P&Gマフィアのノウハウが使えない・役に立たない理由

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF147F70U2A111C2000000/

 

 

P&Gマフィアのノウハウが使えないのには理由がある。

転職市場で評価され、各界で活躍しているとされる彼らだが、一方で実績に疑義がつく人物も多い。例えば音部大輔のファブリーズでの実績はそもそもアメリカの先行事例をトレースしただけ、それなのに自著で我が物顔でアピールしている(その後、彼が移籍した日産や資生堂などは成績がボロボロである)。森岡毅の評判はすこぶる悪く、「化けの皮が剥がれた」などの声も聞かれる。

(西口一希の評価は安定しているように思う)

 

これについて、分析してみよう。

 

あくまで消費財という限定

 

マーケティングオリエンテッドな業界というのは、消費財業界である。例えば、

  • お菓子
  • インスタントラーメン
  • 化粧品
  • シャンプー

などの領域で、マーケターたちが活躍している。

これらには共通して特徴があり、生活必需性が絡んでいて、ある程度、低単価である。

 

一度選ばれれば、自然と消費され、また需要がニョキニョキと湧いてくる。ある種、イージーな商材である。

 

このような商材は、FMOT(First Moment of Truth)、要するにファーストコンタクトで衝動買いされたり、購買のベクトルをずらす余地がある。だからこれ系のマーケターたちは消費者心理をずらすクリエイティブやインサイト開発に必死になるのだ。

一方でそのような手法は、高額BtoBなどでは通用しない。購買プロセスがロジカルで、複数の関係者が関与する。相手のインサイトを突いたところで早々変動しない。そもそもそうやって変わるぐらいなら、我々の消費生活は崩壊しているだろう。

 

どうせ必要で、安い商品。そこで、微々たる選択の差異を生み出すためにマーケターは四苦八苦している。粉洗剤を液体にしたり、ジェルボールにしたり、プッシュ式にしたり、シャンプーをポリコレに絡めて売ったり、いろんな工夫をしている。買ってもらえれば、消費され、そのうちまた需要される。

 

彼らは魔法使いでもなんでもない

 

元が売れる商材・売れやすい商材・リピートにつながりやすい世界で、低単価競争が故に「ちょっとベクトルをずらす」という争いに長けているのがこの種のマーケターである。

だからこの文脈から外れると、うまくいかないのである。

万能感に浸って「もっといける」と昔の日本軍の如き拡大を続ける戦略的失敗を講じたり、自分がうまくいった成功要因を考えずに別の文脈に行くと失敗してしまう。

そもそも、売り手が

「需要を作ってやろう」

というのが自由経済的でない。計画経済的である。人類の長い歴史に照らしてほしい。人が何かを欲することを無理矢理作り出せたら、どれだけ楽だっただろうか。

 

欧米列強は海外進出スキームがうまい

 

歴史的に見て、欧米列強は自国でのモノ余りを防ぐために、海外に出て、通商を求めた。開国させてきた。場合によっては乱暴な手段も使ってきた。

彼らが海外に出る時は、大抵、現地で協力者を得る。こういうやり方が欧米列強はうまい。根付いている。当然、その流れを汲んでいる外資系企業は、ワールドマーケットに出ていくのがうまい。まず、この点で外資メーカー、グローバルメーカーは「マーケット拡大の御作法」をわかっている。P&Gも最初は、日本で合弁でスタートしていたはずだ。

どうすればグローバルに出られるか

という意識は、外資マーケターたちはとにかく高い。そのために、外国人と協業するのが当たり前という姿勢なので、当然、ドメスティック人材と比べると組織の回し方がうまい。組織の回し方がうまいということは、やはり仕事を進められる、実際に海外進出がうまくいく、ということだ。

もっというと、そういった流れから、社内で

コミュニケーション・プロトコル

を作って整備するやり方に長けている。

それが、独自の体系となり、黒魔術っぽくなり、宗教っぽくなる。求心力を得る。実際、P&G出身者は謎のカタカナ用語、独自用語を連発する。

 

根本的な価値・需要を生み出してはいない

 

ウォルト・ディズニーがディズニーランドを作った、みたいなことはP&Gマフィアはやっていない。あくまで、ちょっとベクトルをズラすことに長けている人たちで、生息地は消費財。

P&G出身者で起業で大きく成功し、世の中に新たなプロダクトを送り出したというのはレッドブル創業者のディートリヒ・マテシッツくらいであろう。しかし彼も、日本に存在したエナジードリンク市場を参考にしている。

社会課題、社会問題を新たに発見して、新たなソリューションを提供する、みたいなことはP&Gマフィアはやっていない。そもそもマーケティングはそういうものではない。

 

例えば、任天堂のゲームは、買っても買わなくても変わらないと言えば変わらない。無くても困らない。ましてや、スマホ全盛で、これだけゲームがありふれている時代に。でも、任天堂はその時代に、ハードもソフトも売り捌いている。これは需要・価値を生み出しているといえる。こういった所業がP&Gマフィアに出来るかといえば、できない。誰一人としてできない。

 

単なるアジャスター・オプティマイザー

 

テレビ広告の作り方を変えたり、効果測定をしたり、リサーチの精度をあげたり、プロモーションの仕方を設計したり・・・という調整、最適化に長けているのがP&Gマフィアである。もちろん、マーケティングキャリアの先に、P&G社内でマネジメント・経営レイヤーに近いところまで登った人は、「経営層」としてのセンスがあるのだろう。だから、マーケティングの枠を超えて、経営戦略に近いところまで長けている人もいるのだろう。

ゼロイチで市場を生み出す創造者ではない。むしろゼロイチの荒削りなフェーズより、ある程度回り始めたビジネスのオペレーションを改善したり、既存の商品力を「より売れるように磨く」ことに向いている人材が多い。

だからこそ、転職市場では「即効性のある即戦力」として評価されやすい一方で、新規事業や未知の領域に挑んだときに壁にぶつかりやすいのだ。これは、P&Gという組織自体の特性とも深く関係している。P&Gは、緻密に管理されたブランド経営と、マニュアル化・再現性重視の文化が根付いている企業だ。人が変わっても同じ品質を出すために、厳格に体系化された「プロセス」を重視する。だから育つのは、プロセス遂行能力に優れたマーケターであり、天才的なイノベーターではない。

P&Gに限らず、大企業の強みは「失敗しない」ことであり、「誰でもできる型」を用意して大量に優秀人材を輩出することにある。逆にいえば、その型の外に出た瞬間に、武器を奪われたも同然なのである。

 

組織改革への需要

 

P&Gマフィアは、日本企業・JTCに移籍するとコンフリクトを起こす。このコンフリクトが求められてるケースがある。マーケティング体質、P&Gスタイルに会社を変えたい、という場合だ。

そういう需要は実際あるのだろう。

一方で、普通に摩擦だけを起こす場合もある。

日本企業の多くは、商品起点・技術起点の開発カルチャーで成り立っており、そもそもマーケティング自体のプレゼンスが低い。そこに「P&G流」を持ち込むと、やたらと消費者インサイトを掘り下げたがり、奇をてらった施策を打ちたがるが、社内の技術者や製造側とは全く噛み合わない。

社内に「顧客心理はわかるけど、技術の論理がわからない」マーケターが増えたところで、日本企業はうまく回らない。マーケターだけではモノは作れないからだ。だから、日産のようにP&G流の幹部を大量に採用した結果、現場の製造や設計と軋轢が生まれ、組織崩壊に至ったケースも散見される。

そもそも、P&Gでの「成功体験」は、P&Gという強大なブランド基盤、潤沢な広告費、圧倒的な店頭シェアなどの土台の上に成り立っている。ブランドが強く、流通チャネルも握れていて、消費者もブランドを信頼している。そういう盤石な環境でやっと微差を積み上げる仕事をしていたにすぎない。

そこから切り離されてしまえば、単なる「最適化屋さん」である。

 

それでも彼らが持て囃されるのは、外資大手の看板と、外から見た「スマート」な成果の演出に長けているからだ。プレゼンテーションのうまさやロジカルさ、数字に基づく説明力など、周囲に安心感を与えるスキルを身に付けているため、転職先の経営陣や投資家には魅力的に映る。

しかし、その根幹には「消費財のマーケティング」という極めて特定の文脈があり、その文脈での最適化に適応してきただけである。そこを見誤り、別の文脈でも同じ論理が通用すると信じてしまうと、悲劇が起きる。

特にBtoB、公共サービス、あるいは医療・教育といった分野は、根本的に「衝動買い」も「FMOT」も起こらない。買い手の合理性が強く、消費者心理をちょっと動かして選ばせる、というゲームが成り立たない。P&G流マーケのメソッドは、まさにそこにフィットしにくいのである。

 

それでもP&Gマフィアに学ぶべきこと

 

とはいえ、P&Gマフィアを単純に侮るのも正しくない。

彼らは

  • プロセスを構造化して他者に伝える
  • 数字で語る
  • 仮説検証を愚直に回す

という点では日本のマーケティング人材よりはるかに優秀である。

こうしたオペレーション能力は、あらゆる組織の生産性向上にヒントを与える。自社の土台を整えたうえで、P&G的なオプティマイズの技術を取り入れるのは非常に有効だ。

ただし、「P&G的な成功は、P&G的な環境においてだけ成り立つ」という冷静な視点を忘れてはいけない。過剰に神格化し、ゼロイチのビジネスや技術開発にまでP&G流を適用しようとすれば、むしろ失敗の芽を広げるだけだろう。

 

 

 

 

p&gマフィア ミルクボーイ
p&g出身 社長
p&g出身 有名人
P&G
マーケティング 有名人 日本人
P&G マーケティング本
p&g なぜ人気
P&G クビ


===

西園寺貴文(憧れはゴルゴ13)#+6σの男

   




"make you feel, make you think."

 

SGT&BD
(Saionji General Trading & Business Development)

新たなるハイクラスエリート層はここから生まれる
         




Lose Yourself , Change Yourself.
(変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を我らに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れられる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、見分ける知恵を与えたまえ。)
 
説明しよう!西園寺貴文とは、常識と大衆に反逆する「社会不適合者」である!平日の昼間っからスタバでゴロゴロするかと思えば、そのまま軽いノリでソー◯をお風呂代わりに利用。挙句の果てには気分で空港に向かい、当日券でそのままどこかへ飛んでしまうという自由を履き違えたピーターパンである!「働かざること山の如し」。彼がただのニートと違う点はたった1つだけ!そう。それは「圧倒的な書く力」である。ペンは剣よりも強し。ペンを握った男の「逆転」ヒップホッパー的反逆人生。そして「ここ」は、そんな西園寺貴文の生き方を後続の者たちへと伝承する、極めてアンダーグラウンドな世界である。 U-18、厳禁。低脳、厳禁。情弱、厳禁。