失敗する夫婦と失敗するビジネスパーソン

認知行動療法の創始者であるアーロン・T・ベックは、仲の悪くなった風に対して、「お互いの悪いところばかり目を向ける習慣と意識的に戦う」ようにアドバイスをしている。 たとえば、「結婚日記」。夫婦に、お互いについて「相手がしてくれたうれしいこと」を記録するようにすすめている。 結婚日記をつけた夫婦の70%は、関係に改善が見られたそうだ。ベックは、「変わったのは、現状に対する認識だけだ」と述べている。 夫婦仲が悪くなってしまった場合、互いが結婚生活における喜びを過小評価してしまっていることが多い、ということである。結婚当初に比べ、慣れによって喜びは低減し、その結果として「悪い面」が相対的に上がる。そうすると、夫婦仲は悪くなりやすくなる。   人は、関係性を持った相手に対して、「相手が悪い」と決めつけることによってその関係性を破綻に追い込む。まず、自分を省みるという発想があまりにも欠如して (さらに…)

西園寺が考える、ビジネスとボランティアの違い

ビジネスもボランティアも、利他的な活動をしているという点では同じであろう。違う点は、「対価」を得ているかどうかだ。 私が思うに、ビジネスとボランティアの違いは、「他人の欲望を捉える興奮」にあると思う。   私は前々から、「現代経済社会は極めて女性的である」と考えている。男性が狩り的な思考をするのに比べ、女性は共感/コミュニケーションに偏った思考をする。これは原始時代の名残である。 略奪、搾取、強奪、侵略、といったハンティング思考で財物を手に入れる時代は20世紀で終わった。21世紀は取引の時代である。現代経済は極めて「女性的な」世界だ。   女性の中には、男性が興奮している姿を見て興奮する人が一定層存在する。もちろん、相手に対して多少なり好意があって成り立つことである。女性は、自分が好意を持てる相手が、自分に対して興奮をし、果てる姿を見て大なり小なり興奮を覚えることがある (さらに…)