを引いて、リードジェネレーションなどによって顧客名簿(リスト)を構築しながら、アクティベーションしていく。そして関係性を構築(ラポール、アイスブレイク)していきながらLTVを最大化していく、あるいはかなり強いカスタマーサクセス、顧客満足を達成することでリファラルにつなげてバイラルを狙い、CPAを下げていく、次の新規獲得・開拓を有利にしていく。
当然、以上のプロセスは測定・トラッキングできる。
- CPA/CPO
- CVR
- LTV
などの概念は極めて重要になる。
マーケティング戦略=SWOT✖️STP
一般に、マーケティング戦略とは
- 3C分析 (自社=company、他社=competitor、顧客=customer/consumerの分析)
- SWOT (強み、弱み、機会、脅威)
- STP (セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)
に関するもの、リサーチやコンセプト設計。もっと実務的にマニアックなことを言えば、CMOなどのマーケティング責任者が、CEOとCFOに根回しをしながら財務的な裏付け、投資戦略、経営意思決定まで行うようなものだろう。
ちなみにSTPはコトラーが提唱したもの。
ターゲティングにおいては、
- デモグラフィック
- ジオグラフィック
- サイコグラフィック
的な要因からペルソナが設定されることが多い。N1を抽出して定性調査をしたり、グループフォーカスインタビューをしたり、いろんなリサーチがある。
ペルソナがあった方がカスタマージャーニー、カスタマーサクセスを描きやすい。
日本で一番高い山=富士山、世界で一番高い山=エベレスト、、、では2番目は?
アルライズ、ジャックトラウトらが提唱したポジショニング。この重要性を理解する上で大事なのは『日本で2番目の山、世界で2番目の山を答えられるか?』というものである。この手の質問は、門外漢ほど答えられない。素人はそのカテゴリの代表者しか覚えられない。代表性バイアスがかかってしまう。
SWOTやSTPを考える上で意識すべきことは、こうした人々のヒューリスティックとどう戦うのか?である。
マーケティング・ミックス=4P
マーケティングミックスとは、マーケティングにおける実行フェーズのこと。
有名な、
- product
- price
- place
- promotion
の頭文字をとった4Pがこれに該当する。
ちなみに4Pはジェローム・マッカーシーが提唱したもの。
ビジネス、マーケティングの初心者はどうしてもプロダクトとプロモーションにばかり目が行ってしまいがちである。よって、プライスとプレイスは重点的に知見を獲得していく必要がある。
優れているビジネスは、この4つが優れているので、顧客から特別な存在として映る。この4つが具体的な接点(タッチポイント)であるからだ。この4つのマーケティングミックスに整合性や一貫性があると、生み出される認識、イメージがブランドになっていく。
個人的に4Pは スキルマップ、キャリアプランを考える上で 非常に役に立つフレームワークだと思う。 本当に極めたかったら 商品企画開発にも触れないといけない、 プライシングもわからないといけない、 流通・MD(マーチャンダイジング)・実店舗政策もわからないといけない、 POPもわからないといけない、 広告もPRもわからないといけない、、、 ということの 見通しが立つ。
これを顧客サイドから見たのが4C
- customer value
- cost
- convenience
- communication
多分、この手のマーケティング関係のフレームワークを一覧にすると凄まじいことになりそうである。まぁ、who,what,how,when,where,whyで考える5w1hみたいなものである。新聞社に入社すると記者が「5w1hで書け!」と徹底指導される、なんて話があるが、マーケティング関係者にもこういうことはある。
ダイナミックプライシングと複数価格戦略
値決めは経営
とは稲盛和夫氏の言葉であるが、価格戦略をどうするかはマーケティング・経営の重要分野であり、各論として掘り下げる価値がある。なぜなら、収益・利益に直結する分野であるからだ。
スキミングプライシング(上層吸収価格戦略)や、ペネトレーションプライシング(浸透価格戦略)、ダイナミックプライシングにオークション形式、複数価格戦略など様々なプライシングが存在する。
近年はサブスクリプションモデルが注目を集めている。
placeとチェーンストア理論
place戦略は流通政策とも、立地戦略とも言われるが、不動産投資家が身につけているようなものに加えて、小売業を支えているチェーンストア理論に通じておくことも重要であると思われる。小売の店舗は一つ一つは弱いが、標準化して店舗を増やすことにより規模の経済効果が立ち上がる。
コカコーラのボトラーズシステム、トヨタのディーラーシステムも優れたplaceだ。また、フランチャイズビジネスも一種の流通政策である。
セブンイレブンの集中出店戦略(ドミナント戦略)も有名だ。
イノベーター理論(PLC)
イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティー、ラガードで説明する市場の普及理論はE・ロジャースによるもの。商品側から見たのがPLCサイクル(導入期、成長期、成熟期、衰退期)。
IT業界において、アーリーアダプターとアーリーマジョリティーの間に「キャズム(溝)」があると言ったのはジェフリー・A・ムーア。
ムーアの法則のゴードンムーア(アンドリュー・グローブと共にintel創業)とは別人なので注意が必要。
マーケティングの時系列分析はかなりマニアックで、 「Market」×「dynamic」のデータ分析となると 株やFXのチャート分析、テクニカル分析と 重なる部分があると私は考えている。 マーケに時系列という横軸を加えると 一般に知られているマーケティングとは 違う世界が開けてくる。 高い市場解析能力がある人間は投機家・投資家としても成功できる。
マーケティングの資格は無意味(中小企業診断士とかで誤魔化そうとすると笑われる)
マーケティングにおいて資格は無意味である。要らない。資格なんかで誤魔化そうとすると笑われる。とにかくこの世界は実務経験がものを言う。実際に実務に携わり、どんなことをして、どんな結果を出してきたのか、ということが問われる。転職市場において、キャリア形成においても同じことが言える。プログラマーと似ているかもしれない。プログラマーも資格を誇示していると笑われるだろう。マーケティング検定とか中小企業診断士とかを押し出そうとすると逆に無能っぽく映る。
もちろん、自ら起業する・自営業者になるという場合においては、マーケティング活動は日々の経営そのものになってくるだろう(ユニクロ・GUの柳井正はめちゃくちゃマーケティングが上手いので勉強になる、特にアパレル関係者は全員学ぶべきだ)。
サラリーマン界隈ではメーカーでマーケティングをしていた、商品企画をしていたとか、代理店出身であるとか、メディア企業にいた・ITプラットフォーマー(楽天やヤフーなど)にいたとか、調査会社にいた、広告制作・クリエイティブに従事していた、みたいなことがキャリアパスになってくるだろう。
マーケティングを仕事にしていくためには、マーケティングプロセスにおけるタッチポイントとなる「何か」でキャリアパスを歩んできて、何ができる・できたというのが確固たる資格となる。それか、起業するか、である。
ネット系はサイバーエージェント、マスメディア系は電博
マーケティングはどうしても、マーケットに対してメディアを通してメッセージを送る活動が大事になるので、メディアプランニングからメッセージの立案までに長けている広告代理店の存在を抜きにして語れない。
従来であればマスメディアに対して間口となっていた電博やADK、インターネット時代が到来してからはサイバーエージェントあたりが強い。これらは代理店としてメディアや広告に関するノウハウを蓄積している。
ただぶっちゃけ、日本の広告代理店マンのレベルは微妙。
広告代理店は、世界ではWPPグループが最上位(ジェイウォルタートンプソン、オグルヴィ、ヤングアンドルビカム、ワンダーマンなどを擁する)。次いでオムニコム、ピュブリシス。
それと、アクセンチュアにも要注目。アクセンチュアはIT領域のみならず、広告領域も侵食していて、世界の広告代理店ランキングで上位に食い込んでいる。
それから、メディアそのものの運営を手掛けているグーグル、リクルート、Amazon、ネットフリックスあたりもかなりマーケティングに強い。ここらはデータサイエンスにも長けている印象。
三大広告人
三大広告人と呼ばれる人物がいる。
- レスターワンダーマン
- デイヴィッドオグルヴィ
- セルジオジーマン
の三人である。ワンダーマンとオグルヴィは、本人の名を冠した広告代理店が存在することからもわかるようにエージェンシー創業者であり、セルジオジーマンはP&G、コカコーラなどを経てコンサルティング会社設立に至ったがコカコーラCMO時代の活躍が有名である。
私の場合は、コトラー、ドラッカーもそうだが、この三大広告人、それからアップルのマーケティングに関わったレジス・マッケンナあたりから学んだことは血肉となり今の私の素地を作っているように思う。
特にオグルヴィの作る広告、コピーが大好きで憧れまくった。
マーケティング・オートメーション(MA)
マーケティングオートメーションは、簡単に言って仕舞えばマーケティングDX。
セールスフォース、マルケト、ハブスポット、それからタクシー広告でよく流れている(霜降り明星が出てる)ビーダッシュあたりが有名。
この手のオールインワンSaaSを使わずとも、リスト別に配信メールアプローチを変えられるツール、課金決済やOTO(ワンタイムオファー)を自動化するツールなど個別のものを寄せ集めてDXを進めるのもマーケティング・オートメーション。
具体的にはマーケティング・ファネル(漏斗)の各ステップを進めていく実行のDXツール、それを使ったマーケティングシステム。
リサーチ会社とGoogleについて
日本ではマーケティングリサーチ会社(調査会社)として、マクロミルが有名。国際的にはニールセンなど。スティーブ・ジョブズとペアを組んだマーケティングの天才、ジョンスカリーはペプシコーラ時代、ニールセンのデータを社長以下の重役と幹部・担当者が見るのが儀式化されていた、と述懐している。
従来、多くの事業会社は調査会社のデータに頼っていた。しかし、インターネット時代が到来して、Googleなどが高機能なマーケティングツールを提供するようになり、リサーチツールはかなり民主化された印象がある。
DJ社長のマーケティングスキルはスゴイゾ
まあ、この動画を観てくれ。
マーケティングってこういうことだ。
マーケティングに向いている人というか、適性がある人というか、うまくなる人は、リスクマネー背負って広告したり、自分でビジネスを試行錯誤しながら回すタイプである。
YouTubeチャンネルを伸ばそう、SNSを伸ばそう、ブログを伸ばそう、郵便DMを送ろう、CMを出そう、、、、何でも良い
上位表示サイト分析(SEO)
「イノベーション」で上位表示されるwebサイトのテキストマイニング、分析(データサイエンス)。
正直言って、マーケティング界隈で最もレベルが高いのはインターネットマーケティング(webマーケティング)の世界、しかもその世界における雇われていない人たちの界隈だと思う。
理由は全国大会であることと、マーケティングの全プロセスがデータ化されているので、グロースハッカーとかデータサイエンティストなる言葉が生み出される前からそんなものを10年先にやってきているからである。
少しその片鱗を見せよう。
マーケティングとはオプティマイゼーションであるとはどういうことか。
ちょっとテクニカルな仕事内容・・・・。
実際に数値で検索需要などを調べてみればわかるが、大抵の物事はそんなに検索もされていないし、認知もされていない。
さらには、需要というのは、一定の需要もあれば、右肩上がり・右肩下がりのものもあるし、一定の周期を持っているものもある。
そして、芸能やエンタメ関係の検索需要の凄まじさに触れると、世の中のニュースコンテンツがゴシップで溢れている理由がよくわかる。世の中の人間は圧倒的に娯楽を求めているのである。
とあるキーワードにおける検索順位上位表示サイトを比較してみる。
(実際に今、私が上位表示を狙っているキーワードの分析である)
例えば、1位のサイトと10位のサイト。
1位
キーワード・フリークエンシー(単語頻度)※エクセルデータ
クラスタリング
共起・関連(co-occurrence・collocation)
類似度ポジショニング
3位
クラスタリング
共起・関連(co-occurrence・collocation)
類似度ポジショニング
10位
クラスタリング
共起・関連(co-occurrence・collocation)
類似度ポジショニング
1位の方が、論理構造が綺麗である。
それでいて、キーワードの分布がわかりやすい。明快。
その検索キーワードがページ内で突出して使われていて、それ以外の関連キーワードはまばらに幅広く使われる綺麗なロングテールをしている。
まぁ、こういうマニアックなデータサイエンスをするのもマーケティングの仕事のうちの1つである。
ただし、必ず必要というわけでもない。結局のところ、良い結果、良い業績・成績を出せば良いわけであって、やり方は人それぞれである。
3位
5位
9位
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"make you feel, make you think."
SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。