日本人がマーケティングを理解できない理由

理由は2つある。 自由競争の厳しさに長年直面してこなかった。 日本のメイン産業であった自動車/家電などが「ハイテク産業」であったから   アメリカの場合、世界に先駆けて自由競争市場をつくりあげた。政府による規制がほとんどなく、参入と退出が自由で、価格設定、商品開発の自由が約束される市場原理主義経済が世界一発展したのはアメリカ。 他方の日本は、ご存知のように政府の規制だらけ、護送船団方式、「株式会社日本」、「世界一成功した共産主義」でおなじみのように、とにかく自由競争がうまく根付かなかった。というか、甘かった。   基本的に「マーケティング」というのは、厳しい自由競争のマーケットの中で、「生き残り」をかけて行われる戦略/戦術のことである。アメリカは、激しい競争の中で、マーケティングというものが次第に生まれ、育まれていったのである。   また、日本は長らくの間、「 (さらに…)

社会への借りを返す

金を稼ぐことや金自体に悪いイメージはないけれど、事実、お金を巡る人心の数々が汚かったりするのは否定できない。 仕事ってなんだろう。 多くの人にとって、仕事ってのは辛いものだと思う。ネガティブに感じることの方が多いと思う。   誰もが、幼い頃には純粋さを持っていた。純粋に心に従い、純粋に何かに没頭する。毎日は割とキラキラしていて、知らない世界が未来の楽しみとしてこの先待ち受けている感じがしたはずだ。 そんな子供もいずれ大人になる。 そして、「仕事」という名の、すごくつまらなくて、苦しくて、冷たい「お迎え」がやってくる。人が死ぬときに「お迎えがきた」なんて言ったりするけれど、社会に出るというのもまさにそれだと思う。しかるべき年齢になると、誰にも「お迎え」がくる。   誰もが、自分はつまらないサラリーマンになんかならないと思っている。若いうちは特に思っている。自分「だけ」はそ (さらに…)

種を植える。芽が出る。木が育つ。実がなる。儲かる。

土地を買う。耕す道具を買ってくる。土を耕す。肥料をまく。種を買ってくる。種を植える。水をやる。時間を置く。 そのうち、芽が出る。 忍耐強く、世話を続ける。 いずれ、芽は高さを増し、枝葉をつけていく。木になる。そして、実がなる。   実は、自らの飢えを潤す。だけれど、すぐに食べてはいけない。なった実を、換金し、また種を買うのだ。 そして、種を植える。芽が出る。木が育つ。実がなる・・・・・。   こうしていくうちに、いずれ食べきれないほどの実が安定的に「なる」。 また、余った実はたくさん売れる。 たくさんのお金が入る。   このお金で、さらに土地を買う。オートメーションの技術を買う。人を雇う。良い肥料を買う・・・・・。   気がつけば、炎天下泥まみれで作業しなければならなかったものが、すべて自動でまわるようになる。楽になる。だけれど、圧倒的に儲かるように (さらに…)